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自社サイトをAIに学習されたくない|robots.txtでAIクローラーを拒否する前に

日本の主要企業70社を実際に調査当社は5か月間ゼロでした2026年9月3日時点

著者:酒井大輔(ITコーディネータ) | 公開日:2026年9月4日 | 読了目安:約18分

この記事の要点「うちの会社の情報が、知らないうちにAIに覚えられているのではないか」。ここ最近、よくいただく質問です。結論から言えば、止める方法はあります。難しい作業でもありません。ただ、その前に確かめていただきたいことがあります。当社はAIを1社も止めていません。それなのに、2026年4月からの5か月間、まったく読まれていませんでした。「止めた/止めていない」は、思っているほど自分で決められていません。
この記事は「自社のホームページがAIに読まれる」話です。「社員がChatGPTに入れた情報が学習される」という心配は別の話なので、生成AIに入力してはいけない情報をご覧ください。
専門用語は苦手だ、という方もご安心ください。この記事に出てくる言葉は3つだけです。第2章で先に説明します。
📌 30秒まとめ「AIに学習されたくない」には、2つの別々の心配が混ざっています。①自社のホームページを読まれること ②社員がAIに入れた情報が使われること。この記事は①の話です。読ませない設定はあります。会社のホームページの入口に「見に来ないでください」という貼り紙を、AI各社のロボットの名前ぶんだけ書き足すだけです。ただし、貼ると「AIから見て存在しない会社」に近づきます。
  • 止め方はあります。ただしAIの会社ごとに書き方が違い、貼り紙が効かない相手もいます
  • 日本の主要企業70社を実際に調べました。ふつうの事業会社は38社中1社しか止めていません。新聞社は8社とも止めていました
  • 当社は1社も止めていないのに、読まれていませんでした。入口の貼り紙は「どうぞ」なのに、受付が追い返していたのです
酒井大輔 ITコーディネータ ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ。中小企業のWebマーケ・動画活用・SEOを支援。2008年から企業のYouTube活用を支援し、自社サイトの公開ページは673(2026年9月3日時点・投稿649+固定ページ24)。この記事の数字は、すべて自社で測ったか、発表元の資料を開いて確かめたものです。代表プロフィール

書籍『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』の表紙。酒井大輔 著、セルバ出版、2026年1月発売

『経営戦略は動画が最強!』(2026年1月・セルバ出版)
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結論:止められます。ただ、その前に確かめてほしいことがあります

📌 このセクションの要点AIに読ませない設定はあります。ただし「止めた/止めていない」は、貼り紙に書いた内容だけでは決まりません。実際には3つの関門があって、どこでつまずいているかを見ないと、判断を間違えます。

「AIに学習されたくない」というご相談をいただくと、たいてい最初に出てくるのが「ホームページに何か書けばいいと聞いた」という話です。半分は当たっています。AIの会社は、自分たちの見回りロボット(クローラー)の名前を公表していて、ホームページの入口に「ここはロボットは来ないでください」と書けば、多くの会社はそれに従います。書き方も難しくありません。1社につき2行です。

ただ、この記事でいちばんお伝えしたいのは、そこではありません。「読ませる/読ませない」は、実際には3つの関門で決まっているということです。

図1:読まれるかどうかを決めている、3つの関門

読まれるかどうかを決めている3つの関門第1の関門は入口に貼った紙、つまり自分が書いた意思表示。第2の関門は受付、つまりサーバーが実際に通したか追い返したか。第3の関門は貼り紙が効かない相手で、人がAIに頼んで読ませる場合。多くの会社は第1の関門しか見ていない。第1の関門 入口の紙自分が「書いた」こと=意思表示第2の関門 受付通したか、追い返したか=実際に起きたこと第3の関門 人の依頼紙が効かない相手=そもそも対象外ほとんどの会社が見ているのは、第1の関門だけです。当社は入口に「どうぞ」と貼っていましたが、受付で止まっていました(第5章)。
当社の整理。2026年9月3日時点。

第1の関門は、あなたが入口に貼った紙です。これは意思表示です。第2の関門は、受付が実際にどうしたかです。ここは貼り紙とは無関係に動きます。第3の関門は、そもそも貼り紙が効かない相手です。これは各社が自分でそう公表しています。

そして当社で実際に起きていたのは、第2の関門の話でした。入口には「どうぞ読んでください」と貼ってあるのに、受付はロボットを追い返していた。これに気づいたのが2026年9月3日です。詳しくは第5章に書きました。

「AIに学習されたくない」には、実は3つの別々の心配が混ざっています。打ち手がまったく違うので、まずご自分がどれを心配しているかを決めてください。
自社のホームページを読まれるこの記事です
社員がAIに入れた情報が使われる生成AIに入力してはいけない情報で扱っています。契約の種類と設定で変わる話です。
人間の競合に真似されるノウハウを公開すると、競合に真似されませんかで扱っています。

先に、言葉を3つだけ(ここを読めば、あとは全部わかります)

📌 このセクションの要点この記事に出てくる専門用語は、実質3つだけです。会社の建物にたとえると、そのまま理解できます。ここだけ読んでいただければ、あとの章は全部つながります。

この手の記事は、いきなり英語まじりの用語が出てきて読む気をなくします。なので先に、この記事で使う言葉を全部まとめておきます。会社の建物と、そこに見回りに来るロボットにたとえます。

表1:この記事に出てくる言葉(会社の建物にたとえると)
言葉読み方会社にたとえるとひとことで言うと
クローラー見回りに来るロボットホームページを自動で読みに来るプログラム。AI各社が動かしています
robots.txtロボッツ・テキスト入口に貼る「お願い」の紙「ここはロボットは入らないでください」と書いておくファイル。誰でも見られます
サーバー受付ホームページを実際に見せている機械。通すか追い返すかを最終的に決めています

