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AIが自社の情報を間違える|直し方の順番と、消えない誤りの正体

3つのAIで自社を実験AI4社の訂正窓口を一次確認10月の答え合わせを追記しました

著者:酒井大輔(ITコーディネータ/ITC中部 理事) | 公開日:2026年7月26日 | 最終更新:2026年10月8日 | 読了目安:約15分

この記事の要点AIに自社のことを聞いたら、間違った答えが返ってきた——。直す順番は決まっています。しかも、いちばん効くのはAIに報告することではありません。自分のサイトを直すことです。少なくとも1社(Anthropic)は、公式ヘルプでそう案内しています。
📌 30秒まとめ今日やることは3つだけです。
  • ① 何がどう間違っているかを4つに分ける(事実の誤り/古い情報/取り違え/存在しない話)
  • ② 自社サイトの記述を「語ごと」直す。注記で「正しくは〜」と足すだけでは消えません(実測あり)
  • ③ 直してから、AI各社に報告する。順番が逆だと効きません
そのうえで、なぜ間違いが起きるのかを、当社の実験でお見せします。3つのAIに自社を聞いたら、設立年の答えが割れました。原因は当社のページの中に、数えられる形で残っていました。

【結論】直す順番は決まっています

📌 このセクションの要点AIが自社を間違えるとき、直す順番は3段階です。逆から手をつけると、時間だけが過ぎます。

図1:AIの誤りを直す順番

AIの誤りを直す順番誤りを4つに分ける、自社サイトを語ごと直す、AI各社に報告する、の3段階を左から順に並べ、最初の2つが自分で完結し、3つ目は相手が要ることを示した図。① 分ける誤りを4種類に仕分ける10分② 自社を直す語ごと置き換えるいちばん効きます③ 報告するAI各社の窓口へ最後でよい→→①②は自分だけで終わります。③は相手が要りますだから、①②を先に片づけます
当社が支援先にお伝えしている順番です(2026年9月時点)。

「ChatGPTに会社のことを聞いたら、設立年が違っていた」「取引実績が実際と食い違っていた」。よくいただくご相談です。そして、多くの方が最初にAI各社への報告を探します。気持ちは分かりますが、順番が逆です。

いちばん効くのは「自分のサイトを直す」——公式がそう書いています

これは当社の意見ではありません。Claudeを提供するAnthropicの公式ヘルプに、サイト所有者ができることが表で示されており、その筆頭が「そのページの記述を消すこと」です。原文は “the best way to ensure that it won’t appear”(出てこないようにする最善の方法)と書かれています。

⚠ これはAnthropic 1社の記述です。他の3社が同じ案内をしているわけではありません。ただし「自社サイトに書いてあることが、そのまま回答に出る」という点は、当社の実測では4社に共通して起きていました。

表1:Anthropicが案内している「サイト側でできること」(公式ヘルプ・2026年9月5日確認/他3社の案内ではありません)
方法効果
そのページの記述を消す・直すいちばん確実(原文は “the best way to ensure that it won’t appear”)
パスワードで保護する非公開にすれば、回答に使われなくなる
noindex タグ検索の索引に入らない=回答に使われない
robots.txt画像・動画のクロールを止める
URL単位のブロック申請所有の証明(ドメイン登録情報・SSL証明書など)を添えて申請

出典:Anthropic「Report, block, and remove content from Claude」(2026年9月5日に公式ヘルプで確認)。⚠ 各社の案内は変わることがあります。

⚠ ここが実務でいちばん効きますAIに報告しても「訂正します」と約束している社は、4社とも1つもありません。OpenAIの書き方は「報告された情報源にフィルタや緩和策を適用することがある」です。直してもらうのではなく、間違いのもとを自分で消す。これが唯一、自分で結果を出せる手です。

