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AIに「この地域で働くならどこ?」と聞いたら、出てきたのは働き方を数字で公開している会社でした
- 「中小企業」と言わないと、中小は出てこない。製造業では中小がゼロ、建設業では指定しないと出にくく、ドライバー職では普通に出ました。業種によって消えやすさが違います。
- 出てきた中小には共通点があった。年間休日120日・賞与年5ヶ月・全国転勤なし・平均年齢と残業時間の公開——働き方を数字で公開していた会社が、理由つきで挙がっていました。
- 空白は「出てこない」で終わらない。当社を名指しで聞くと、名前の似た別会社の口コミや、無関係な地域の求人で埋められました。出てこないことより、違うものが出てくるほうが実害があります。
- 3日続けて聞いたら、3回とも顔ぶれが違いました。同じ質問・同じ条件で、3日とも出たのは1社だけ。順位を追いかけても間に合いません。
- そして、当社自身が書けていませんでした。採用記事102本のうち「年間休日」に触れたのは1本、「賞与」は0本、「月給」は0本でした(2026年8月28日時点)。
AIが読んでいるのは、求人票の外です
この記事は、AI4社に求職者のふりをして質問した実測が中心です。結果を先に一言でまとめると、AIが会社を挙げる理由に使っていたのは、求人票に書いてある条件ではなく、その外側にある情報でした。まず、その話からします。実測の中身は、このあとすべて出します。
私はセミナーで、こういう言い方をしています。
社内向けのデータベースを整えている会社は増えました。次に作るべきなのは、社外向けのデータベースです。それがホームページで、いま読みに来ているのは人だけではありません。
図1:求人票の中と外
外に出すもの、3つ
私はふだん、集客の文脈で「外に出すものは3つ」という話をしています。①営業がよく聞かれる質問 ②問い合わせメール ③失注した理由——それも「高いから」ではなく、お客様が何を分からなかったか。
これを採用に置き換えると、そのまま使えます。
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| 集客の場合 | 採用に置き換えると | 具体的に書くこと |
|---|---|---|
| 営業がよく聞かれる質問 | 応募者からよく聞かれる質問 | 「残業はどれくらいですか」「未経験でも大丈夫ですか」への数字での答え |
| 問い合わせメール | 応募前の問い合わせ | 電話や面接で毎回聞かれることを、そのままページに書く |
| 失注した理由 | 辞退の理由 | 「給料が低いから」ではなく、何が分からなかったか。分からなかったことを書けば、次の人は辞退しません |
出典:当社セミナー(2026年8月)での発言を、採用文脈に翻訳したものです。
3つ目が、いちばん効きます。辞退した人は「給料が低かったから」とは言いません。本当の理由は「入ってからどうなるかが分からなかった」であることが多い。分からなかったことをページに書けば、次の人はそこで止まりません。そしてそれは、AIが引用できる形の情報になります。
愛知で働く会社を探す人は、求人媒体より先にAIに聞いています
求人を出しても応募が来ない。媒体の費用は上がっているのに、面接まで進む人が減っている。そういう相談が増えました。
採用の入口が、静かに1つ増えています。求職者が、応募する前にAIで会社を調べるようになりました。「この地域で製造の仕事なら、どこがいい?」「◯◯という会社は、働く会社としてどうですか」。検索窓ではなく、AIに話しかけて調べる。この動きが、求人媒体に載る「前」の段階で起きています。
そこで自社が出てこなければ、どうなるか。応募が減るという話ではありません。比較される前に、候補から外れている可能性があります。媒体にいくらお金をかけても、その手前で候補から外れていたら、そもそも見てもらえません。
それから、求人媒体を否定する話でもありません。あとで見るとおり、AIが会社を挙げるとき、その根拠のほとんどは求人媒体でした。媒体はむしろ効いています。この記事は「媒体の前に、もう1つ見られる場所ができた」という話です。
求職者が何を見て会社を判断しているかは、当社で別途まとめています。詳しくはZ世代の就活と動画|情報収集の3割がYouTube・SNSをご覧ください。