あとは、このたとえの中で出てくる言葉が少しあるだけです。

「200」と「403」=受付の対応です。200は「どうぞ、ご覧ください」と通したこと。403は「お断りします」と追い返したこと。この記事では、当社の受付が5か月間ずっと403を返していた、という話が出てきます。
Common Crawl(コモン・クロール)誰でも使える、ウェブの図書館のようなものです。非営利団体が定期的にホームページを集めて、無料で公開しています。多くのAIが、ここに集められた資料を勉強の材料に使っています。自社の資料が何冊置いてあるかは、誰でも無料で数えられます(やり方は第13章)。
GPTBot・ClaudeBot・CCBot・Google-Extended など見回りロボットの名前です。会社ごとに名前が違います。人間でいえば「〇〇会社の〇〇です」と名乗っているのと同じで、この名前を入口の紙に書いて「来ないでください」と伝えます。

日本の主要企業70社の「貼り紙」を、実際に見に行きました

📌 このセクションの要点止めているのは、記事を売っている会社でした。上場している普通の事業会社は、確認できた38社のうち1社しか止めていません。いっぽう新聞・通信社は8社すべてが止めていました。
  • 「AIに学習されたくないと考えている日本企業は何割か」を直接聞いた公的な調査は、今回の調査範囲では見つかりませんでした
  • だから推測で書く代わりに、70社分の貼り紙を実際に見に行きました

この記事を書くにあたって、まず統計を探しました。「日本の会社のうち、何割がAIを止めているのか」。ところが、それを直接調べた公的な調査は、今回の調査範囲では見つかりませんでした。「無い」と断定はしません。私が見つけられなかっただけかもしれません。

そこで、推測で書く代わりに、自分の足で見に行きました。日本の上場事業会社55社と、新聞・通信・放送・出版15社の合計70社について、2026年9月3日に入口の貼り紙(robots.txt)を1件ずつ確認しました。この貼り紙は、誰でも見られる公開ファイルです。

結果、53社分の中身を確認できました。残り17社は、紙が見つからない、別のページに飛ばされる、といった理由で確認できていません。⚠ここが大事なのですが、確認できなかった17社を「止めていない」には数えていません。見つからなかったことは、無いことの証拠にはならないからです。

表2:日本の主要企業70社の貼り紙を確認した結果(当社調べ・2026年9月3日取得)
分類調べた社数中身を確認できたAIを止めていた割合
上場している事業会社553812.6%
新聞・通信社888100%
放送(NHK・民放)33133%
出版・ビジネス誌・IT媒体4400%
合計70531018.9%

出典:当社調べ。2026年9月3日に各社の公開robots.txt(入口の貼り紙)を取得し、AI関連の23のロボット名について「来ないでください」の記載があるかを判定。分母は中身を確認できた社数。事業会社は製造・小売・IT・金融・建設・運輸・医薬から選定。

図2:業種によって、これだけ違います

AIを止めている会社の割合(業種別)横棒グラフ。上場事業会社は38社中1社で2.6パーセント。新聞・通信社は8社中8社で100パーセント。出版・ビジネス誌は4社中0社で0パーセント。記事を売る会社だけが止めている。上場の事業会社(38社)2.6%新聞・通信社(8社)100%出版・ビジネス誌(4社)0%棒の長さは実際の比率どおりに描いています。当社調べ・2026年9月3日取得。
当社調べ。中身を確認できた社数を分母にしています。

止めていた10社は、中途半端には止めていませんでした

読売新聞・東京新聞・中日新聞は、今回調べた23のロボット名をすべて拒否しています。朝日新聞は22、毎日新聞・産経新聞・時事通信は20、日本経済新聞は18でした。

表3:AIを止めていた10社と、止めていたロボットの数(当社調べ・2026年9月3日取得)
会社23のロボット名のうち備考
読売新聞・東京新聞・中日新聞23(すべて)全面的に拒否
朝日新聞22
毎日新聞・産経新聞・時事通信20一部は記載そのものがない
日本経済新聞18今回の調査対象外の名前で、さらに6つ拒否
NHK12
サイバーエージェント3事業会社で唯一。ただしChatGPTのロボットは止めておらず、「ゆっくり来てください」と伝えているだけ

サイバーエージェントの書き方は示唆的です。全部止めるのでも、全部開けるのでもなく、選んで止めている。学習に使われそうなものだけ断って、検索や回答に関わるものは通しています。「全部か0か」ではないという実例です。

逆に、わざわざ「どうぞ」と書いている会社もありました

表4:許可を明記した会社・一部だけ止めた会社(当社調べ・2026年9月3日取得)
会社書いてあった内容
武田薬品工業ChatGPTとClaudeのロボットに対して「どうぞ入ってください」と明記。止めないことを、わざわざ書いています
鹿島建設特定のフォルダだけ断っています。会社全体の拒否はしていません
時事通信Appleの検索用ロボットは通し、学習用ロボットだけ断っています

出典:当社調べ。各社の公開robots.txtを2026年9月3日に取得。この貼り紙は誰でも閲覧できる公開ファイルです。ここでは「そう書いてあった」という事実だけを記載しており、各社の判断の当否について当社は評価していません。

この3社が示しているのは、選択肢が「全部止める」か「何もしない」の2つではないということです。特定の場所だけ止める。学習だけ止めて検索は残す。あるいは、止めないことをはっきり書く。実際にそうしている会社があります。

世界の数字と並べると

世界でも似た傾向です。Cloudflareという会社が2025年6月に自社の通信を測ったところ、世界の上位1万サイトのうち、貼り紙が見つかった3,816件で、AIのロボットを名指しして許可か拒否をしていたのは546件(約14%)でした。⚠この14%は「1万サイトの14%」ではありません。分母は3,816です。

ニュースサイトに限ると数字は跳ね上がります。オックスフォード大学ロイター研究所の調査では、10か国の主要ニュースサイトの48%が、2023年12月時点でChatGPTのロボットを拒否していました。⚠ただしこれは2年9か月前のデータで、対象も各国の大手ニュースサイトです。中小企業の姿ではありません。同じ調査は「2023年のうちに、いったん断った媒体が許可に戻した例はゼロだった」とも報告しています。

