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AIは、写真や図をどう読んでいるのか自社4,564枚を数えてみました
- 世界では画像の4枚に1枚以上が、説明文が無いか、疑わしいか、使い回しでした(WebAIM・2026年2月・100万サイト)。
- 当社は「3枚に1枚が空」でした。ただし分解すると、書き忘れは4,564枚中11枚だけ。残りは意図的な空欄で、これは正しい書き方です。
- 本当の事故は別の場所にありました。動画サムネイル212本の説明文は212種類あって一見完璧なのに、そのうち1つの文が34本の別動画に付いていました。
- 読者がやること=空欄の数を数えるだけでは足りません。「同じ文が、別々のものに付いていないか」を見てください(第12章に3分の手順)。
AIは画像そのものより、画像に添えた文を読んでいる
まず、よくある誤解をひとつ外しておきます。「AIは画像を読めない」というのは、正しくありません。画像を渡せば、いまのAIはその中身を説明できます。Anthropicの公式ドキュメントにも、画像を受け取って解釈する機能があるとはっきり書かれています。
問題は「渡したとき」と「AIが自分でホームページを見にきたとき」は別だ、というところです。ページを読みにきた機械が確実に受け取っているのは、画像そのものではなく、画像に添えられた文のほうです。
これは推測ではありません。Googleの公式ドキュメントに、次のように書かれています。
図1:人が見ているものと、機械が受け取っているもの
Googleの「画像SEOのベストプラクティス」には、「Googleは、altテキストと画像認識アルゴリズムとページの内容を合わせて、画像の主題を理解する」と書かれています。3つのうちのひとつ、ではありません。3つを合わせて、です。説明文が無ければ、3本の柱のうち1本が最初から立っていないことになります。
そして2026年7月に更新された、Googleの生成AI向けの公式ガイドには、もう一段はっきりした記述が加わりました。ブラウザを操作するAIエージェントは、画面の描画(スクリーンショット)・DOM構造・アクセシビリティツリーを解釈して情報を集める、というものです。
この「アクセシビリティツリー」というのは、読み上げソフトがページを読むときに使う構造のことです。画像の説明文は、そのアクセシビリティツリーの中身そのものです。つまり、読み上げソフトのために書く文と、AIエージェントが受け取る文は、同じものだということになります。
| 論点 | 公式が言っていること | 言っていないこと |
|---|---|---|
| AIは画像を認識できるか | できる。ただし「低品質・回転した・200ピクセル未満の非常に小さい画像」では誤った解釈をしうる(Anthropic) | どんな画像でも必ず正しく読める、とは書いていない |
| 説明文は使われるか | altテキスト+画像認識+ページの内容を合わせて主題を理解する(Google) | altだけで順位が決まる、とは書いていない |
| AIエージェントは何を見るか | スクリーンショット・DOM構造・アクセシビリティツリーを解釈する(Google・2026年7月更新) | 巡回のたびに画像ファイルを取得して中身を見ている、とは書いていない |
| 図(SVG)はどうするか | インラインSVGには<title>要素を使う(Google) | 図なら説明が要らない、とは書いていない |
| 背景画像(CSS) | CSSの背景画像はインデックスしない(Google) | 見せたい画像を背景で置いてよい、とは書いていない |
出典:Google 検索セントラル「画像SEOのベストプラクティス」(最終更新 2026年3月2日)/同「生成AI機能への最適化ガイド」(最終更新 2026年7月10日)/Anthropic「Vision」公式ドキュメント。いずれも2026年9月4日に原典で確認。
ここから先は、当社が自分のサイトで実際に数えた話です。「AIの中で何が起きているか」は当社には測れません。測れるのは「自分のサイトに何が書いてあるか」だけです。その範囲で、正直に書きます。
世界の100万サイトを調べた人たちがいます
自社の話をする前に、世の中の相場を見ておきます。これを知らないと「うちだけがひどいのか」が分かりません。
図2:上位100万サイトの画像6,660万枚は、どうなっていたか