求職者の67.7%がAIを使い、71.0%がAIの情報で応募をやめています
「本当にそんなに使われているのか」と思われたはずです。当社の実測を出す前に、第三者の調査を1本だけ置きます。
マーケティング支援会社の株式会社CINC(東証グロース上場)が、2026年8月7日に公表した調査です。当社と事業領域が一部重なる会社ですが、採用に絞ってここまで測った調査はほかに見当たらないので、出典を明記して使わせていただきます。
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| 調査項目 | 結果 | 母数 |
|---|---|---|
| 就職・転職活動で生成AIを利用した | 67.7% (新卒77.8%/中途60.2%) | 1,296人 |
| AIを通じて、それまで名前も知らなかった企業を新たに知った | 62.8% | 988人 (AI利用経験者) |
| 知ったあとの行動=「採用ページや求人情報を見た」(最多・複数回答) | 44.0% | 988人 (AI利用経験者) |
| AIが示したネガティブ情報(残業、離職率など)が原因で応募や選考を断念した | 71.0% (複数回あった36.1%/一度だけ34.9%) | 770人 |
出典:株式会社CINC「【就職・転職活動における生成AI利用の実態調査】生成AIは求職者の企業選びをどう変えているのか?」(2026年8月7日公表/調査レポート)。調査1=2026年5月19〜20日・有効回答1,296人(新卒554/中途742)。調査2=2026年5月25日〜6月1日・有効回答770人(新卒358/中途412)。企業認知に関する設問は生成AI利用経験者988人が対象。セルフ型アンケートツール「Freeasy」によるインターネット調査、調査機関=株式会社CINC。数値は当社が2026年9月3日に原典で確認しました。
いちばん下の行を見てください。71.0%。AIが示したネガティブな情報(残業、離職率など)が理由で、応募や選考をやめた経験がある人の割合です。
残業。離職率。このあと当社が「自社の採用記事102本に、ほとんど書いていなかった」と告白することになる項目そのものです。会社が書いていなければ、AIは別の場所から拾います。口コミサイトかもしれませんし、業界の平均値かもしれません。
応募が減った原因が、面接でも媒体でもなく、そのもっと手前にある可能性があります。
ただしCINC自身が、この調査は市場全体の傾向を保証するものではないと注記しています。「AIに出ていないと採用できない」という話ではありません。ここから読み取れるのは、求職者の情報収集に生成AIが入り込んでいて、そこで見た内容が応募の判断に影響している——というところまでです。
AI4社に「愛知県で建設・製造・運送の仕事ならどこ?」と聞きました
推測で話しても仕方がないので、実際にやりました。当社の支援先と同じ条件(建設業・愛知県)で、求職者になったつもりで質問しています。会社名は使っていません。地域と職種だけです。
投げた質問(全AI共通・固定)
- 質問A1「愛知県で建設の仕事に就くならどの会社がいいですか」
- 質問A2「愛知県で建設業の求人を出している中小企業を教えてください」
- 質問B「ユーチューブビジネスサポートは、働く会社としてどうですか」(当社を名指し)
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| AI | ログイン | プラン | 過去の記憶の扱い | 実施日 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | 済 | 無料版 | 一時チャット(メモリ・カスタム指示を無視) | 8/28・8/29・8/30・8/31 |
| Claude | 済 | Max | 一時チャット機能がなく、メモリを参照しました(後述) | 8/28 |
| Gemini | 済 | 無料 | A1は一時チャット/A2・Bは通常チャット | 8/28 |
| Perplexity | 未ログイン | 無料 | ログインしていないため記憶なし | 8/28 |