誤りを4つに分ける

ひと口に「AIが間違えている」と言っても、中身は4種類あります。種類ごとに、直し方も、直る早さも違います。まずここを分けてください。10分で終わります。

表2:誤りの4分類と、それぞれの直し方
種類例もとになっている場所直し方
① 事実の誤り設立年・所在地・代表者名が違う自社サイトの記述該当ページを語ごと直す。会社概要ページを作る
② 古い情報すでに変えたサービス名・価格が残っている自社サイトの旧ページ、または他社の古い記事自社は直す。他社分は報告する
③ 取り違え別の事業の数字を、違う事業の成果として答える自社サイトの書き方注記を足すのではなく、語ごと置き換える
④ 存在しない話やっていない事業・取ったことのない賞どこにも無い(AIが作った)AI各社へ報告。自社側では消せない
📌 ①②③は自分で消せます4つのうち3つは、もとが自社サイトにあります。つまり自分で消せるということです。AI各社への報告が本当に要るのは④だけ。まずどれに当たるかを見極めてください。

🔴 ③「取り違え」がいちばん厄介です

当社のサイトには、ある支援先の成果を、別の事業の数字として書いてしまった箇所がありました。2026年8月9日に見つけ、直し終わったのは9月5日です。約1か月かかりました。

その間、どうなっていたか。2026年9月5日にAI4社へ同じ質問を投げたところ、4社中3社が、取り違えたままの数字をそのまま答えました。正しく答えたのは1社だけです。

⚠ これは当社の遅れですAIが間違えたのではありません。当社が1か月直せなかったから、1か月ずっと外に出続けた——それだけの話です。「AIが間違える」の相当部分は、AIの性能ではなく、直し残しです。

出典:当社実測(AI4社への同一質問・2026年9月5日/記録は実測記事とClaudeのモデルの違いと選び方に残しています)。⚠ 未ログインで測れたのはChatGPTとPerplexityで、GeminiとClaudeはログインが必要なため当社アカウントで実施しています。誤った数字そのものは、この記事には書きません(理由は次項)。

🔴 注記で「正しくは〜」と足しても、AIは拾いません

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

当社のあるページには、取り違えた数字のそばに「正しくは〜」という注記が付いていました。人が読めば分かります。ところが2026年9月5日にPerplexityへ質問すると、注記のほうではなく、誤ったままの数字を答えました。

⚠ だから当社は決め事にしています誤った数字は、注記で補わない。語ごと置き換える。
注釈・打ち消し線・「※旧表記」——どれも人向けの工夫です。AIは注釈を読まず、数字だけを拾っていきます。直すとは「訂正を書き足すこと」ではなく、「誤った表記を消すこと」です。

出典:当社実測(Perplexityへの質問・2026年9月5日)。この件を含む測定の記録は実測記事に残しています。⚠ この記事に誤った数字そのものを書かないのも、同じ理由です。書けば、また拾われます。

どれに当たるか、5分で判定できます

4分類は、覚えるものではなく使うものです。実際に自社について聞いてみて、返ってきた答えを次の順に当てはめてください。

表2-2:返ってきた答えの判定手順(上から順に当てはめる)
確かめることはいいいえ
その内容が、自社サイトのどこかに書いてありますか①か②か③(自分で消せます)次へ
昔は書いていたが、いまは消してありますか②古い情報(他社の転載も探す)次へ
似た数字や似た事業名が、サイト内にありますか③取り違え(語ごと置換)次へ
検索しても、どこにも出てきませんか④存在しない話(報告のみ)もう一度①から
📌 順番を守る理由上から順に当てはめてください。いきなり④だと決めつけて各社へ報告しても、もとが自社サイトにある限り、AIは何度でも同じ答えを返します。④は「自社サイトを探しても見つからなかったとき」に初めて選ぶものです。

自社サイトを直す|今週・今月・続けて

📌 このセクションの要点AIがあなたの会社を知る入口は3つあります。入口ごとに、やることが違います。記事を何本書いても、空いている入口は埋まりません。

AIがあなたを知る、3つの入口

表3:AIがあなたの会社を知る3つの入口(当社の実験でわかったこと)
入口具体的には実験でわかったこと
① 自社サイト記事・プロフィール・構造化データ社名を出して聞いた質問では、3社ともここを読みました
② 第三者の情報比較メディア・口コミ・ニュースClaudeはここを読み、当社は載っていませんでした
③ 登録型のデータGoogleビジネスプロフィール・地図ChatGPTはここを読み、当社を1番目に出しました

①の記事をどれだけ増やしても、②が空なら「社名を出さない検索」では出てきません。当社がまさにその状態でした。

今週やること(3つ)