数字を3つだけ拾います。以下はすべて、この世界調査の数字です(当社の実測は第3章から)。
ひとつ目。世界の上位100万サイトでは、説明文が無い画像が16.2%ありました。ここでいう「無い」は、属性そのものが書かれていないものだけを数えています(意図的な空欄は含みません。この違いは第4章で詳しく書きます)。
ふたつ目。説明文がある画像のうち10.8%が「疑わしい、または繰り返し」でした。中身が「image」「写真」といった無意味なものや、ファイル名がそのまま入っているもの、そして隣の画像とまったく同じ文になっているものです。
この「繰り返し」を独立した問題として数えているところが重要です。世界最大級の調査が、空欄とは別に「中身が同じ」を数えている。これは後半で当社の事故につながります。
みっつ目。説明文の欠落は、全ページの53.1%で検出されました。低コントラストの文字に次いで、2番目に多い問題です。つまりこれは、珍しい話ではありません。
日本語のページは、平均より悪い
同じ調査に、言語別の集計があります。日本の中小企業の社長に、いちばん関係がある部分です。
| 言語 | ページ数 | 平均エラー数 | 全体平均との差 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 521,826 | 46.0 | −18.0% |
| ドイツ語 | 36,134 | 46.9 | −16.4% |
| 全体平均 | 1,000,000 | 56.1 | — |
| 日本語 | 23,943 | 62.2 | +10.8% |
出典:WebAIM「The WebAIM Million」2026年版(2026年2月調査・最終更新 2026年3月30日)
日本語のページは、世界平均より1割ほどエラーが多い。英語のページとは16件の差があります。理由までは調査に書かれていないので、当社も推測は書きません。事実として、そうなっているということです。
「うちのホームページの作りが悪いのでは」と思う前に
同じ調査には、使っている道具別の集計もあります。ここは読者の誤解を先に外しておきたい部分です。
| 技術 | 該当ページ数 | 平均エラー数 | 全体平均との差 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| WordPress | 252,302 | 52.8 | −5.8% | CMSのせいではない。むしろ平均より良い |
| YouTube動画あり | — | +9.4件 | 悪化 | 動画を載せているページは、エラーが増える傾向 |
| Slick(スライダー) | 98,069 | 70.9 | +26.4% | トップの「くるくる動く画像」を動かす部品。3つとも大幅に悪化 |
| Swiper(スライダー) | 52,861 | 74.0 | +31.8% | |
| OWL Carousel | 83,396 | 70.7 | +26.1% |
出典:WebAIM「The WebAIM Million」2026年版。⚠ この数字は「その技術を使うと悪くなる」という因果を示したものではなく、相関です。原典もそう注記しています。
WordPressを使っていること自体は、悪くありません。むしろ平均より良い。一方で、トップページのスライダーと、埋め込んだYouTube動画は、エラーが増える側に並んでいます。中小企業のホームページに、だいたい両方あります。
そして当社が実際に事故を起こしたのは、まさに動画のサムネイル画像でした。第6章で書きます。
原典が「AIで作ることが一因かもしれない」と書いている
この調査の結論部分に、ひとつ気になる記述があります。ページの複雑化と、AIに手伝わせるコーディング(原文では “vibe coding”)が、悪化の一因と考えられる、というものです。画像は1年で13.6%増え、ページの部品数は1年で22.5%増えました。
AIで作るのが悪い、という話ではありません。速く大量に作れるようになった分、間違いも速く大量に複製されるということです。当社の事故も、まさにその形でした。
自社サイトの画像4,564枚を、1枚ずつ数えました
ここからが本題です。他社の話ではなく、自分のサイトを数えました。
| 項目 | 実測値 | 備考 |
|---|---|---|
| 走査したページ | 672 | 投稿648+固定ページ24。総件数と一致・取りこぼし0 |