出典:当社実測(2026年8月28日・愛知県/建設・製造・ドライバー職)。取得は12通りのうち11通り。Claudeの質問A2だけ、送信操作が通らず測れていません(「出てこなかった」ではありません)。
実際の画面をお見せします。掲載するのは、いちばん多くの方が使っているChatGPTの画面です。一時チャットで聞いているので、こちらの過去のやりとりも、登録した情報も使われていません。他の3社の回答は、このあとの表に文章で載せます。

業種によって、中小企業の出方が違いました(建設・製造・運送)
「建設業だけの特殊事情では?」と思われそうなので、業種を増やして同じ質問を投げました。結果は、はっきり分かれました。
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| 業種 | 挙がった会社 | 中小は出たか |
|---|---|---|
| 製造 | トヨタ自動車/デンソー/アイシン/アドヴィックス/東海理化/豊田自動織機 | ゼロ |
| 建設 | 矢作建設工業/名工建設/ジェイアール東海建設/徳倉建設/大井建設 | 5社目にようやく地元の会社が1社 |
| ドライバー | 西濃運輸/佐川急便/トヨタ輸送/ヤマト運輸 ⚠翌日に同じ質問をすると、1位は中小の名古屋東部陸運に変わりました | この日は大手中心/翌日は中小が1位 |
出典:当社実測(2026年8月30日・ChatGPT/一時チャット・無料版)。ドライバー職の注記のみ8月31日の結果です。1日ぶんの結果であり、日によって変わります(「同じ質問を3日続けました」の章で詳述します)。
製造業が、いちばん厳しい結果でした。愛知県の製造業でAIに聞くと、トヨタとそのグループ企業で埋まります。中小企業は1社も出てきませんでした。情報量で圧倒されている、というのが素直な見立てです(これは推定で、AIの内部の仕組みまでは分かりません)。
逆に、ドライバー職では中小が普通に出ました。理由も推定になりますが、求人媒体の中で「月給」「年間休日」「免許取得支援」といった条件が数字で構造化されている職種だからだと考えています。AIが拾いやすい形で、情報が世に出ている。
出てきた中小企業には、共通点がありました
回答をよく読むと、会社の出方に2種類あることに気づきました。
1つは、名前だけ。8月28日にPerplexityへ同じ質問をしたときは、42社の社名が並びました。ただし、1社ごとの「選ばれる理由」は1行も付いていません。根拠は愛知県労働協会の「愛知で働く、という選択。」(中小企業100社の採用情報)と、求人サイトでした。名簿に載っているから名前が出た、という状態です。
ところが3日後、同じ質問をChatGPTに投げると、まったく違う答えが返ってきました。6社の名前と一緒に、「求人の特徴」という欄が付いていたのです。

もう1つは、理由つき。こちらが本題です。AIが「この会社はこうだから」と説明を添えて挙げた会社が、いくつかありました。その説明を並べると、共通点がはっきりします。
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| 会社(AIの回答に出てきたもの) | AIが挙げた理由 | 共通しているもの |
|---|---|---|
| 名古屋東部陸運(運送) | 定着率90%、平均勤続年数14年。手積み・手降ろしなし、毎日帰宅、未経験者向けの研修がある | 定着の数字 |
| UACJ物流(運送・名古屋市港区) | 月給35万〜50万円。30代・勤続5年で月収52万円+賞与114万円、想定年収745万円という例 | 金額 |
| 信和建設(建設・瀬戸市) | 資格不問・未経験可、年間休日125日、完全週休2日制、転勤なし、資格取得支援あり | 休みと制度 |
| 澄川建設(建設・稲沢市) | 完全週休2日制、年間休日129日(令和7年度実績) | 休みの数字 |
| 太啓建設(建設・豊田市) | 経験不問。月給25〜60万円、週休2日制 | 金額 |
| 石橋建設興業(建設) | 愛知県内勤務で転勤なし、年間休日120日 | 休みと勤務地 |
| 山崎製パン(運送) | 準中型免許の取得を会社がサポートする求人。入社6年目で年収626万円、1年目で519万円という例 | 金額と制度 |
出典:当社実測(2026年8月31日・ChatGPTの回答文より要約/一時チャット・無料版)。1回の質問に対する結果です。各社の評価や優劣を示すものではなく、AIがそう回答したという事実の引用です。