出典:Cloudflare「From Googlebot to GPTBot: Who’s crawling your site in 2025」(2025年7月1日公開・2025年6月のデータ)/Reuters Institute for the Study of Journalism「How many news websites block AI crawlers?」(2024年2月22日公開・2023年12月時点)。いずれも発表元のページを当社が直接確認しています(2026年9月3日)。

日本の事業会社2.6%は、世界の14%より低い数字です。ただし調べ方も分母も違うので、並べて「日本は遅れている」と読むのは早すぎます。確かに言えるのは、ものやサービスを売っている会社は、日本でも世界でも、多数派は止めていないということです。

うちの貼り紙は、たった6行です

📌 このセクションの要点当社はAIを1社も止めていません。実物をそのまま載せます。書いてあるのは、管理画面を見せないという1行と、ページ一覧の場所だけです。

当社の貼り紙(robots.txt)です。人に「どうしますか」と聞かれておいて自分の手の内を見せないのは不誠実だと思うので、当社のものをそのまま出します。https://ytbs.jp/robots.txt を開けば、いまも同じものが見られます。

User-agent: *
Disallow: /wp-admin/
Allow: /wp-admin/admin-ajax.php

Sitemap: https://ytbs.jp/sitemap.xml
Sitemap: https://ytbs.jp/sitemap.rss

当社の実物。2026年9月3日にブラウザで取得(受付の対応は200=どうぞ)。

英語が並んでいますが、言っていることは単純です。日本語にするとこうなります。

表5:当社の貼り紙を日本語にすると(2026年9月3日時点)
書いてある行日本語にすると
User-agent: *ここから先は、すべてのロボットへのお願いです
Disallow: /wp-admin/管理画面の部屋には入らないでください
Allow: /wp-admin/admin-ajax.phpただし、その中の1つだけは通してください(表示に必要なため)
Sitemap:(2行)ページの一覧はここにあります、という案内
GPTBot・ClaudeBot などのロボット名1つも書いていません。つまり、AIを1社も止めていません

なぜ止めていないのか

理由は3つあります。

見つけてもらうために出している

当社が公開しているのは、支援の考え方と、自分で測った数字です。これは読まれるために書いたもので、隠すために書いたものではありません。読まれない前提なら、そもそも公開しません。

出せない情報は、最初から載せていない

お客様から預かった情報、未公開の価格、個人情報。これらは断るのではなく、最初からホームページに載せません。載せていないものは、止める必要がありません。

止めた場合の影響が読めない

止めると何が起きるかは、正直に言えば当社にも分かりません。当社は意図して止めた経験がないので、この記事でも「止めるとこうなる」と断定はしません(第10章)。

Googleサーチコンソールの16か月レポート。ユーチューブビジネスサポートの累計表示回数341万回が表示されている
読ませ続けた側の結果。当社の検索管理画面・16か月分(2026年6月取得)。累計341万回、検索結果に表示されました。

「どうぞ」と貼ってあるのに、受付が追い返していました

📌 このセクションの要点この記事を書くために自社を調べたところ、2026年4月から8月までの5か月間、当社の資料が「ウェブの図書館」に1ページも置かれていないことが分かりました。入口の貼り紙(robots.txt)は何も変えていません。受付が「お断り」を返していたのです。9月3日に見つけ、翌9月4日に原因を特定して、直しました。その経緯を、そのまま書きます。

第2章で説明した「ウェブの図書館」=Common Crawlの話です。ここには目録が公開されていて、自社の資料が何ページ置いてあるかを、誰でも無料で数えられます

当社の分を、2026年1月から8月までさかのぼって数えました。結果がこれです。

表6:「ウェブの図書館」に置かれた当社の資料の数(2026年1月〜8月・当社調べ)
集めた月実際に回っていた期間置かれた当社の資料受付の対応
2026年1月1/12〜1/25303ページ200(どうぞ)
2026年2月2/6〜2/19304ページ200(どうぞ)
2026年3月3/5〜3/17215ページ200(どうぞ)
2026年4月4/10〜4/230403(お断り)
2026年5月5/8〜5/210403(お断り)
2026年6月6/5〜6/180403(お断り)
2026年7月7/10〜7/230403(お断り)
2026年8月8/7〜8/200403(お断り)

出典:Common Crawl公式の目録(index.commoncrawl.org)に当社ドメインを問い合わせ、記録を全部取得して集計。2026年9月3日実施。⚠件数がぶれないよう、同じ集計を2回ずつ別々に実行し、8か月分すべてが完全に一致することを確認しています。

図3:2026年4月を境に、ぱたりとゼロになりました

ウェブの図書館に置かれた当社の資料数(2026年1月から8月)縦棒グラフ。1月303ページ、2月304ページ、3月215ページ、4月から8月まで5か月連続で0。入口の貼り紙は変えていないのに、収録が止まった。3031月3042月2153月04月05月06月07月08月置かれたページ数当社調べ・2026年9月3日取得。入口の貼り紙はこの間ひとつも変えていません。
3月まで毎回200〜300ページ。4月からは5か月連続でゼロ。

どうやって見つけたか

正直に書きます。この記事を書くまで、当社はこれに気づいていませんでした。

きっかけは、記事のために「うちは止めていません」と書こうとしたことでした。書く前に確かめる、というのが当社のやり方です。入口の貼り紙を開いて「AIのロボット名はひとつも書いていない」と確認したところまではよかったのですが、そこで「では、実際に読まれているのか」が気になりました。それで図書館の目録を調べたら、5か月分がゼロだった、という順番です。

ブラウザから当社のホームページを開けば、同じ日にふつうに表示されます。人には見えていて、ロボットにだけ「お断り」が返っていたということになります。

原因が分かりました|受付は、サーバーの設定でした

9月3日の時点では、原因が分かっていませんでした。翌日、契約しているサーバー会社の管理画面を開いて、見つけました。「ウェブサイトアクセス制御」という設定があり、そこがオンになっていました。