| 本文に入っている画像 | 4,564枚 | 1ページあたり平均6.8枚 |
| 説明文が空、または無い | 1,411枚(30.9%) | この数字は、次の章で分解します |
| 説明文がある | 3,153枚 | — |
| 説明文の種類 | 1,366種 | 3,153枚に対して1,366種=同じ文が何度も使われている |
| 説明文の長さ | 中央値38字/最長231字 | 長ければいい、というものではありません |
| 図(SVG)に説明が付いているもの | 197個中93個 | 104個には付いていない |
| 表に説明が付いているもの | 834個中431個 | 403個には付いていない |
出典:ytbs.jp の公開データを機械で全数走査(2026年9月4日実施・未ログイン状態)。再現手順は本記事の第12章に簡略版を載せています。
3枚に1枚に説明文が無い。最初にこの数字を見たときは、正直まずいと思いました。
図3:当社サイトの画像4,564枚の内訳(2026年9月4日時点)
ただし、この数字をそのまま「3割の画像が問題だ」と読むのは間違いです。次の章で、その理由を書きます。
「3枚に1枚」を分解したら、話が変わりました
画像の説明文には、実は3つの状態があります。ここを混ぜると、数字が意味を失います。
| 状態 | 書き方 | 正しいか | 当社の実測(分子÷分母) |
|---|---|---|---|
| 中身が書いてある | alt="自社工場の塗装工程" | 情報を持つ画像なら正しい | 3,153枚 ÷ 4,564枚=69.1% |
| 意図的に空にしてある | alt="" | 飾りの画像なら、これが正しい | 1,400枚 ÷ 4,564枚=30.7% |
| 属性ごと書き忘れ | <img src="..."> | これは直すべき | 11枚 ÷ 4,564枚=0.2% |
出典:ytbs.jp 全数走査(2026年9月4日)。正誤の判定基準は W3C WAI「Decorative Images」による。
W3C(ウェブの標準を決めている団体)の公式ドキュメントには、はっきりこう書かれています。飾りの画像には空の説明文(alt="")を付けるべきで、これによって読み上げソフトはその画像を無視できる。飾りに文を付けると、読み上げが邪魔になるからです。
そして、そのすぐ後にこうも書かれています。「属性を省略するのは選択肢ではありません」。省くと、読み上げソフトが代わりにファイル名を読んでしまうことがあるからです。
つまり「空にする」と「書き忘れる」は、見た目は同じでも、正しさが正反対です。当社の1,411枚は、ほとんどが前者でした。
| 種類 | 例 | 正しい書き方 |
|---|---|---|
| 情報を持つ画像 | 商品写真、工場の様子、実績のグラフ、社員の顔写真 | 何が写っているかを具体的に書く |
| 飾りの画像 | 区切り線、背景の模様、隣の文章がすでに説明している写真 | alt=""(空にする)。省略はしない |
| 機能を持つ画像 | リンクになっているバナー、アイコンのボタン | 「どこへ行くか・何が起きるか」を書く(見た目ではなく機能) |
出典:W3C WAI「Images Tutorial」(Decorative Images / Informative Images / Functional Images)。2026年9月4日に原典で確認。
世界の16.2%と、当社の0.2%は並べていいのか
第2章で、世界では説明文が無い画像が16.2%だと書きました。当社は0.2%です。桁が2つ違います。
ただし、ここは正直に書きます。この2つは、厳密には同じ土俵の数字ではありません。WebAIMが調べたのは各サイトのトップページ全体(メニューやロゴを含む、ブラウザで表示された状態)で、当社が数えたのは記事の本文の中だけです。数え方が同じ(属性そのものが無いものだけを数える)という点は揃っていますが、対象が違います。
だから「当社は世界平均の80分の1」とは書きません。言えるのは「同じ定義で数えたとき、当社の記事本文には書き忘れが11枚しかなかった」ということだけです。
そして、ここが本題です。この11枚を直しても、当社の本当の問題は1つも解決しませんでした。
その3割は、3つの違う集団を混ぜた平均でした
当社のサイトは、記事の作られた時期によって設計が3世代に分かれています。それぞれで数えてみました。