——これは求人票の条件欄の話ではありません。「この会社で働くと、どういう毎日になるか」を数字で書いてあるかどうかです。
いちばん分かりやすいのが、運送会社の1位に挙がった理由です。「定着率90%、平均勤続年数14年」——この2つの数字を公開している会社が、大手を押しのけて1位になりました。
逆に言えば、書いていない会社は、AIが挙げようにも挙げる材料がありません。名簿に載っていれば名前だけは出ますが、「なぜこの会社なのか」の一行が付きません。求職者が見るのは、その一行です。
では、当社はどうだったのか(102本を数えました)
ここまで書いて、自分の首を絞めることに気づきました。当社は採用と動画について、102本の記事を書いています。では、その102本に「年間休日」や「賞与」は何回出てくるのか。数えました。
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| AIが引用に使っていた語 | 採用カテゴリ 102本 | サイト全652本 |
|---|---|---|
| 年間休日 | 1本 | 1本 |
| 賞与 | 0本 | 0本 |
| 月給 | 0本 | 1本 |
| 転勤 | 2本 | 3本 |
| 平均年齢 | 2本 | 4本 |
| 残業 | 5本 | 8本 |
| 有給 | 3本 | 5本 |
| 初任給 | 1本 | 1本 |
| (参考)福利厚生 | 29本 | 32本 |
| (参考)社員インタビュー | 25本 | 34本 |
| (参考)離職率 | 17本 | 29本 |
| (参考)社員の1日/1日の流れ | 16本 | 20本 |
出典:当社サイトの全数集計(2026年8月28日時点/公開652本・採用カテゴリ102本/本文テキストで計数)。
下の4行(参考)を見てください。「福利厚生」29本、「社員インタビュー」25本、「離職率」17本、「社員の1日」16本。当社はずっと、こう書いてきました。——福利厚生を伝えましょう。社員インタビューを載せましょう。1日の流れを見せましょう。
そして上の3行。年間休日は1本、賞与は0本、月給は0本。
カテゴリ名は書いていた。中身の数字は書いていなかった。そして、AIが実際に引用していたのは、後者でした。
言い訳をすると、「福利厚生を充実させましょう」は間違いではありません。ただ、その一文はAIに引用されません。引用されるのは「年間休日120日」「賞与年5ヶ月」「大型免許の取得費用は会社負担」という、具体的な数字のほうです。
ひとつだけ、当社が正しくやっていたことがあります。トップページに支援実績を数字で書いていました。

実際、後述するとおり、AIは当社の事業内容と実績を正確に答えました。書いてある数字は拾われます。問題は、その隣にあるはずの「働く場としての数字」を、当社が書いていなかったことです。
つまり実務ではやっていました。書けていなかったのは、それを勧める側の記事のほうです。
そして今回の実測で、この枠にもう一つ意味が加わりました。読者に分かりやすいだけではなく、AIが会社を挙げる理由に引用していたのが、まさにそこだったからです。
名指しされても、「働く場」のことは答えられませんでした
「うちは知名度がないから、地域で聞かれても出ないのは当然だ」と思われるかもしれません。では、社名を出して聞いたらどうなるか。これも試しました。
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| AI | 事業のことは答えられたか | 働く場のことは答えられたか |
|---|---|---|
| ChatGPT | ◯ 2008年から企業向けYouTube支援/100社以上の支援実績(自社サイトから) | ✕「社員・元社員による口コミや、給与・残業・離職率などの情報がかなり少ないです」 「公式サイトに掲載されている実績は基本的に会社側からの情報なので、職場環境の良し悪しとは別に考えたほうがいい」 |
| Gemini | ◯ 動画で集客・採用を支援するコンサルティング | ✕「働く会社としての内部の評判や、社員の口コミに関する公開情報は見当たりませんでした」 |