さくらのレンタルサーバのコントロールパネル。左メニューの「セキュリティ」を開くと、WAF設定ドメイン、WAF検出ログ、国外IPアドレスフィルター、ウェブサイトアクセス制御、サーバーログイン履歴が並び、ウェブサイトアクセス制御が選択されている
設定の場所。管理画面の「セキュリティ」の中にありました(2026年9月4日取得・サーバー名は伏せています)。

開いてみると、こう書いてありました。

「AIボットのウェブサイトへのアクセス(HTTP/HTTPS)をカテゴリー別に制限できます。不要なアクセスを抑えてサーバー負荷の軽減と不正利用の防止に役立ち、サイトの安定性とセキュリティを高めます。」(設定画面の説明文・2026年9月4日取得)

カテゴリは3つありました。そしてオンになっていたのは、いちばん上の1つだけでした。

ウェブサイトアクセス制御の設定画面。AIデータスクレイパー、AI検索クローラー、AIアシスタントの3項目があり、AIデータスクレイパーだけ「制限する」にチェックが入っている
当社の設定(オフにする前)。3つのうち「AIデータスクレイパー」だけが制限オンでした(2026年9月4日取得・サーバー名は伏せています)。

⚠ 誤解のないように書いておきます。これはサーバー会社が用意している、まっとうな機能です。クローラーの巡回はサーバーの負荷になるので、止められること自体は役に立ちます。問題は機能ではなく、当社がそれに気づいていなかったことだけです。

ところが、名前と中身は一致していませんでした

オンにしていたのは「AIデータスクレイパー」だけです。「AI検索クローラー」は制限していません。ですから当社としては「学習は断るが、検索は通す」つもりの状態でした。

ところが、実際にロボットの名前を名乗って自社サイトを取得してみると、こうなりました。

表7:ロボットの名前を名乗って自社サイトを取得した結果(当社実測・2026年9月4日)
名乗った名前用途設定オンのとき
(9月4日 朝)
オフにした後
(9月4日 10時39分)
CCBot学習(ウェブの図書館)403 お断り200 どうぞ
GPTBot学習(ChatGPT)403 お断り200 どうぞ
ClaudeBot学習(Claude)403 お断り200 どうぞ
Claude-SearchBot検索(Claude)403 お断り200 どうぞ
meta-externalagent学習(Meta)403 お断り200 どうぞ
Bytespider学習403 お断り200 どうぞ
(参考)Googlebot・bingbot・OAI-SearchBot・PerplexityBot ほか検索など200 どうぞ200 どうぞ

当社実測。設定オンのときの測定は2026年9月4日の朝、オフにした後の測定は同日10時39分(6つの名前×3ページ=21件すべて200)。いずれも未ログイン・キャッシュ回避つき。

4行目を見てください。「AI検索クローラー」は制限していないのに、Anthropicの”検索用”であるClaude-SearchBotも断られていました。

設定の名前から想像する範囲と、実際に止まるものは、一致しないことがあります。
だから、名前を見て安心するのではなく、実際に取ってみて確かめるしかありません。

⚠ これは「設定の分類が間違っている」という話ではありません。当社が自社のサーバーの応答を測って言えるのは、ここまでです。どの名前がどのカテゴリに入るのかは公表されていないので、そこは分かりません。なお、この間はClaudeの検索で当社が出にくくなっていた可能性があります。

直しました。ただし「戻った」とはまだ言えません

2026年9月4日、この設定をオフにしました。そのうえで、もう一度まったく同じ測り方をしました。結果は上の表の右端のとおりで、6つの名前で3ページずつ、21件すべてが200(どうぞ)になりました。

⚠ ただし、「ウェブの図書館に載るようになった」とは、まだ言えません。200が返るようになったことと、実際に目録に載ることは別です。この目録はおよそ月に1回まとめて公開されるので、確かめられるのは9月分・10月分が出てからです。分かったら、この記事に追記します。

表8:この件で分かったことと、まだ分かっていないこと(2026年9月4日時点)
内容
9月3日に分かった入口の貼り紙にAIのロボット名はゼロ。ブラウザからは正常に表示される。図書館への収録は2026年4月からゼロで5か月連続。応答は403
9月4日に分かった原因はサーバーの「ウェブサイトアクセス制御」がオンだったこと。オフにしたら、6つとも200に戻った
まだ分かっていないいつ、誰がこの設定を入れたのか。そして図書館に再び載るかどうか(次の目録が出てから確かめます)

この話から、持ち帰っていただきたいこと

2つあります。

①「うちは止めていないから読まれているはず」も、「貼り紙に書いたから止まっているはず」も、確かめない限りは思い込みです。
② 設定画面で「検索は残す」にしたつもりでも、検索用のロボットが止まっていることがあります。

当社は、AIに読ませることを勧める側の会社です。その会社が、5か月間まったく読まれていなかったことに気づいていませんでした。止めたい側の会社でも、同じことは起きます。書いたつもりなのに止まっていない、ということも当然あり得ます。

だから、止め方を調べる前に、いまどうなっているかを確かめてください。やり方は第13章に書きました。5分で終わりますし、お金もかかりません。

見回りのロボットは、1種類ではありません

📌 このセクションの要点AI各社のロボットは、大きく3種類あります。勉強しに来るロボット・検索のために来るロボット・お客さんに頼まれて見に来るロボット。ここを分けないと、「止める」も「止めない」も判断できません。

「AIのロボット」とひとくくりにされがちですが、各社は用途ごとに別の名前を用意しています。理由は単純で、会社側が用途ごとに選べるようにするためです。OpenAI(ChatGPTの会社)は、公式の説明の中で「それぞれの設定は互いに独立している」と書いています。