会社概要ページを作る

設立年月/所在地/代表者名/従業員数/事業内容/対応エリア/連絡先を「項目名:値」の形で1ページに。文章に埋め込まず、項目名をつけるのが肝心です。

構造化データに会社情報を入れる

ホームページには「機械が読む用のデータ」を埋め込めます。制作会社に「Organizationに設立日と所在地を追加して」と伝えれば通じます。

紛らわしい数字を整理する

今回の誤答の直接の原因です。「創業◯年」と「法人化◯年」など、別の意味の年が混ざっていないかを点検します。

今月やること(3つ)

表4:今月やること
やることなぜ効くか
表記をひとつに統一する(社名・人名・書名)バラバラだとAIは同一と認識できず、実績が分散します
同じ数字を、同じ形で繰り返す「これまでに制作した記事は1,170本超(累計・2026年8月時点)」のように、意味と時点をつけた同じ形で全ページ統一。AIは複数ページで一致する数値を事実として扱います
よくある質問をQ&Aの形で書くAIは質問と答えのセットをいちばん引用しやすいためです

続けてやること(4つ)

表5:続けてやること
やることなぜ効くか
第三者のメディアに載る(入口②)今回いちばん弱かった部分。自社サイトだけでは、社名を出さない検索で選ばれません。※自作自演の比較記事は見抜かれます
Googleビジネスプロフィールを整える(入口③)ChatGPTが1番目に出したのはここのデータです。1時間ほどで終わって、効果が出やすい
一次情報を出すAIが引用したがるのは他所にない数字。「出典:自社実測(◯年◯月時点)」と添えます
定期的にAIに聞いて確かめる⚠ 必ずログアウトして。自分のアカウントで聞くと、AIがこちらを知っているため測定になりません

測り方の手順はAI可視性チェックの調べ方に、どの関門で落ちているかの切り分けはAIに自社が出てこない原因にまとめました。引用される中身の作り方はAIに引用されるコンテンツの作り方で扱っています。

毎月1回、同じ条件で測る

直したあと、いちばん多い失敗は「直したつもりで終わる」ことです。AIの回答は毎回変わるので、1回見ただけでは直ったかどうか分かりません。条件を固定して、月に1回だけ測ってください。

表5-2:毎月の確認(当社が実際に続けている形)
決めておくこと当社の場合
質問文毎回まったく同じ文を使う。変えると比較になりません
ログイン状態⚠ 必ずログアウト。自分のアカウントだと、AIがこちらを知っているため測定になりません
対象4社に同じ質問。未ログインで測れるのはChatGPTとPerplexityの2社、GeminiとClaudeはログインが要るので「当社アカウント」と記録に残します
記録日付・質問文・答えの該当箇所を1行で。直った月が分かれば十分です
📌 当社の実例2026年8月9日に取り違えを見つけ、直し終わったのは9月5日。その日に4社へ同じ質問を投げたところ、4社中3社が、取り違えたままの数字を答えました。直した効果がいつ出るかは、この記事の第8章で10月に測って公開します。

AI4社の訂正窓口(2026年9月5日 一次確認)

自社サイトを直したうえで、それでも残る誤り(4分類の④「存在しない話」など)は、各社に伝えます。2026年9月5日に、4社すべての公式ヘルプで確認しました。

表6:AI4社の報告窓口(2026年9月5日・各社の公式ヘルプで確認)
AI誤りを伝える方法
ChatGPT(OpenAI)回答の👎→「Select an issue」→「Safety or Legal concern」。または公式のコンテンツ報告フォーム
Gemini(Google)回答の下の「良い回答/悪い回答」アイコンを押し、理由を選んで送信
Claude(Anthropic)公式のコンテンツ報告フォーム。安全性の問題は専用のメールアドレス
Perplexity回答の下の旗アイコン、または「…」→「Report」。サポート宛のメールも可

出典:各社の公式ヘルプ(OpenAI/Google/Anthropic/Perplexity)。すべて2026年9月5日に確認。⚠ 窓口の場所や手順は変わることがあります。実際に使う前に、各社のヘルプで最新をご確認ください。

⚠ 期待しすぎないための但し書き4社とも「訂正します」とは書いていません。OpenAIの説明は「報告された情報源について、今後の回答で依存しないようフィルタや緩和策を適用することがある」というものです。いつ反映されるかを約束している社も、ありません。だから順番が大事なのです——先に自社を直す。報告は最後です。