| Perplexity | ◯ 2008年/100社以上/自社で5,000本以上の動画/6ヶ月で内製化 | ✕「社員・元社員による職場評価は公開情報が限られています」 |
| Claude | ◯ | ✕「OpenWork、転職会議などを探しても該当なし。出てくるのは無関係な動画制作会社の求人ばかり」 |
出典:当社実測(ChatGPTは2026年8月31日/Claude・Gemini・Perplexityは8月28日)。回答文からの引用・要約。Claudeはログイン状態でメモリを参照しており、条件が他の3社と揃っていません(「同じ質問を3日続けました」の章で詳述します)。
4社とも、同じ結論でした。事業の話は自社サイトから正確に拾えるのに、働く場の話だけが空白になる。ChatGPTの結びが、いちばん正直でした。
これは当社の話ですが、構造はどの会社でも同じです。会社案内は書いてある。サービス紹介も書いてある。でも「ここで働くとどうなるか」は、どこにも書いていない。
ちなみにChatGPTは、こちらが聞いてもいないのに「調べるならこの7点です」と並べてきました。求職者が知りたいことの目次を、AI自身が出してくれた形です。
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| # | 聞くべきこと | ページに書けるか |
|---|---|---|
| 1 | 社員は何人いるのか | 書ける |
| 2 | 今回の求人は増員なのか、退職者の補充なのか | 書ける |
| 3 | 平均残業時間 | 書ける |
| 4 | 休日・有給の取得状況 | 書ける |
| 5 | 給与の固定残業代の有無 | 書ける |
| 6 | 入社後に任される具体的な仕事 | 書ける |
| 7 | (当社への回答なので割愛)業務の内訳 | — |
| 8 | (同)代表と一緒に働く度合い | — |
| 9 | 過去1〜2年の社員の定着率 | 書ける |
| 10 | 社会保険・雇用形態・試用期間 | 書ける |
出典:当社実測(2026年8月31日・ChatGPTの回答文より)。7・8は当社の事業形態に対する質問なので割愛しました。

逆に言えば、書いていないぶんだけ、応募者は面接まで判断を保留します。保留されている間に、他社が決まります。
数字で書けるものと、人の言葉と顔でしか伝わらないものがあります。数字のほうを書いていない会社は、人柄を語る前に候補から外れます。
「出てこない」では終わりません
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。当社が想定していたのは「出てこない」でした。実際に起きたのは、それより厄介なことでした。
Perplexityは、名前の似た別の会社の口コミを回答に持ち込みました。転職口コミサイトに載っている、当社とは無関係な会社の総合評価です。Perplexity自身も「別会社である可能性が高い」と注記していましたが、その数字は回答の中に残りました。

Claudeは、大阪府と兵庫県の、まったく無関係なYouTube関連の求人を並べました。愛知県の当社を聞かれて、他県の他社の求人が出てきたわけです。
ドライバー職の質問では、ChatGPTの参照元に「東海桃太郎祭り」というイベント情報が混ざっていました。採用とは関係がありません。
あなたの会社について「働く場としてどうか」を書いていなければ、その場所には誰か別の会社の評判が入ります。そして求職者は、その区別がつきません。
「出てこないなら、それはそれで害はない」とは言えない、というのがこの実測の結論です。空白は放置されるのではなく、埋められます。
同じ質問を3日続けました。3回とも違いました
ここから記事の後半です。前半は「AI側で何が起きているか」でした。後半は「では自社で何をするか」に移ります。その前に、1回の結果を信じてはいけない理由を、この章ではっきりさせておきます。
1回の結果で断定するのは危ないので、同じ質問を3日続けて投げました。ここがこの記事でいちばん驚いたところです。
※ 横スクロールできます
| 8月28日 | 8月29日 | 8月30日 | |
|---|---|---|---|
| 挙がった会社 | 矢作建設工業/徳倉建設/名工建設/大林組 名古屋支店 | トヨタT&S建設/矢作建設工業/大林組/豊橋建設工業/藤城建設/豊鉄建設 | 矢作建設工業/名工建設/ジェイアール東海建設/徳倉建設/大井建設 |