表9:ロボット3種類と、断ったときに起きること(各社公式の説明・2026年9月時点)
種類何のために来るのか断るとどうなるか貼り紙で止まるか
① 勉強しに来るAIを賢くするための材料集め。GPTBot・ClaudeBot・Google-Extended・CCBotなど今後の内容が勉強の材料から外れる、という意思表示になります止まります
② 検索のために来るAIが答えるときに、根拠として引用するため。OAI-SearchBot・PerplexityBotなどAIの答えに出てこなくなります。各社が公式にそう書いています止まります
③ お客さんに頼まれて来る利用者が「このページを読んで」と頼んだときに見に行く。ChatGPT-User・Perplexity-Userなど止まらないことがあります

出典:OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」、Anthropic「Does Anthropic crawl data from the web…」、Google「Google’s common crawlers」、Perplexity「Perplexity Crawlers」、Common Crawl「CCBot」。いずれも当社が2026年9月3日に原文を確認しています。

とくに大事なのが3行目です。人が「このページを読んで」とAIに頼んだ場合は、貼り紙に書いても止まらないことがあると、各社が自分で公表しています。詳しくは第9章で扱います。

止めたいとき、どこに何を書くのか

📌 このセクションの要点やることは「ホームページの入口に置く1つのファイルに、AI各社が公表しているロボットの名前を書く」だけです。ただし名前も効き方も会社ごとに違います。仕様は変わるので、実際に設定するときは必ず各社の公式ページで最新を確認してください。
表10:目的別に、robots.txtへ書く名前・書かない名前(2026年9月時点)
やりたいことrobots.txtに書く名前
学習に使われるのを断りたいGPTBot(ChatGPT)/ClaudeBot(Claude)/Google-Extended(Gemini)/CCBot(ウェブの図書館)
AIの検索には出したいOAI-SearchBot/Claude-SearchBot/PerplexityBot は書かない(書くと、そのAIの答えに出なくなります)
Google検索は残したいGooglebot は書かない。⚠Google-Extendedを断ってもGoogle検索には影響しません

以下は、2026年9月3日時点で各社の公式ページを開いて確認した一覧です。英語の名前は「ロボットの名前」だと思って、読み飛ばしていただいて構いません。大事なのは右の2列です。

各社の方針は変わります。この表は「そのとき何と書いてあったか」の記録であって、永久に正しいものではありません。

表11:主なAI各社のロボット名と、断ったときに起きること(各社公式・2026年9月3日確認)
提供元ロボットの名前どんなロボットか断ると(公式の説明)
OpenAI
(ChatGPT)
GPTBot勉強しに来る内容を勉強に使うべきでない、という意思表示になります
OAI-SearchBot検索のために来るChatGPTの検索の答えに表示されなくなります
ChatGPT-Userお客さんに頼まれて来る利用者が始めた動作なので、お願いが適用されない場合があります
Google
(Gemini)
Google-Extended勉強しに来るGoogle検索の掲載には影響しません(順位にも関係しません)
Anthropic
(Claude)
ClaudeBot勉強しに来る今後の資料を勉強の材料から外す合図になります
Claude-SearchBot検索のために来る検索結果での露出と正確さが下がりえます
Claude-Userお客さんに頼まれて来る利用者の質問に対して内容を取得できなくなります
Common CrawlCCBot図書館に集めに来る図書館に収録されなくなります(多くのAIの材料)
PerplexityPerplexityBot検索のために来る(勉強用ではないと明記検索結果に載らなくなります。公式は許可を勧めています
Perplexity-Userお客さんに頼まれて来る利用者が要求した取得なので、一般にお願いを無視します
AppleApplebotSiri・iPhoneの検索Apple製品の検索結果に出なくなります
Applebot-Extended勉強に使ってよいかだけ判定勉強だけ断れます。検索結果には引き続き出ます
Meta
(Facebook)
meta-externalagent勉強しに来る反映まで最大24時間かかります
Microsoft
(Copilot)
入口の貼り紙ではありませんページ1枚ごとに別の書き方で伝える別のしくみです

出典(すべて2026年9月3日に当社が原文を確認):OpenAIGoogleAnthropicCommon CrawlPerplexityAppleMetaMicrosoft

担当者に伝えていただきたい、間違えやすい3点

実際に設定するのは、社内のWeb担当者か制作会社になると思います。その方に渡していただきたい注意を、公式の説明から3つだけ拾いました。

貼る場所は玄関だけ

この紙はホームページの一番上の階層にしか効きません。奥のフォルダに置いても読まれません。またアドレスの頭が違う場合(wwwの有無など)は別の建物の扱いになります。

Appleの巻き添え

貼り紙にAppleの記述がなく、Googleの記述だけがある場合、AppleはGoogle向けの指示に従うとAppleが公式に書いています。意図せず巻き添えになります。

「ゆっくり来て」は社ごとに違う

巡回の間隔をあける指定は、Googleは対応していませんが、Anthropicは公式に対応と書いています。「どこでも効く」と思って書くと、思ったとおりになりません。

「入らないで」と「名簿に載せないで」は、別のお願いです

📌 このセクションの要点ここがいちばん間違えられます。入口の貼り紙は「入らないでください」、noindex(ノーインデックス)は「名簿に載せないでください」。まったく別のお願いで、しかも両方を同時に出すと、名簿のほうが効かなくなります

Googleの公式ページに、はっきり書いてあります。

「これは、ウェブページをGoogleから除外しておくための仕組みではありません」(robots.txtについて/Google 検索セントラル)

入口の貼り紙は、あくまで「入らないでください」というお願いです。検索結果から消すための道具ではありません。実際、貼り紙で断ったページでも、他のサイトからリンクされていれば、アドレスだけが検索結果に出ることがあります。

では検索結果から消すにはどうするかというと、noindex(ノーインデックス)という別のお願いを使います。これはページ1枚ごとに貼る「名簿に載せないで」の札です。ここで、多くの人がやってしまう事故があります。

