製造業のYouTube活用ガイド

製造業のYouTube集客・活用術|技術・工程を「動画」で見せ、問合せ6.5倍・売上40倍へ

下請け依存・技術が伝わらない・展示会頼みの営業から抜け出す。中小製造業がYouTubeで集客と採用を変えるための考え方と進め方を、実際の成果事例つきで解説します。

執筆・監修:酒井 大輔(ユーチューブビジネスサポート代表/ITコーディネータ)

Introduction

【結論】製造業こそYouTubeで問い合わせが増える

📌 結論 製造業のYouTube集客とは、属人化しがちな技術・工程・品質を動画化し、24時間働き続ける「営業資産」に変える施策です。製造業がYouTubeで成果を出せる理由は明快です。加工・工程・技術といった「動画でしか伝わらない情報」を持っているから。検討期間が長いBtoBほど、動画は24時間働き続ける営業マンとして機能します。実際、登録者137人でもECの売上が40倍になった建材商社、問い合わせが6.5倍になった製造業の例があります。再生数の多さは必要ありません。
この記事の要点
  • 製造業の「技術・工程・品質へのこだわり」は、文字や写真より動画のほうが圧倒的に伝わる
  • BtoBは比較・検討の期間が長い。動画は何度も見返され、社内の意思決定にも回り、商談を後押しする
  • 登録者が少なくても受注は増える。表面上の数字(再生数・登録者)と仕事の結果は比例しない
  • 同じ発信が「採用」にも効く。職場・技術・人を見せることで、ミスマッチの少ない応募が集まる
40倍
建材商社のEC売上(株式会社伊勢通)
6.5倍
製造業の問い合わせ件数
100社+
YouTube活用の支援実績(2008年〜)

「うちは地味な部品をつくっているだけ」「専門的すぎてYouTube向きではない」——製造業の経営者からよく聞く言葉です。しかし実際は逆で、専門的で説明が必要な商材ほど、動画の効果は大きく出ます。図面や仕様書では伝わらない加工の精度、現場の空気、技術者のこだわりが、映像と音声でそのまま伝わるからです。この記事では、製造業がYouTubeを「集客」と「採用」の武器に変えるための考え方と具体的な進め方を、当社の支援事例とあわせて解説します。

Problem

製造業が抱えがちな3つの営業課題

多くの中小製造業に共通する悩みは、技術力の問題ではなく「伝わっていない」ことに起因します。まずは、YouTubeが解決しうる典型的な3つの課題を整理します。

課題 01

下請け依存で価格決定権がない

特定の取引先に売上の大半を依存し、価格も納期も相手都合になりがち。自社を知ってもらう接点が乏しく、新規開拓や直販に踏み出せない。

課題 02

高い技術力が言葉では伝わらない

精度・対応力・品質管理に強みがあっても、カタログやホームページの文章だけでは違いが伝わらない。「結局どこも同じに見える」と価格比較に持ち込まれてしまう。

課題 03

展示会・既存客頼みで新規が細い

新規接点が展示会や紹介に偏り、出展コストや人脈の限界に左右される。さらに人手不足で若手が集まらず、採用広告費だけがかさんでいく。

製造業の人手不足と新規開拓の難しさは、公的データにも表れています。経済産業省・厚生労働省・文部科学省『2022年版ものづくり白書』によると、製造業の就業者数は2002年からの20年間で1,202万人から1,045万人へと約157万人減少し、うち34歳以下の若年就業者は384万人から263万人へと約121万人減少しました。中小企業庁『2024年版中小企業白書』でも、人材確保が中小企業の最重要の経営課題に挙げられています。限られた人員でも新規の問い合わせと応募を生み出す「24時間働く発信」が、これまで以上に重要になっています(出典:経済産業省ほか『2022年版ものづくり白書(概要)』中小企業庁『2024年版中小企業白書(概要)』)。

これらに共通するのは「いい技術・いい会社なのに、その中身が外から見えていない」こと。動画は、この“見えない価値”を見える化する手段として、製造業と相性が良いのです。ただし酒井大輔は動画は「魔法の杖」ではないとも言います。悪い商品が動画で良くなることはありません。いい会社が、正しく使ったときにだけ効く——これが大前提です。
Why It Works

製造業とYouTubeの相性が良い理由

製造業がYouTubeで成果を出しやすいのには、はっきりした理由があります。提唱者・酒井大輔の「動画経営」の考え方に沿って整理します。

理由①:技術・工程は「動画でしか伝わらない」情報だから

金属を削る音、樹脂が成形される瞬間、検査の手つき、図面が製品になっていくプロセス。これらは写真や文章では1割も伝わりません。動画は「視覚」だけでなく「聴覚」からも情報を届け、現場の臨場感や精度へのこだわりをそのまま見せられます。製造業が持つ情報は、まさに動画向きなのです。