報告するときに、何を書くか

どの社のフォームでも、聞かれることはほぼ同じです。先に手元でこの4つを揃えてから開くと、5分で終わります。

表6-2:報告フォームに書く4項目(当社が実際に用意しているもの)
項目書き方
投げた質問一字一句そのまま。「弊社について教えて」ではなく、実際に打った文をコピーします
返ってきた答え該当箇所だけを引用。全文は要りません
正しい情報それが確認できる自社ページのURLを必ず添えます。URLが無いと、相手は確かめようがありません
日時と条件いつ・ログイン状態か未ログインかを書きます

順報告より先に、自社ページのURLを用意してください

「正しい情報」を書く欄で、その根拠になるページが自社サイトに無いと、報告そのものが成立しません。だから順番が「①自社を直す → ②報告」なのです。逆にすると、報告した先で確かめようがなく、そのまま流れます。

実験|3つのAIに自社を聞いてみました

📌 このセクションの要点2026年7月25日、当社について3つのAIに同じ質問を投げました。設立年の答えが割れました。そしてそのうちの1社が、割れた理由まで自分から指摘してきました。

質問は、わざと3つの層に分けて設計しました。

① よく書いている情報

「ユーチューブビジネスサポートという会社について教えてください」
これまでに制作した記事は1,170本超(累計・2026年8月時点)あり、事業内容も実績も書いています。答えられて当然のはずです。

② 社名を出さずに探させる

「愛知県で中小企業のYouTube・動画マーケティングを支援している会社を教えてください」
出しているだけで見つけてもらえるかを確かめます。

③ まとめて出していない情報

「設立年月日・所在地・従業員数を教えてください」
当社には会社概要ページがありません。ここが見どころです。

結果:見事に分かれました

表7:3つのAIに同じ質問を投げた結果(2026年7月25日・各1回)
AI実験で見えた性格設立年
ChatGPT地図の情報を見に行った。社名を出さない質問で1番目に出した誤答
GeminiGoogle系の情報に強い。社名なしでは5番目正解
Claude聞いていないことまで先回りした。会社概要ページの作成まで提案してきた—

⚠ これは2026年7月25日に1回ずつ試した結果です。AIは日々更新されるので、同じ質問でも結果は変わります。「今回の1回ではこうだった」としてお読みください。

ChatGPTの回答画面。ユーチューブビジネスサポートの設立年月日を尋ねた結果が表形式で表示され、設立年の行が赤枠で強調されている
ChatGPTに設立年月日を聞いた画面(2026年7月25日)。赤枠の行が、実際とは違っていました。
Geminiの回答画面。同じ質問に対して設立年を正しく答えている
同じ質問をGeminiに投げた画面(2026年7月25日)。こちらは正解でした。同じ日に、同じ質問で、答えが割れます。
📌 ここが大事です正解を知っているのは、私だけでした。読んだ人には、どちらが正しいか分かりません。1社で確かめて「合っていた」と安心するのは危険だということです。

★Claudeが、割れた理由を自分から言い当てました

いちばん驚いたのは、聞いてもいないのに原因まで指摘されたことです。返ってきた一文が、この記事の答えそのものでした。

💬 Claudeが返してきた一文「サイト内で『2008年から』という表現が多用されているため、外部からは設立年と混同されやすい状態です」

AIが、AIの間違えた理由を説明してみせた。しかも当たっていました。次の章で、当社のページを実際に数えます。

⚠ この結果は「どのAIが優秀か」の話ではありません。どれが一番かではなく、何をさせたいかで選ぶのが正解だと考えています。モデルごとの違いと選び方はClaudeのモデルの違いと選び方にまとめました。

なぜ間違えたのか|原因は自社サイトの中にありました

📌 このセクションの要点Claudeの指摘どおりでした。当社のページの中で、年の表記が割れていたのです。しかも、数えられる形で残っていました。

数えてみたら、10対1でした

表8:当社サイト内に出てくる「年」の回数(2026年7月時点)
表記回数意味
「2008年から」10回YouTube活用の支援を始めた年
「2017年」1回こちらが法人としての設立年