| 世代 | ページ数 | 該当ページ | 該当した画像 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 新しい設計 | 160 | 0 | 0枚 | 最初から正しく作れば、増えない |
| 中間の設計 | 16 | 1 | 1枚 | ほぼ健全 |
| 古い記事 | 496 | 149 | 1,410枚 | 全体の99.9%がここに集中 |
| 合計 | 672 | 150 | 1,411枚 | — |
出典:ytbs.jp 全数走査(2026年9月4日)。世代は本文HTMLのラッパークラス名で判定しています。
図4:1つの平均値が隠していたもの
これが、この記事でいちばんお伝えしたいことのひとつです。「サイト全体で3割」という数字からは、何をすればいいかが出てきません。全部直すのか、と気が遠くなるだけです。
世代別に分けると、やることが決まります。古い記事から手を付ける。新しく作る分は最初から正しく作る。そうすれば、この数字は自然に減っていきます。実際、当社の新しい設計の160ページはゼロ枚です。
平均値は、便利です。でも平均値は「どこを直すか」を隠します。これは画像の話に限りません。
怖かったのは「空欄」ではなく、「中身が同じ」でした
ここからが、当社が実際に踏んだ失敗の話です。
最初、当社は「説明文が空の画像はいくつあるか」を数えました。動画のサムネイル画像については、空欄はゼロ枚でした。合格です。
次に「説明文の種類はいくつあるか」を数えました。212本の動画に対して、212種類の説明文。1対1です。完璧に見えました。
それでも念のため、観測点をもう一段変えてみました。「同じ文が、別々の動画に付いていないか」を数えたのです。
図5:観測点を3段階変えて、はじめて事故が出てきた
| 数え方 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 説明文が空の画像 | 272枚中 0枚 | 問題なし |
| 属性を書き忘れた画像 | 272枚中 0枚 | 問題なし |
| 説明文の種類 | 動画212本に対して 212種 | 1対1・問題なく見える |
| 同じ文が2本以上の別動画に付いている | 3種 | ここで初めて出た |
| そのうち最も広がっていたもの | 1つの文が34本の別動画・15ページ・57枚に | 事故 |
出典:ytbs.jp 全数走査(2026年9月4日)。動画IDはサムネイル画像のURLから抽出し、同一の説明文が何本の別IDに付いているかを数えました。
実際に付いていたのは「YouTubeアイコン(ロゴ)の作り方・サイズ・設定方法を解説する動画」という文でした。それ自体は、悪い文ではありません。1本の動画については、正確です。
問題は、まったく関係のない34本の動画にも、同じ文が付いていたことです。機械から見ると、当社のサイトには「YouTubeアイコンの作り方の動画」が34本あることになります。
「説明文は212種類あります」と数えても、見つかりませんでした。
「同じ文が、別々のものに付いているか」を数えて、初めて見つかりました。
- 測る面を1つに絞ると、正常な状態と異常な状態が、同じ数字になります。
- しかも②の「212本に212種類」は、数の上では完璧でした。数が合っていても、中身は合っていないことがあります。
もうひとつ、付け加えておきます。「同じ説明文が使い回されている」こと自体は、悪いことではありません。当社のサイトで最も多く使われている説明文は、著者の顔写真の407回、書影の400回と248回です。同じ画像なら、同じ説明文で正しい。
実際、説明文がある3,153枚のうち、2回以上使われている文が付いているものは1,910枚(60.6%)あります。数字だけ見ると多いように見えますが、大半は正常です。
だから「使い回しを数える」だけでも足りません。「同じ画像に同じ文」なのか、「違うものに同じ文」なのか。そこまで見て、初めて事故と正常が分かれます。
リンク切れチェックでは見つからない壊れ方
もうひとつ、同じ調査で出てきた話です。
YouTubeのサムネイル画像には、いくつかのサイズがあります。高画質版は、古い動画には存在しないことがあります。問題は、存在しないときの返事の仕方です。
普通、ページや画像が存在しなければ「404(見つかりません)」が返ります。リンク切れチェックのツールは、この404を探します。