📊 公的データ|動画はもはや標準の情報源

オンデマンド型の動画共有サービスの利用率は全年代で80%超、10〜40代では90%超。サービス別でもYouTubeが80.8%で最多です。取引先の担当者も、日常的に動画で情報を得る時代になっています。

出典:総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月公表)

理由②:検討期間が長いBtoBほど、動画が効くから

BtoBの取引は、担当者が見つけ、上司に共有し、社内で検討し、相見積もりを取り……と時間がかかります。一度きりの営業トークでは伝えきれません。動画なら、見込み客が好きなタイミングで何度も見返し、社内の決裁ルートにもそのまま回せます。動画は止めれば消える広告と違い、一度つくれば資産として積み上がる「ストック型」。製造業の長い検討プロセスに、静かに寄り添い続けます。

動画は、24時間働き続ける営業マンです。広告のように止めると消える発信ではなく、資産として積み上がっていく。 —— 酒井大輔『経営戦略は動画が最強!』の考え方より

理由③:登録者が少なくても、受注は増えるから

「YouTubeは登録者を増やさないと意味がない」と思われがちですが、企業の動画活用では当てはまりません。後述する建材商社・伊勢通は、チャンネル登録137人・総再生5万回未満でもECの売上が40倍になりました。企業が見るべきは再生数ではなく、問い合わせ・受注・採用という「経営の数字」。ユーチューバーの目標と、企業の目標は違います。

考え方磨くべきは「画質」ではなく「情報の質」
4Kの高画質やかっこいい編集を追っても契約にはつながりません。製造業が磨くべきは、説明のわかりやすさ・伝わりやすさ=「情報の質」。スマホ撮影のありのままの動画のほうが、技術者の信頼につながる場面も多くあります。
考え方中小企業の発信は「自己紹介 × マッチング」
良い技術と想いを持ちながら埋もれている会社が、動画で誠実に自己紹介し、その中身に共感したお客様や求職者と出会う。だから集客でも採用でも「合う相手」が集まり、ファンになっていきます。
Case Studies

製造業の成功事例【数値で見るビフォーアフター】

📌 結論 製造業・建材といった「説明が必要な商材」でも、動画で技術と人を見せることで成果は出ます。建材商社・伊勢通は登録137人でもEC売上40倍、ある製造業は問い合わせが6.5倍(月3件→20件)に。いずれも派手なバズではなく、地道な情報発信の積み重ねによる結果です。
建材商社・EC / 名古屋(株式会社伊勢通)

登録137人・総再生5万回未満でも、EC売上40倍

EC売上 40倍 登録者 137人 総再生 5万回未満
Before:メール中心・新規接点が乏しい After:EC売上40倍・お客様から電話が増加

塗料・建築資材・フローリングを販売する株式会社伊勢通(昭和34年設立)は、2020年3月(コロナ禍直前)から、社長・息子・酒井の3名による対談動画を月2〜3本のペースで発信。商品や施工の知識を自分たちの言葉で伝え続けた結果、ECの売上が40倍になりました。「お客様が動画で声と顔を知っているので、メールが電話に変わった。それが一番うれしい反応」と社長は語ります。表面上の数字ではなく、情報の質で勝負した動画経営を象徴する事例です。

▶ 売上40倍の事例の詳細を読む
製造業 / 東京(株式会社エムティーシー)

自社製品のコンテンツSEOで、問い合わせが6.5倍(月3件→20件)

問い合わせ 6.5倍 月3件 → 20件 大手から直接受注
Before:問い合わせ 月3件 After:問い合わせ 月20件・大手から直接受注

自社開発製品を持つ株式会社エムティーシー(東京)は、東京都中小企業振興公社のハンズオン支援のもと、製品を「機能・ニーズ視点のキーワード」で発信するコンテンツSEOへ転換。ブログと動画での情報発信を継続した結果、月間の問い合わせが3件から20件へと約6.5倍に増え、大手企業からの直接受注も生まれました。専門的な製品ほど、検索する人の言葉に合わせて動画・記事を用意することが効くという好例です。

▶ 東京都中小企業振興公社 掲載事例を見る

このほか、運送会社が求人広告費ゼロで年間20人を採用、沖縄のマンゴー農家が売上3.5倍・予約販売で完売するなど、業種を問わず動画活用の成果が出ています。製造業に限らず「ファンをつくる」という本質は同じです。さらに多くの事例はYouTube活用事例まとめでご覧いただけます。