図2:AIは「多く書いてあるほう」を選びました

サイト内の年の表記が10対1で割れていた自社サイト内に「2008年から」が10回、正しい設立年である2017年が1回だけ書かれており、AIは回数の多い2008年を設立年として答えたことを示す棒グラフ。当社サイトに書かれていた回数「2008年から」(支援を始めた年)10回「2017年」(法人としての設立年)1回AIが設立年として答えたのは 「2008年」 でした正しい数字が1回しか書かれていないと、10回書かれた別の数字に負けます
当社サイト内の実測(2026年7月時点)。人が読めば分かる違いも、機械には回数で伝わります。

10対1です。人が読めば「2008年から支援している会社が、2017年に法人化したのだな」と分かります。けれどAIは、繰り返し出てくるほうを事実として扱いました。

⚠ AIは多数決に近いことをします複数のページで一致している数字ほど、確からしいと扱われます。裏を返すと、正しい情報が1回しか書かれていないと、10回書かれた別の数字に負けます。これが「取り違え」の正体です。

AIは「思い出して書いて」います

もうひとつ、仕組みの話を短くしておきます。AIは、質問のたびにどこかから正解を探してくるわけではありません。読んだ範囲の情報をもとに、その場で文を組み立てています。

だから、読んだ範囲に無いことを聞かれると、無いとは言わずに、それらしい答えを作ります。当社に会社概要ページが無かったため、AIは「2008年」という繰り返し出てくる数字を、設立年として組み立てたわけです。

表9:だから、こう直します
起きていたこと直し方
別の意味の年が混ざっていた「創業2008年/設立2017年」と意味を書き分ける
正しい数字が1回しか書かれていない会社概要ページを作り、同じ形で繰り返す
項目名がなく、文章に埋もれていた「設立:2017年◯月」のように項目名:値の形にする

仕組みそのものをもっと詳しく知りたい方は、SEO・AEO・GEO・LLMO対策|違いと、6つの順番で全体像を扱っています。

図3:知識に穴があるとき、AIが何をするか

知識に穴があるとき、AIが何をするかAIが読んだ範囲(ネット上の文章)知っている知っている空白(ネットに無い)知っているAIは「空白のまま止まる」ことができない前後のつながりから「ありそうな言葉」で埋める = もっともらしい間違い
空白を空白のままにできないこと。それがハルシネーションの正体です。だから「空白を減らす」=ネットに情報を出すことが、いちばん効く対策になります。

AIが見ているのは「世の中」ではなく「ネットの一部」

図4:生成AIから見た「情報の範囲」

生成AIから見た情報の範囲(4層の入れ子)① 世の中のすべての情報(リアルの世界)会議・商談・電話・現場・紙の資料・社員の頭の中にある経験② インターネット上にある情報会員制サイトの中・社内システム・鍵つきSNSには、AIは入れません③ 誰でも見られるWebページ自社サイト・ブログ・ニュース記事・口コミ・地図情報④ AIが実際に読み取れた情報③のうち、AIが見つけられる形で書かれていた分だけ★ AIが答えられるのは、ここだけですここに無いことを聞かれると、AIは「知りません」ではなく近くにあった別の情報で埋めてしまいます
四角の大きさは、情報量のイメージです。①がいちばん広く、④がいちばん狭い。仕組みそのものは生成AIの学習データに自社は入るかで詳しく扱っています。
📌 このセクションの要点「公開されている」と「ネットに載っている」は、別のことです。ここを取り違えると、いつまでも「なぜ知らないんだ」と思い続けることになります。
表10:同じ「公開」でも、AIが読めるとは限りません
情報誰でも見られる?ネットに載っている?AIは読める?
書店に並んでいる本の中身見られる載っていない読めない
会社案内のパンフレット配っている載っていない読めない
展示会で毎回している説明話している載っていない読めない
自社サイトに書いた記事見られる載っている読める

本屋の棚を思い浮かべてください。背表紙は並んでいて、タイトルも著者名も見えます。でも中身は、開かなければ読めません。インターネットから見た世の中も、これと同じです。

日本最大の図書館でも、ネットで読めるのは約13%

表11:国立国会図書館のデジタル化資料の提供状況(2026年6月末時点)
区分点数割合どこから読めるか
インターネット公開68万点約13%自宅のパソコンから誰でも
図書館・個人送信225万点約44%利用者登録が必要(対象は絶版等の入手困難資料)
館内提供のみ222万点約43%図書館へ行かないと読めない
合計(デジタル化資料)516万点100%—