「(noindexを有効にするには)そのページまたはリソースが、robots.txtファイルでブロックされていてはなりません」(noindexで検索インデックス登録をブロックする/Google 検索セントラル)

理屈は単純です。入口で「入らないで」と言っているので、ロボットは部屋に入れません。入れないので、部屋の中に貼った「名簿に載せないで」の札を読めません。読めないので、効きません。

つまり「念のため両方やっておこう」が、いちばん危ない選択になります。

表12:入口の貼り紙と「名簿に載せないで」の札の違い(Google公式より・2026年9月3日確認)
入口の貼り紙(robots.txt)名簿の札(noindex)
言っていること入らないでください検索結果に出さないでください
貼る場所建物の入口に1枚部屋ごと(ページ1枚ごと)
検索結果から消えるか消えません(アドレスだけ出ることがあります)消えます
両方やったら札が読まれず、効かなくなります

出典:Google 検索セントラル「robots.txt の概要」「noindex で検索インデックス登録をブロックする」。当社が2026年9月3日に原文を確認。引用は Creative Commons Attribution 4.0 License に基づきます。

当社は、609ページに「名簿に載せないで」の札を貼った側です

これは他人事ではありません。当社は古い記事609ページに noindex を貼って、検索結果から下げました。読まれる価値が薄くなった記事を残しておくと、サイト全体の評価を下げるからです。

このとき、入口の貼り紙はいっさい触っていません。触ってしまうと、いま説明した理由で札が効かなくなるからです。「検索から下げたい」なら札、「読みに来ないでほしい」なら入口の貼り紙。目的が違えば、道具も違います。

貼り紙では止められないものが、4つあります

📌 このセクションの要点入口に貼っても、止まらないものが4つあります。とくに「人がAIに頼んで読ませる」場合は、3社が公式に「止まらないことがある」と書いています。「貼り紙を出せばAIに読まれない」は、正確ではありません。

ここは、この記事でいちばん誠実に書きたい章です。入口の貼り紙(robots.txt)は万能ではありません。そしてそれは当社の推測ではなく、各社が自分で公表していることです。

表13:止められるもの・止められないもの(2026年9月3日時点)
対象止まるか理由
これから来る勉強用のロボット止まります各社が公式に手段を用意しています
すでに勉強された分止まりません貼り紙はこれから来る相手へのお願いです。過去に取り込まれた分を取り消すものではありません
他人が書いた自社の情報止まりません取引先の紹介ページ、業界メディアの記事、SNSの投稿。自社を閉じても、他人の建物には残ります
口コミ・まとめサイト止まりません自社が管理していない場所です。むしろ自社を閉じると、こちらの比重が上がります
人がAIに頼んで読ませたとき止まらないことがありますOpenAI・Perplexity・Metaの3社が、公式にそう書いています

最後の行を、具体的に引くとこうなります。OpenAIは「利用者が始めた動作なので、お願いが適用されない場合がある」。Perplexityは「利用者が要求した取得なので、一般にお願いを無視する」。Metaは「迂回することがある」。3社とも、自分で公表しています。

つまり、誰かがあなたの会社のページのアドレスをAIに貼り付けて「これを要約して」と頼めば、入口に何が貼ってあっても読まれる可能性があるということです。ここは技術で塞げません。

⚠この章の結論は「だからやっても無駄」ではありません。断れば、大量の自動巡回は確実に減ります。ただし「貼り紙を出せばAIに読まれない」は不正確で、ゼロにはならない。そこを踏まえて決めてください、という話です。

ここから後半です。残りは4つだけ

後半は「止めたら何が起きるか」「それでも止めたほうがいい場合」「3択の判断表」「今日やること」です。お急ぎの方は、第12章の判断表第13章の3ステップだけでも十分に持ち帰れます。

止めたら、何が起きるか

📌 このセクションの要点止めると、お客様が下調べをしている段階で、候補から消えます。集客だけでなく、採用でも同じことが起きます。⚠ただし当社は意図して止めた経験がないので、「こうなる」と断定はしません。以下は各社公式の説明と、当社が測れている範囲のデータだけです。

まず、はっきりさせておきます。当社は、AIを意図的に断ったことがありません。(第5章のとおり、知らないうちに断っていた期間はありました)ですから「断ったら問い合わせが何割減った」というようなデータを、当社は持っていません。持っていないものを、あるように書くつもりはありません。

言えるのは2つです。ひとつは各社が公式に書いている「断るとこうなる」。もうひとつは当社が実際に測っている、AI経由の訪問です。

表14:止めたときに失う可能性があるもの(各社公式の説明より・2026年9月3日確認)
場面何が起きるか
お客様が下調べするときAIの答えに自社が出てこなくなります。比較検討の候補に入る前に消えます(OpenAI・Anthropic・Perplexityが公式に明記)
求職者が会社を調べるとき応募前にAIで下調べする人が増えています。出てこない会社は、そもそも検討されません
AIが自社について答えるとき自社のホームページが読めないと、他人が書いた情報だけで答えが作られます。誤りがあっても、訂正する材料がありません
Google検索Geminiの勉強用ロボットを断っても検索の掲載には影響しないとGoogleが明記。ここは分けて考えられます

当社が測れている数字

当社のアクセス解析には「AI Assistant」という区分があり、AI経由で来た訪問がここに入ります。2025年8月22日から2026年8月22日までの1年間で、107回、全体の0.11%でした。

GA4の参照元・メディア別セッション推移。ChatGPT、Perplexity、Geminiなど生成AI経由の流入が月ごとに表示されている
当社のアクセス解析。AI経由の訪問の推移(2026年8月取得)。

この0.11%を、当社は「AI経由は、まだ主要な入口ではない」の裏づけとして使っています。盛るつもりはありません。ただし、これは下限の数字です。この区分に入らない経路もあるので、実際はもう少し多いはずですが、どのくらい多いかは分かりません。

「増えている」とも、この記事では書きません。この区分のラベル自体が付き始めたのが最近で、分子と分母の期間が揃っていないためです。期間の揃っていない数字で傾向を語らないというのが、当社の決まりです。