Video Ideas

製造業が撮るべき動画ネタ10選

「何を撮ればいいか分からない」が、製造業がつまずく最初の壁です。難しく考える必要はありません。自社にとっては当たり前の現場こそ、見込み客や求職者にとっては貴重な情報です。まずは次の10個から始めてみてください。

#動画ネタねらい・内容集客採用
01加工工程・製造プロセス素材が製品に変わるまでを見せる。タイムラプスも効果的。
02技術・原理の解説自社の得意な加工法や技術を、図解と実演でわかりやすく。
03設備・機械の紹介保有設備や対応サイズを見せ、「この会社ならできる」を伝える。
04検査・品質管理の様子品質へのこだわりは、言葉より検査風景のほうが伝わる。
05よくある質問への回答見積もり・納期・小ロット対応など、問い合わせ前の不安に答える。
06開発・試作の裏側難しい依頼にどう応えたか。技術力と対応力が同時に伝わる。
07職人・技術者のインタビュー人の言葉で語ることで、信頼と人柄が伝わる。
08会社・工場の紹介規模・清潔さ・安全への取り組みを見せ、安心感をつくる。
09納入・活用事例どんな業界の何に使われているかを示し、用途の想像を広げる。
10採用向け・1日密着仕事の実態や先輩の声を見せ、ミスマッチの少ない応募を集める。

ポイントは「動画だから面白いことを」と考えないこと。視聴者の多くは困りごとを解決するために検索している人です。会議で「動画だから」という言葉が出たら要注意——本質からずれ始めたサインだと酒井は言います。

How to Start

始め方3ステップと費用の目安

STEP 1

目的とターゲットを決める(誰に・何を)

「新規取引先からの問い合わせを増やす」「若手を年◯人採用する」など、経営の数字で目標を設定。まず「誰に届けたいか」を決めます。ここが動画経営で最も重要な工程です。

STEP 2

発信を「仕組み化」する

撮影・編集に時間をかけすぎず、本業に支障が出ない範囲で続けられる型をつくります。公式ホームページの情報を動画化し、YouTubeを「公式動画ホームページ」として運用するのが基本です。

STEP 3

経営の数字で改善する

再生数に一喜一憂せず、問い合わせ・受注・応募といった経営指標で振り返ります。反応のあったテーマを増やし、社内で作り続けられる「内製化」を目指します。

展示会・紙カタログとの違い

比較項目展示会紙カタログ・HP(文字)YouTube動画
接点の持続性会期中のみ更新しないと古びる✦ 24時間・資産として蓄積
技術・工程の伝達力実演できるが範囲が限定写真と文字で限界✦ 音・動き・空気まで伝わる
コスト構造出展ごとに高コスト制作費がかかる✦ 自社運用ならランニング低
商圏来場者・地域に依存検索流入に依存✦ 検索・おすすめで全国へ

これは「YouTubeの数字」ではなく「売上・利益」を狙うコンサルです

📌 ここが違いますユーチューブビジネスサポートは、再生回数やチャンネル登録者数を増やすことを目的にしていません。狙うのは問い合わせ・受注・売上という経営成果。YouTubeチャンネルを「公式ホームページの動画版」として育て、24時間働く営業資産に変えるのが私たちの「動画経営」です。
特徴1
再生回数・チャンネル登録数は必要なし
エンタメで再生数を稼ぐ運用とは目的が違います。追うのは問い合わせ・受注・売上。月100回再生でも1件成約すれば十分な費用対効果です。実際、建材商社は登録137人でEC売上40倍になりました。
特徴2
YouTubeチャンネルは「公式HPの動画化」
バズや演出を狙うのではなく、自社の技術・設備・人・実績を正しく伝える「公式動画ホームページ」をつくります。検討期間の長いBtoBで、見込み客が何度も見返す資産になります。
特徴3
6ヶ月で内製化、ノウハウは自社に残る
投稿代行を続ける運用代行と違い、6ヶ月で社員が自走できる体制づくりが最終ゴール。支援後も動画とノウハウが資産として残ります。すべてITコーディネータ資格を持つ代表が担当します。

つまり提供するのは「YouTube上の数字を伸ばすサービス」ではなく、動画で御社の売上・利益・採用を伸ばす経営コンサルティングです。

費用の目安

ユーチューブビジネスサポートでは、目的に応じて2つのプランを用意しています。これから始める会社には、最初のチャンネルと動画の型づくりを支援するチャンネル作成プラン(22万円/月×3ヶ月=計66万円)。発信を社内の資産として定着させたい会社には、6ヶ月で社員が自走できる体制を構築する内製化コンサル(33万円/月×6ヶ月=計198万円)。どちらが自社に合うかは、後述の無料診断でご相談いただけます。プランの全体像はコンサルプラン一覧もご覧ください。