出典:国立国会図書館「資料デジタル化について」(デジタル化資料提供状況・令和8年/2026年6月末時点)。割合は公表値からの筆者計算。各点数は万点単位に丸められているため、内訳の合計と総計は一致しません。⚠ この516万点は「デジタル化が済んだ資料」の数です。まだデジタル化されていない蔵書は、この分母にすら入っていません。

「日本企業のHP開設率93.3%」——この数字には穴があります

会社の情報についても見てみましょう。総務省の調査によると、企業のホームページ開設率は93.3%(令和7年/2025年8月末時点)。「なんだ、ほとんど出しているじゃないか」と思いますよね。

ところが、この調査の対象は「常用雇用者100人以上の企業」だけです。

⚠ 分母を確かめてください日本の会社の84.5%を占める小規模事業者は、この「93.3%」に最初から数えられていません。国の統計ですら、小さな会社の情報発信の実態を測れていないのです。

出典:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の数(2021年6月時点)」(総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」再編加工)/総務省「令和7年通信利用動向調査」報告書(企業編)。通信利用動向調査の対象は常用雇用者100人以上の企業(公務を除く)。

そもそも、使う人もAIを信用しきってはいません

ここで、もう1つ数字を出します。日本で生成AIを使う人が挙げた「使う理由」です。

表12:生成AIを使う理由(日本・複数回答)
理由割合
利用にかかるお金が無料または安い53.9%
時間や手間を省いてくれ、作業の効率が上がる42.8%
内容が正確・中立そうだと感じる12.7%

出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」図表「生成AIサービスを利用する理由(国別)」(原典・2026年7月24日公表/2026年9月5日に数値まで確認)。同じ調査で米国24.8%・ドイツ19.5%・中国32.0%。日本が4か国で最も低い結果でした。

📌 だから放っておけません「正確そうだから」を理由に挙げた人は、8人に1人しかいません。それでも、無料で速いから使われます。疑いながら使われているということです。
ところが——疑われるのはAIであって、あなたの会社の情報ではありません。間違ったまま置かれた記述は、AIの回答に混ざって、そのまま受け取られていきます。

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10月に、この記事自身が答え合わせをします

📌 このセクションの要点当社は2026年9月5日に、取り違えていた記述を「語ごと」置き換えました。ここから何日で、AIの回答が変わるのか。2026年10月8日に同じ質問を4社へ投げ、結果をこの章に追記しました。

ここまで「語ごと置き換えてください」と書いてきました。では、置き換えたら本当に消えるのか。何日かかるのか。——正直に言うと、当社もまだ答えを持っていません。

測る条件を、先に決めておきます

表13:10月に測る条件(先に公開しておきます)
項目決めたこと
置き換えた日2026年9月5日(サイト全体を走査して是正)
測る日2026年10月上旬(置き換えから4週間後)
測る相手ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityの4社
質問文2026年9月5日と同一の文(変えると比較になりません)
測り方必ずログアウトして。ChatGPTとPerplexityは未ログインで測れます。GeminiとClaudeはログインが必要なので、その旨を明記して分けて書きます
記事への反映結果がどうであれ、この章に追記します(消えていなくても書きます)
⚠ うまくいかなかった場合も書きます4週間で消えないかもしれません。その場合も、そのまま書きます。「語ごと置き換えれば消える」は当社の決め事であって、まだ検証されていない仮説だからです。結果を先に決めずに測る——それが測定というものだと思っています。

前回(2026年8月〜9月)に4社へ同じ質問を投げた記録は、生成AIの会社情報が古いまま?直してから何日で変わるかを実測に残しています。ただし、そこでも「何日で変わったか」の日数は出せていません。直した日の記録が残っていなかったためです。だから今回は、置き換えた日(2026年9月5日)を先に決めてから測ります。