ところが高画質サムネイルの場合、存在しなくても「200(正常です)」が返り、中身として120×90ピクセルの灰色の画像が渡されます。当社が以前に調べたときは、動画201本のうち55本(27.4%)がこの状態でした。
図6:なぜリンク切れチェックをすり抜けるのか
ここで、第1章の表を思い出してください。Anthropicの公式ドキュメントには、「低品質・回転した・200ピクセル未満の非常に小さい画像では、誤った解釈をしうる」と書かれています。120×90ピクセルは、その条件に当てはまります。
ただし「だからAIが必ず間違える」とは書きません。当社が言えるのは、公式が「誤りうる」と書いている条件に、当社の画像55本が当てはまっていたという事実までです。
この章のポイントは、灰色画像そのものではありません。「200が返ってきたから正常」というのも、測る面を1つに絞った判断だったということです。第6章と同じ形の失敗が、別の場所でも起きていました。
同じサイトを2か所で測ったら、40ポイント違いました
ここは、この記事を書いている途中で見つけたものです。
WordPressを使っていると、画像をアップロードするときに説明文を入力できます。ここに入れておけば大丈夫だと思っていました。
ところが、記事の本文に画像を貼った時点で、そのときの説明文が本文のHTMLに焼き付けられます。あとからメディアライブラリ側を直しても、すでに貼ってある記事には反映されません。逆も同じです。
図7:説明文は2か所にあり、片方を直しても、もう片方は変わらない
| 測った場所 | 対象 | 説明文が空・無し | 使い回しの状況 |
|---|---|---|---|
| 記事の本文 | 画像 4,564枚 | 1,411枚(30.9%) | 2回以上使われている文=123種・1,910枚 |
| メディアライブラリ | 画像 2,127枚 | 1,551枚(72.9%) | 2回以上使われている文=53種・123枚 |
出典:ytbs.jp の公開データを機械で走査(2026年9月4日・未ログイン状態)。メディアライブラリ側は、公開APIから取得できた2,133件(うち画像2,127枚)を対象としています。
読者にとって大事なのは、本文のほうです。機械が読むのは、実際にページに書かれているHTMLだからです。メディアライブラリ側は、これから貼る画像のための「元」にあたります。
とはいえ、両方そろっているに越したことはありません。当社は2026年8月2日から「画像をアップしたら説明文を必ず設定する」を社内ルールにしています。そのうえで、72.9%が空でした。ルールを作った会社でも、こうなります。
なぜ気づけなかったのか、どう直すと決めたか
事故の原因は、はっきりしています。動画の表示を軽くするために、サイト全体の埋め込み方法をまとめて変えたときに、1つの説明文がそのまま全体に複写されたのです。
一括処理は速い。ただし、間違いも同じ速さで複製されます。第2章で見た「AIに手伝わせると悪化する一因かもしれない」という指摘と、形は同じです。
直すときに決めた3つのこと
材料がある場所から取る
動画には、ページの中に正しい動画タイトルが機械向けの情報として入っています。まずそこから取ります。人が思い出して書くのではなく、すでにサイトの中にある正しい値を使う。
推測で埋めない
材料が無い動画は、空欄のまま手当てリストに残します。説明文は機械が読む場所です。誤った情報を増やすくらいなら、空欄のほうがましだと判断しました。
1件ずつ試してから広げる
一括処理で壊したので、直すときも一括にはしません。1件直して実際の表示を見る → 5件 → 残りの順で進めます。
同じ型が、もう1か所で見つかりました
この記事を書くにあたって、当社のメディアライブラリも点検しました。そこで見つかったものを、そのまま書きます。
4枚の画像に、まったく同じ説明文が付いていました。「Googleアナリティクス(GA4)の管理画面」という文です。
しかも、確かめてみるとそのうち実際に「管理画面」だったのは1枚だけでした。残りの3枚は、ホーム画面・リアルタイムのレポート・トラフィック獲得のレポートで、まったく別の画面です。
| 画像 | 直す前の説明文(4枚とも同じ) | 実際に写っていたもの | 直した後 |
|---|---|---|---|
| 1枚目 | 「Googleアナリティクス(GA4)の管理画面」 4枚すべてに同じ文 | ホーム画面(表示回数2,213など) | ホーム画面と分かる文へ |