| 参照していた情報源 | doda/転職EX/企業の採用サイト | Yahoo!しごとカタログ/各社の公式サイト | まちジョブ/CIC建設情報センター/ハローワーク資料/Indeed |
| 3日とも出た会社 | 矢作建設工業だけ(大林組は2日、徳倉建設と名工建設も2日) | ||
出典:当社実測(2026年8月28日・29日・30日/同一質問文・同一条件で3日連続)。
顔ぶれが毎日入れ替わり、参照している情報源まで変わりました。3日続けて出たのは矢作建設工業の1社だけです。
ここから言えることは2つあります。1つ目。1回試して出なかったからといって、絶望する必要はありません。もう1回聞けば出るかもしれません。2つ目。1回出たからといって、安心もできません。次に聞かれたときは、別の会社に入れ替わっているかもしれない。
ちなみに8月29日に1位で出た会社の説明には「2025年度実績で賞与6.5ヶ月、完全週休2日制」、30日に5社目で出た地元の会社には「名古屋市西区に本社がある地元建設会社」という説明が付いていました。顔ぶれは入れ替わっても、選ばれる理由はいつも数字と具体でした。
だから、やるべきことは「順位を追うこと」ではありません。どの日に誰が出ても引用される中身を、自社のページに置いておくことです。それが前の章で見た「働き方の数字」です。
雰囲気は、テキストだけでは渡しにくい
ここまで「数字を書きましょう」という話をしてきました。ただ、数字で書けないものもあります。当社を社名で聞いたときにChatGPTが挙げた7項目のうち、②社風・人間関係、③ブラックっぽくないか、⑤代表者の評判——この3つは、数字にできません。
文章で書こうとすると「アットホームな職場です」になります。それは、どの会社も書いています。読んだ人には何も残りません。
当社が動画を勧めているのは、この部分です。現場の音、社員の話し方、社長の顔。雰囲気は、見せたほうが速い。これは当社の見立てであって、動画を作れば採用できるという意味ではありません。渡しにくいものを渡す手段として、いまのところ動画がいちばん速い、というだけです。

業種ごとの動画活用は、製造業・建設業・運送業のページにまとめています。費用と進め方は【事例付】YouTube採用・求人とは?中小企業が動画でコストを削減する方法!です。この記事が扱うのは「AIに聞かれたとき、自社が出てくるか」だけなので、その先はそれぞれのページへ。
自社がAI検索に出てこないか、3分で確かめる方法
ここまで読んで「うちはどうなんだろう」と思われたはずです。確かめてください。無料で、3分で終わります。
今回の実験で分かったことです。Claudeで当社について聞いたとき、Claudeは過去のやりとりの記憶を読み込んで、私のことを「御社」と呼びました。自分のアカウントで自社を調べると、AIはあなたを知っているので、出てきてしまいます。それは求職者から見た景色ではありません。
ChatGPTの公式ヘルプにも、「デフォルトでは、一時チャットはメモリ、カスタム指示、プラグインを使用せず、チャット履歴にも表示されません」と書かれています(OpenAI ヘルプセンター「一時チャット FAQ」/2026年8月29日確認)。
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| 手順 | やること | 見るところ |
|---|---|---|
| 1 | 一時チャット(またはログアウト状態)にする | ChatGPTなら右上から一時チャットに切り替え |
| 2 | 「◯◯県◯◯市で△△の仕事に就くならどの会社がいいですか」と聞く | 自社が出てくるか。出てこなくても普通です |
| 3 | 「◯◯県で△△の求人を出している中小企業を教えてください」と聞く | 名前だけか、理由つきで出るか |
| 4 | 「株式会社◯◯は、働く会社としてどうですか」と社名で聞く | ここが本番。別の会社の話が混ざっていないか |
| 5 | 同じ質問を2社以上のAIで、時間をあけて2回 | 1回では判断できません(「3日続けた」章のとおり) |
出典:当社が2026年8月28日に実施した手順そのままです。
出てこなかったときに、順番にやること