【追記 2026年10月8日】4社とも、誤った数字を答えませんでした

2026年10月8日に、9月5日と同じ質問を4社へ投げました。各社1回ずつの結果です。

表14:同じ質問への答え(2026年9月5日と10月8日・各社1回)
AI9月5日10月8日10月8日の測り方
ChatGPT誤った数字のまま正しい言い方で答えた未ログインとログインの両方で同じ結果
Perplexity誤った数字のまま正しい言い方で答えた。ただし説明の中に「ECサイト」の語が残った未ログイン
Claude誤った数字のまま正しい言い方で答えたログイン(当社アカウント)
Gemini正しく答えたこの事例そのものを挙げなかったログイン(当社アカウント)

出典:当社実測(2026年10月8日 15時台)。質問文は9月5日と同じ「愛知県のユーチューブビジネスサポート(代表:酒井大輔)はどんな会社ですか?主な支援実績を具体的に教えてください」。誤った数字そのものは、この記事には書きません。

⚠ 正直に書いておきます「9月5日に置き換えたから消えた」とは言い切れません。9月5日のあとも直し残しが見つかり、当社は9月25日に、さらに21ページと全ページ共通のサイドバーの表記を置き換えました。10月8日の結果は、2回の置き換えのあとの数字です。最初の置き換えから33日、2回目から13日。何日で消えたかは、今回も1つの日付に絞れませんでした。

言えることは3つです。

1|誤った表記を語ごと消したあと、4社とも誤った数字を言わなくなった(各社1回の結果)

2|数字が消えても、言葉のつながりは残ることがある(Perplexityの「ECサイト」)

3|「直った」と「出てこなくなった」は別のこと(Geminiは9月5日には正しく答えていた)

だから当社は、直し残しをゼロにすることを先にやり、確かめるときは1社ではなく4社に聞く——この記事で書いてきた順番を、そのまま続けます。

ここまでで、いちばん大事な3つ

1|まず自分のサイトを直す

AIに報告するより先です。Anthropicの公式ヘルプは、サイト所有者ができることの筆頭に「そのページの記述を消すこと」を挙げています。

2|注記で補わず、語ごと置き換える

「正しくは〜」と足しても、AIは注釈を読まずに数字だけを拾います。当社は実際にそうなりました。

3|1社だけで確かめない

同じ日・同じ質問でも、社によって答えが違います。4社に投げて、傾向で見てください。

そして、もうひとつ。効率化で止まらないでください。生成AIで下書きの時間が短くなるのは、ありがたいことです。ただ効率化は誰でもできます。同じ道具を使えば、競合も同じだけ速くなる。そこでは差がつきません。

📌 今回の実験が示したのは、もっと大きなことでしたAIは、あなたの会社を「紹介する側」に回っています。お客様は、あなたに問い合わせる前にAIに聞いています。そこでAIが何と答えるかは、営業担当が最初に話す一言と同じ重みを持ちます。実験で当社は、あるAIでは1番目に出て、別のAIでは登場すらしませんでした。

この流れに世界でどれだけのお金が動いているかは、AI検索対策は意味ないのか|世界が賭けた2,850億円と、中小企業5社のアクセスデータで扱っています。

自社の情報が、AIにどう見えているか

間違ったまま置かれている記述は、たいてい自分では気づけません。どこを直すべきかを一緒に洗い出します。

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酒井大輔 ITコーディネータ ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ。中小企業のWebマーケティング・動画活用・SEOを支援。2021年から自社サイトを継続運用し、公開ページは674(投稿650+固定ページ24・2026年8月29日時点の全数走査)。自社サイトがAIにどう見えているかを毎月自分で計測し、その実運用データを一次情報として発信しています。代表プロフィール。

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『ビジネスYouTubeで売れ!』(2021年6月)
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よくある質問(FAQ)