| 2枚目 | リアルタイムの概要レポート | レポート名を入れた文へ | |
| 3枚目 | トラフィック獲得のレポート | レポート名を入れた文へ | |
| 4枚目 | 管理(設定)画面=これだけ正しかった | 項目名を足して具体化 |
出典:ytbs.jp メディアライブラリの実測と是正(2026年9月4日実施)。是正後、4枚とも別々の説明文になっていることを再取得して確認しました。
ここで分かったことが、ひとつあります。「同じ文の使い回し」は、同時に「間違った説明」でもありました。4枚に同じ文を付けた時点で、少なくとも3枚は事実と違うものになっていたわけです。
使い回しが危ないのは、手抜きだからではありません。1つの文が、それが正しくない場所まで運ばれていくからです。
自社サイトが機械にどう見えているか、一度そろえて見てみませんか
この記事でやったような「全部数えて、どこから直すか決める」作業は、外から見ると地味ですが、いちばん効きます。当社では、生成AI時代の見え方を整える支援をしています。
支援の内容と費用を見る分かっていないこと
この記事で、当社が確かめていないことを3つ挙げます。
巡回時に画像そのものを見ているか
Googleの公式ガイドには、AIエージェントがスクリーンショットやアクセシビリティツリーを解釈すると書かれています。ただし「サイトを巡回するAIが、毎回その画像ファイルを取得して中身を見ているか」は、公開情報から確認できていません。
説明文を直すと順位が上がるか
まだ測っていません。この記事の公開を起点に、28日後に「画像の説明文」に関わる検索語で当社の記事が何語拾えたかを見ます。結果が思わしくなければ、そのまま書きます。
3つ目は、この記事を書きながら当たったものです。
メディアライブラリを数えたとき、WordPressが「全部で3,412件あります」と答えたのに、実際に取り出せたのは2,133件でした。差は1,279件です。下書きに戻した記事に紐づく画像が、公開用のデータから外れているのだろうと考えていますが、確かめていないので断定はしません。
この記事の数字は「取り出せた2,133件」で計算しています。「ツールが表示する総数」と「実際に取り出せる件数」が違うことがある――これも、数え方の話です。
結局、どう書けばいいのか
Googleの「画像SEOのベストプラクティス」には、4段階の例が載っています。日本語にすると、こうなります。
| 評価 | 書き方 | なぜそうなるか |
|---|---|---|
| 悪い | 説明文そのものが無い | 機械に渡る情報がゼロになる |
| 悪い | キーワードを詰め込む (「犬 子犬 わんこ ペット 犬種…」) | スパムとみなされる可能性があると公式が明記 |
| まし | 「子犬」 | 間違ってはいないが、情報が少ない |
| 最良 | 「ボール遊びをしているダルメシアンの子犬」 | 何が・どんな状態で写っているかが分かる |
出典:Google 検索セントラル「画像SEOのベストプラクティス」(最終更新 2026年3月2日)。例は原典の犬の写真の例を日本語に置き換えたものです。
長さの目安は、当社の実測から
「何文字くらい書けばいいですか」とよく聞かれます。決まりはありません。当社の実測値を目安として出しておきます。
記事本文の説明文は、中央値38字・最長231字でした。231字は、明らかに長すぎます。1文で「何が写っているか」と「なぜそれを載せたか」が分かれば十分です。
会社のホームページなら、たとえばこう書きます。「自社工場で職人が家具に手作業でオイルを塗っている様子」。固有名詞と、具体的な動作が入っていれば、だいたい足ります。
図(グラフ・イラスト)と、背景画像の注意
2つだけ、見落とされがちな点を書いておきます。
ひとつ目。ページに直接描かれた図(インラインSVG)には、<title>という別の書き方を使います。これもGoogleの公式ドキュメントに、写真の説明文と並べて書かれています。当社は図197個のうち104個で、これが付いていませんでした。これから直します。
ふたつ目。CSSの背景画像として置いた画像は、Googleがインデックスしませんと公式に明記されています。デザイン上の飾りなら問題ありませんが、見せたい写真を背景として置いているなら、置き方から見直したほうがいいということです。
自分の会社で3分で確かめる方法
ここまで読んでいただいた方が、月曜に実際にできることを書きます。