当社の考えに反するデータも、出しておきます

「読ませたほうがいい」と当社は考えていますが、それに反する実測もあります。Cloudflareが2025年6月に測ったところ、AI各社が読みに来た回数に対して、実際に返ってきた訪問の比率は、最も低い社で約7万回に1回でした。7万回読まれて、訪問は1回という計算になります。

⚠この数字は、発表元自身が「一部の経路では訪問が数えられないため、比率が実際より大きく出ている可能性がある」と注意書きをしています。それでも、「読ませれば訪問が返ってくる」という単純な話ではないことは示しています。

また同社は2026年6月時点で、ロボットからの要求の52%がAIの勉強目的(1年前は22%)とも報告しています。読まれる量そのものは、確実に増えています。

出典:Cloudflare「The crawl before the fall… of referrals」(2025年7月1日公開・2025年6月19〜26日のデータ)/同「Content Independence Day, one year on」(2026年7月1日公開)。当社が2026年9月3日に原文を確認。⚠いずれも同社のネットワークを通る通信の実測で、日本のサイト単独の数字ではありません。

それでも止めたほうがいい場合

📌 このセクションの要点当社は「読ませる」を選んでいますが、それが唯一の正解ではありません。止めたほうがいい領域は確かにあります。ただしその前に確認してほしいことがあります。そもそも公開すべきでない情報が載っているなら、「止める」のではなく「消す」のが正しい対処です。

次のような領域を持っている会社は、止めることを検討する意味があります。

表15:止める前に見ていただきたい4つの点検
点検見つかったら
会員限定・お客様専用のページが、誰でも見られる状態になっていないか止めるより先に、ログインを必須にするのが正しい対処です
未公開の価格や取引条件が載っていないか止めることに意味があります。ただし人にも見えているので、まず見せてよいかを判断してください
個人情報・お客様から預かった情報が載っていないか止めるのではなく、消してください。AIの問題ではなく、公開してはいけないものが公開されている問題です
テスト用・作りかけのページが残っていないか止めるより、消すか非公開にするほうが確実です

強調したいのは3行目です。「AIに読まれたくない情報」の多くは、実は「誰にも読まれてはいけない情報」です。AIを断っても、人はふつうに見られます。検索にも載ります。画面を撮られることもあります。

ですから、ご相談をいただいたときに当社が最初に聞くのは「何を止めたいですか」ではなく、「それは、そもそもホームページに載せておいてよい情報ですか」です。ここで「載せなくていい」となる場合が、実際にあります。止める設定より先に、載せないという選択があります。

3つのうち、どれにしますか

📌 このセクションの要点選択肢は3つです。全部読ませる/一部だけ止める/全部止める。当社は1つ目ですが、それが唯一の正解ではありません。今回調べた53社の中に、3つとも実例がありました。
表16:3つの選択肢と、実際にそうしている会社(当社調べ・2026年9月3日取得)
選択得るもの失うもの向いている会社実例
全部読ませるAIの答えに出る。引用される勉強に使われることは止められない公開している情報で見つけてもらいたい会社今回調べた事業会社の37社/武田薬品は許可を明記/当社
一部だけ止める見せたくない場所だけ守れる設定が増えます。間違えると検索ごと消えます会員向け・非公開価格を持つ会社鹿島建設(特定フォルダのみ)/時事通信(勉強だけ断る)/サイバーエージェント(3つだけ)
全部止める勉強に使われる範囲が減る(ゼロにはなりません下調べの段階で候補から消えます記事そのものが商品の会社。Webから集客も採用もしない会社読売新聞・東京新聞・中日新聞(23すべて)

業種で決まる、という言い方は乱暴です。ただ、今回の実測を並べると傾向ははっきりしています。記事そのものを売っている会社は止める。ものやサービスを売っている会社は止めない。あなたの会社が後者なら、多数派は「止めない」です。

そして、どれを選ぶにしても、費用はかかりません。入口の貼り紙を直す作業自体は0円で、5分もあれば終わります。かかるのは、判断のための時間だけです。

今日やること、3ステップ(10分・0円)

📌 このセクションの要点順番が大事です。①いまの貼り紙を見る → ②実際に読まれているか確かめる → ③決める。②を飛ばすと、当社と同じ勘違いをします。全部あわせて10分、費用は0円です。
表17:今日できる3ステップ(所要時間と費用)
やること所要費用
1ブラウザのアドレス欄に「自社のホームページのアドレス/robots.txt」と入れて開く。AIのロボット名が書いてあるか見る1分0円
2実際に読まれているかを確かめる。ウェブの図書館に、自社の資料が何ページ置いてあるか数える(やり方は下)5分0円
3第12章の3つから1つ選び、社内で決める。決めたら、決めたことを記録しておく0円

ステップ2のやり方(当社がやったのと同じ手順)

Common Crawlは、目録を誰でも無料で使えるように公開しています。ブラウザのアドレス欄に、次の形で入力するだけです。「自社ドメイン」の部分を、自社のホームページのアドレス(例:example.co.jp)に置き換えてください。

https://index.commoncrawl.org/CC-MAIN-2026-34-index?url=自社ドメイン/*&output=json

見方は3つだけです。

文字がずらっと出る

読まれています。止めたい場合は、これから設定すれば効きます。

「No Captures found」と出る

その月は1ページも収録されていません。止めているなら意図どおり。止めていないのにこれなら、当社と同じ状態です。

「403」という数字が並ぶ

受付が追い返しています。意図的でないなら、サーバー会社かWeb担当者に確認してください(下の文面をお使いください)。

Web担当者・制作会社に、そのまま送れる文面

ご自身で作業する必要はありません。以下をコピーして送っていただければ、話が通じます。

【現状を確認したいとき】

お世話になっております。
生成AIのクローラー(AI各社の巡回ロボット)について、
現状を確認したいので、下記を教えてください。

1. 当社サイトの robots.txt に、AI関連のユーザーエージェント
   (GPTBot / ClaudeBot / CCBot / Google-Extended / PerplexityBot など)
   の記述があるか。あれば、どれをどう指定しているか
2. サーバー側のセキュリティ機能やボット対策で、
   これらのクローラーを弾いていないか(403を返していないか)
3. 上記1と2が、当社の意図と一致しているか