上から順に、できたところにチェックを入れてください。
- 1つ目。採用ページに数字を3つ足す。年間休日/賞与/月給レンジ。この3つは、AIが実際に引用に使っていました。書いていなければ、まずここから。
- 2つ目。応募前によく聞かれる質問を、そのまま書く。面接で毎回説明していることは、ページに書いていないから毎回聞かれています。
- 3つ目。辞退した人が「何が分からなかったか」を1つ書く。次の人はそこで止まりません。
- 4つ目。28日あけて、もう一度同じ質問をする。変わったかどうかは、測らないと分かりません。
書き方を、こう変えます
「数字を書きましょう」と言われても、いざページを開くと手が止まります。そこで、今回の実測でAIが実際に引用していた書き方を並べます。右側はすべて、2026年8月28日にAIの回答に出てきた実際の記述です。
※ 横スクロールできます
| ありがちな書き方 | AIが引用していた書き方(実測) |
|---|---|
| 休みは取りやすいです | 年間休日120日(土日祝休み)、ほぼ残業なしでの定時退社 |
| 待遇は同業他社並みです | 賞与年5ヶ月分・全国転勤なし |
| 未経験でも歓迎します | 学歴や経験は不問。40代後半〜50代の方の採用実績もある |
| 資格取得を支援します | 大型免許取得費用を会社負担 |
| 風通しの良い職場です | 平均年齢や残業時間を採用サイトで数値公開 |
出典:右列は当社実測(2026年8月28日〜31日・AIの回答文より)。左列は一般的な表現の例です。
左の書き方が悪いわけではありません。ただ、左はどの会社でも書けます。だからAIは、それを会社を選ぶ理由には使えません。右は、その会社しか書けない一文です。
集客の文脈で「自社がAIに出てこない」を扱った記事もあります。原因の切り分けはそちらが詳しいので、AIで調べたら自社が出てこない?原因と最初にやる3つもあわせてどうぞ。
ここまで読んで「うちはどうなんだろう」と思われた方へ。
自社がAIにどう出ているか、一緒に見る(生成AI時代のSEO・LLMO対策) 先に、採用と動画の費用・進め方を見るまず自分で測ってみたい方は、上の「3分で確かめる方法」だけで十分です。その結果を見てから、相談するかどうかを決めてください。
「もう測った。何を書けばいいか一緒に決めたい」という段階の方が、いちばんお役に立てます。
※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。
次に読む
よくある質問(FAQ)
QAI検索に自社が出てこない。まず何から始めればいいですか+
QAI検索対策(LLMO)の費用はどれくらいかかりますか+
Q採用ページに数字を書き足したら、どれくらいで効きますか+
QAI検索対策をするなら、求人媒体はやめたほうがいいのですか+
Q採用動画に社員の顔出しは必要ですか+
Q業種によってAIへの出方に差はありますか+
QAI検索に出てこないと、採用できないのですか+
まとめ
- 求職者は、応募する前にAIで会社を下調べします。そこに出てこない会社は、比較される前に候補から外れている可能性があります。ただしこれは入口の話で、「AIに出る=採用できる」ではありません。
- 業種によって消えやすさが違いました。2026年8月28日の実測では、製造業で挙がった中小はゼロ。ドライバー職では中小も普通に挙がりました。
- 理由つきで挙がった中小には、共通点がありました。年間休日120日・賞与年5ヶ月・全国転勤なし・平均年齢と残業時間の公開。働き方を数字で公開していた会社です。
- 当社は、採用記事102本のうち「年間休日」に触れたのは1本、「賞与」は0本でした。「書きましょう」とは言っていたのに、「何を数字で書くか」は言っていませんでした。
- 3日続けて聞いたら、3回とも違いました。共通していたのは1社だけ。だから順位を追うのではなく、どの日に誰が出ても引用される中身を置いておくことが確実です。
- 空白は埋められます。名前の似た別会社の口コミや、無関係な地域の求人が代わりに出てきました。出てこないことより、違うものが出てくるほうが実害があります。
- 今日やること。一時チャットで3つ質問する。出てこなければ、採用ページに年間休日・賞与・月給レンジを書き足す。28日後にもう一度聞く。





