FAQ

よくある質問

QBtoBの製造業でも、本当に問い合わせは増えますか?
増えます。検討期間が長いBtoBほど、見込み客が動画を何度も見返し、社内の検討資料としても使えるため商談を後押しします。実際に製造業で問い合わせが月3件から20件(約6.5倍)に増えた例や、建材商社でEC売上が40倍になった例があります。営業に動画を使う企業の約4割が受注率1.5倍以上を実感したという調査もあります。
Q専門的すぎて、動画では伝わらないのでは?
むしろ専門的で説明が必要な商材ほど、動画の効果は大きく出ます。図面や仕様書では伝わらない加工の精度、検査の様子、技術者のこだわりが、映像と音声でそのまま伝わるからです。大切なのは画質や編集ではなく「情報の質(わかりやすさ・伝わりやすさ)」。スマートフォンで撮影したありのままの動画のほうが、信頼を得やすい場面も多くあります。
Q何本くらい必要ですか?登録者は増やすべき?
本数や登録者数を目標にする必要はありません。建材商社・伊勢通はチャンネル登録137人・総再生5万回未満でもEC売上が40倍になりました。企業が見るべきは再生数ではなく、問い合わせ・受注・採用といった経営の数字です。まずは自社の現場をテーマに継続して発信し、反応のあったテーマを増やしていくのが現実的です。
Q社内に動画担当がいなくてもできますか?
できます。動画はスマートフォン1つで作れるようになり、撮影・編集に時間をかけすぎない型をつくれば、本業と両立しながら続けられます。何から始めるか分からない場合は、立ち上げを支援するチャンネル作成プランや、6ヶ月で社員が自走できる体制をつくる内製化コンサルを利用し、最終的に社内で作り続けられる状態を目指すこともできます。
Q工場内部を公開して、技術流出のリスクはありませんか?
見せる範囲を設計すればリスクは抑えられます。公開するのは「対応力・品質へのこだわり・現場の雰囲気」が伝わる範囲で、独自の加工条件や図面、歩留まりの数値といったノウハウの核心まで見せる必要はありません。何を見せ、何を見せないかをあらかじめ決めて発信すれば、流出を避けつつ「ここなら任せられる」という信頼だけを伝えられます。むしろ工程や検査の様子を適切に見せることが、価格競争から抜け出す差別化になります。
Q製造業のYouTube活用にかかる費用はどのくらいですか?
スマートフォンで自社運用すれば、ランニングコストは低く抑えられます。専門家に依頼する場合、立ち上げを支援するチャンネル作成プランは22万円/月×3ヶ月(計66万円)、6ヶ月で社員が自走できる体制をつくる内製化コンサルは33万円/月×6ヶ月(計198万円)が目安です。広告のように出し続ける費用ではなく、動画とノウハウが資産として社内に残るのが特徴です。どちらが自社に合うかは60分の無料診断で相談できます。
Qどのくらいの更新頻度・本数が必要ですか?
本数や頻度を競う必要はありません。建材商社・伊勢通は月2〜3本の発信で売上40倍の成果を出しました。大切なのは頻度よりも継続と「情報の質」です。まずは無理なく続けられるペース(たとえば月2〜4本)で始め、問い合わせや反応のあったテーマを増やしていくのが現実的です。
Author

執筆・監修者について

酒井大輔 ユーチューブビジネスサポート代表

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ(経済産業省推進資格)。2008年より企業向けYouTube活用を開始し、100チャンネル以上を支援、YouTube動画を2000本以上公開。建材商社のEC売上40倍、運送業の年間20人採用、製造業の問い合わせ6.5倍など、集客・採用・売上の成果を多数創出。2024年から「動画経営」を提唱し、著書2冊。公益財団法人東京都中小企業振興公社の専門家(No.1738)。

著書

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まとめ|製造業の「見えない価値」を、動画で見える化する

製造業がYouTubeで成果を出せるのは、技術・工程・品質という「動画でしか伝わらない情報」を持っているからです。検討期間の長いBtoBでは、動画は24時間働く営業マンとして商談を後押しし、登録者が少なくても受注や採用につながります。

大切なのは、画質や本数ではなく「情報の質」と、再生数ではなく経営の数字で測ること。自社の当たり前の現場こそ、見込み客と求職者にとって価値ある情報です。まずは撮りやすい1本から、始めてみてください。

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