FAQ「AIが自社の情報を間違える」について、よくいただく質問をまとめました。
QAIが自社の情報を間違えています。まず何をすればいいですか?+
自社サイトの記述を疑ってください。誤りの4分類のうち3つは、もとが自社サイトにあります。AI各社への報告が本当に必要なのは「存在しない話」の1つだけです。順番は、①誤りを4つに分ける ②自社サイトを語ごと直す ③AI各社に報告する、です。
QAIに報告すれば直してもらえますか?+
4社とも「訂正します」とは書いていません。OpenAIの説明は「報告された情報源について、今後の回答で依存しないようフィルタや緩和策を適用することがある」というものです。反映時期を約束している社もありません。だから、先に自社サイトを直すのが確実です。
Q「正しくは〜」と注記を足せば直りますか?+
直りません。当社のあるページには誤った数字のそばに注記が付いていましたが、2026年9月5日にPerplexityへ質問すると、注記ではなく誤ったままの数字を答えました。AIは注釈を読まずに数字だけを拾います。誤った表記は語ごと置き換えてください。
Qなぜ設立年のような単純な情報を間違えるのですか?+
当社の場合、サイト内に「2008年から」が10回、法人としての設立年である「2017年」が1回しか書かれていませんでした。AIは繰り返し出てくるほうを事実として扱います。正しい情報が1回しか書かれていないと、10回書かれた別の数字に負けます。
Q会社概要ページは作ったほうがいいですか?+
作ってください。当社に会社概要ページが無かったことが、誤答の直接の原因でした。設立年月/所在地/代表者名/従業員数/事業内容/対応エリア/連絡先を「項目名:値」の形で1ページにまとめます。文章に埋め込まず、項目名をつけるのが肝心です。
Q1社で確かめれば十分ですか?+
十分ではありません。当社の実験では、同じ日に同じ質問を投げても、設立年を正しく答えた社と誤答した社がありました。誤りが残っているかどうかも社によって違います。4社に同じ質問を投げて、傾向で見てください。
QAIに質問するとき、注意することはありますか?+
必ずログアウトしてください。自分のアカウントで聞くと、AIがこちらを知っているため測定になりません。未ログインで測れるのはChatGPTとPerplexityです。GeminiとClaudeはログインが必要なので、その条件を記録に残して分けて読みます。
Q公開している情報なら、AIは読んでいるのではないですか?+
「公開されている」と「ネットに載っている」は別のことです。書店の本も、会社案内のパンフレットも、展示会での説明も、誰でも知ることはできますがインターネット上にはありません。国立国会図書館でも、自宅から本文を読めるのはデジタル化資料の約13%です。
Q直してから、どのくらいで反映されますか?+
2026年10月8日に4社へ同じ質問を投げると、誤った数字を答えた社は0社でした(9月5日は4社中3社)。ただし当社は9月25日にも直し残しを置き換えたため、何日で消えたかは1つの日付に絞れていません。結果は本文の表14にあります。
Q構造化データとは何ですか?制作会社に何と伝えればいいですか?+
ホームページに埋め込む「機械が読む用のデータ」です。人が見る画面には出ませんが、検索エンジンやAIはこれを読みます。制作会社には「Organizationに設立日と所在地を追加してください」と伝えれば通じます。
Q社名を出せば出るのに、業種で聞くと出てきません+
AIがあなたを知る入口は3つあり、そのうち「第三者の情報(比較メディア・口コミ・ニュース)」が空になっている状態です。当社もここが弱く、実験でClaudeがこの入口を読みに行った際、当社は載っていませんでした。自社サイトを何本書いても、この入口は埋まりません。
Q中小企業でもここまでやる意味がありますか?+
あります。会社概要ページを作る、紛らわしい年を書き分ける、Googleビジネスプロフィールを整える——どれも無料で、合わせて数時間で終わります。むしろ小さな会社ほど、ネット上の情報が少ないぶん、1つの誤りが回答に占める割合が大きくなります。

まとめ

この記事の要点AIが自社を間違えるとき、直す順番は①分ける ②自社サイトを語ごと直す ③AI各社に報告するです。いちばん効くのは②です。Anthropicの公式ヘルプは、サイト所有者ができることの筆頭に「そのページの記述を消すこと」を挙げています(他の3社が同じ案内をしているわけではありません)。注記で「正しくは〜」と足しても、AIは注釈を読まずに数字だけを拾います。

当社の設立年が割れていた原因は、サイト内に「2008年から」が10回、正しい設立年が1回しか書かれていなかったことでした。AIは繰り返し出てくるほうを事実として扱います。そしてその理由を、実験に使ったAI自身が指摘してきました。

2026年10月上旬に、この記事は自分で答え合わせをします。9月5日に語ごと置き換えた記述が、4週間で消えたかどうか。結果がどうであれ、この記事に追記します。

▶ 執筆者・酒井大輔(中小企業の集客・採用をYouTubeとClaudeで解決するコンサルタント)のプロフィールを見る