背景:robots.txtで許可していても、サーバー側で
遮断されていて実際には読まれていない、というケースがあるため、
2点セットで確認したいという趣旨です。

【止めると決めたとき】

お世話になっております。
生成AIの学習用クローラーについて、下記の方針で
robots.txt の設定をお願いできますでしょうか。

・止める対象:(例)学習用のみ/検索用も含めて全部
・残す対象 :(例)検索用は残す

あわせて、次の2点にご注意ください。

1. noindex を併用しないこと
   (robots.txtでブロックすると noindex が読まれず、
    かえって検索結果から消えなくなるため)
2. 設定後、実際に反映されているかを確認いただきたいこと
   (書いたつもりで効いていない場合があるため)

⚠この確かめ方で分かるのは「ウェブの図書館」の収録状況だけで、AI各社が独自に回っている分は含まれません。それでも、「まったく読まれていない」に気づくには十分です。当社はこれで気づきました。

生成AIコンサルティング

「うちは、読ませるべきか止めるべきか」を一緒に整理します

この記事のとおり、答えは会社によって違います。何が公開されていて、実際に読まれているのか。まずそこを一緒に確かめるところから始めます。ITコーディネータが、判断の材料をそろえるお手伝いをします。

※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。

よくある質問(FAQ)

FAQご相談のときに実際によく出る質問を、関心の順に並べました。
QAIに学習されないようにする方法はありますか
あります。ホームページの入口に置く robots.txt というファイルに、AI各社が公表しているロボットの名前と「入らないでください」を書きます。ただし、すでに学習された分は取り消せません。また利用者がAIに頼んで読ませる場合は止まらないことがあると、3社が公式に書いています。
Q社員がChatGPTに入れた情報が学習されるのが心配です
それはこの記事とは別の話です。この記事は自社のホームページが読まれる話を扱っています。社員が入力した情報が学習に使われるかは、契約の種類と設定で変わります。詳しくは「生成AIに入力してはいけない情報」をご覧ください。
Q止めると、Google検索にも出なくなりますか
Geminiの勉強用ロボットを止めても、Google検索の掲載には影響しないとGoogleが公式に明記しています。ただし検索用のロボットを止めると、そのAIの答えには出なくなります。勉強用と検索用は分けて考えてください。
Q入口に貼れば、確実に読まれなくなりますか
確実ではありません。大量の自動巡回は減りますが、ゼロにはなりません。利用者がアドレスを貼り付けて「読んで」と頼んだ場合について、OpenAI・Perplexity・Metaの3社が「お願いが適用されない場合がある」と公式に書いています。
Q念のため、両方の設定をしておけば安心ですか
逆効果です。入口で断るとロボットがページを開けず、ページの中に貼った「名簿に載せないで」の札を読めません。結果として札が効かなくなります。Googleが公式に「noindexを有効にするには、robots.txtでブロックされていてはならない」と明記しています。
Q他の会社は止めているのですか
2026年9月3日に日本の主要企業70社を実際に確認したところ、中身を確認できた53社のうち止めていたのは10社でした。内訳は、上場している事業会社は38社中1社、新聞・通信社は8社すべてです。ものやサービスを売っている会社は、ほとんど止めていません。
Q設定にお金はかかりますか
入口の貼り紙を直す作業自体は0円で、5分ほどです。かかるのは判断のための時間だけです。ただし設定を間違えると検索結果から消えることがあるため、実際の作業はWeb担当者か制作会社に依頼することをおすすめします。
Q止めるかどうか、どう決めればいいですか
まず、そもそも公開すべきでない情報が載っていないかを確認してください。載っているなら、止めるのではなく消すのが正しい対処です。そのうえで「全部読ませる」「一部だけ止める」「全部止める」の3つから選びます。記事そのものが商品でないなら、多数派は止めない選択です。
Q著作権の観点ではどうなのですか
当社は法律の専門家ではないため、法的な評価はいたしません。権利関係でお困りの場合は、弁護士など専門家にご相談ください。この記事は、技術的に何ができて何ができないか、止めると何が起きるかという経営判断の材料に限って書いています。

まとめ

  • 「AIに学習されたくない」には2つの心配があります。この記事は「自社のホームページを読まれる」ほうです。「社員が入れた情報」は別の記事で扱っています
  • 止める方法はあります。ホームページの入口の貼り紙に、AI各社のロボット名を、1社につき2行ずつ書くだけ。費用は0円、作業は5分です
  • ただし「止めた/止めていない」は、書いた内容だけでは決まりません。受付が実際にどうしているかを見てください
  • 当社は1社も止めていないのに、2026年4月から5か月間、ウェブの図書館に1ページも置かれていませんでした。受付が「お断り」を返しており、9月3日に見つけて、いま原因を調べています
  • 日本の主要企業53社を実際に確認した結果、止めていたのは10社。上場している事業会社は38社中1社、新聞・通信社は8社すべてでした
  • 止められないものが4つあります。すでに学習された分、他人が書いた自社の情報、口コミ、そして人がAIに頼んで読ませる場合です
  • 止めると、下調べの段階で候補から消えます。集客だけでなく採用でも同じです。ただし当社は意図して止めた経験がないので、断定はしません
  • 公開すべきでない情報が載っているなら、止めるのではなく消してください。止める設定より先に、載せないという選択があります
  • 今日やることは3つ。①入口の貼り紙を見る ②実際に読まれているか確かめる ③3つから選ぶ。全部で10分、0円です

▶ 執筆者「YouTubeコンサルタント 酒井大輔」の詳しいプロフィールを見る