| 手順 | やること | 見るところ | 該当したら |
|---|---|---|---|
| ① 数える | 自社ページをChromeで開き、右クリック→「検証」→「Console」に1行貼って実行 | 画像の総数と、説明文が空の数 | 次の②へ(ここで終わらない) |
| ② 分ける | 空のものを「意図的な空欄」と「書き忘れ」に分ける | 飾りの画像なら空欄で正しい | 書き忘れだけを直す |
| ③ 重なりを見る | 同じ文が何回出ているかを数える | 違うものに同じ文が付いていないか | ここが本命。付いていたら事故 |
| ④ 実物を見る | 動画のサムネイルが本当に表示されているか | 表示サイズが極端に小さくないか | 灰色の小さい画像なら差し替え |
③で使う考え方だけ、もう一度書きます。同じ画像に同じ説明文が付いているのは、正常です。会社のロゴが全ページに出ていて、全部同じ説明文なのは、当たり前です。
異常なのは、違うものに同じ説明文が付いているとき。商品Aと商品Bの写真に同じ文が付いていたら、機械から見て両者は区別できません。
制作会社に任せている場合、何を聞けばいいか
自分で触らない社長のために、そのまま使える質問を3つ用意しました。
質問1
「うちのサイトの画像に、代替テキスト(altテキスト)は入っていますか。入っている枚数と、空の枚数を教えてください」
質問2
「その代替テキストに、同じ文が複数の違う画像に使われている箇所はありますか」
質問3
「動画を埋め込んでいるページで、サムネイル画像がちゃんと表示されているかを確認してもらえますか」
質問2に答えられる制作会社は、多くありません。それは能力の問題ではなく、この観点があまり知られていないからです。当社も、自分のサイトを数えるまで気づきませんでした。
どこまでが0円で、どこから先が違うか
ここまでの点検は、すべて0円でできます。ツールも要りません。
費用がかかるのは、見つかったものを直す作業からです。数十枚なら自社で十分に終わります。数百枚を超えて、しかも一括で直す必要が出てきたときは、一括処理そのものが事故のもとなので(当社がまさにそれで壊しました)、手順を決めてから進めることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Qaltテキスト(代替テキスト)とは何ですか?+
Q画像に説明文がないと、AIには読まれないのですか?+
Q装飾のための画像にも、説明文は必要ですか?+
Q説明文は何文字くらいがいいですか?+
Q同じ画像に同じ説明文を付けるのは問題ですか?+
Q自分のサイトを確認するのに、費用はかかりますか?+
QWordPressのメディアライブラリで設定すれば大丈夫ですか?+
Q制作会社に外注している場合、何を聞けばいいですか?+
Q説明文を直すと、検索順位は上がりますか?+
Q画像のファイル名も関係ありますか?+
まとめ
- AIは画像そのものも見られますが、ページを読むときに確実に受け取っているのは、画像に添えた文のほうです。Googleは公式に、AIエージェントがアクセシビリティツリーを解釈すると書いています。
- 「3枚に1枚が空」は、分解すると意味が変わりました。書き忘れは4,564枚中11枚だけ。飾りの画像を空にするのは正しい書き方です。
- 本当の事故は、空欄ではなく「中身の重複」にありました。212本の動画に212種類の説明文があっても、そのうち1つが34本に付いていました。
- 測る面を1つに絞ると、正常と異常が同じ数字になります。数が合っていても、中身は合っていないことがあります。
- 直す順番は、①違うものに同じ文が付いている箇所 →②古い記事 →③新しく作る分は最初から正しく。全部を一度に直そうとしないでください。
- 点検は0円・3分でできます。ただし空欄の数を数えて終わりにしないこと。それが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
自社サイトが、機械にどう見えているかを整えませんか
画像の説明文は、生成AI時代の見え方を整える作業のひとつです。当社は自社サイト672ページで同じことをやってきました。実際にやった手順のまま、貴社のサイトでご一緒します。
※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。





















