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AI検索対策は意味ないのか|世界が賭けた2,850億円と、中小企業5社のアクセスデータ

海外5社の一次情報を実確認(2026年8月8日)自社+支援先4社のGA4実データ自社ブログ1,170本超を運用

著者:酒井大輔(ITコーディネータ) | 公開日:2026年8月9日 | 読了目安:約12分

この記事の要点「AI検索対策は意味ないのでは」「流行りで終わるのでは」——そう思っている中小企業の社長に向けて書いています。感想ではなくお金の動きと、当社と支援先4社の実際のアクセスデータでお答えします。ツールを売る記事ではありません。先に結論です。意味がないのは、AI向けの小細工と、月額ツールへの課金です。意味があるのは、自社の情報を整えること。この2つは別物です。そして情報を整えるほうには、お金がかかりません。
📌 30秒まとめ海外では「AIが自社をどう紹介しているかを測る道具」に、この8か月で5件の大型投資が集中しました。最大はAdobeによるSemrush買収で約2,850億円です。ただし彼らの顧客は大企業で、中小企業は同じことを今日、無料で3分でできます。
  • 金額で見る。Adobeが約19億ドル(約2,850億円)でSemrushを買収。理由は生成AI対応と公式に明言しています。
  • 日本にも来ている。当社と支援先4社のGA4を見ると、AI経由の流入は2024年後半はほぼ0、2026年には5サイト同時に増えています。
  • ツールは要りません。ただし対策そのものが無意味なわけではありません。彼らが月額で買っているのは「AIが自社をどう紹介しているかを見ること」。AIに自社名を聞けば0円で確認でき、直すのは自社のページです。
酒井大輔 ITコーディネータ ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ。愛知県で中小企業のWebマーケティング・動画活用・SEOを支援。2021年から自社ブログを継続運用し、公開記事は1,170本以上(2026年6月時点)。著書2冊。代表プロフィール

著書『ビジネスユーチューブで売れ!』の表紙。酒井大輔 著、2021年6月発売
『ビジネスユーチューブで売れ!』(2021年6月)
著書『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』の表紙。酒井大輔 著、セルバ出版、2026年1月発売
『経営戦略は動画が最強!』(セルバ出版・2026年1月)

創業18か月で、企業価値1,500億円になった会社があります

📌 このセクションの要点米Profound社は「AIが自社をどう紹介しているかを調べて直す」会社です。2024年の創業から約18か月で企業価値10億ドル(約1,500億円)に達しました。出資しているのは、GoogleやAppleに最初期から出資してきた投資会社です。

「AI検索対策なんて、流行りで終わるのでは」——よく言われます。私も最初はそう思っていました。ですので、感想ではなくお金の動きで確かめます。

まず1社目。米国のProfound(プロファウンド)という会社です。やっていることは、ひとことで言えば「ChatGPTなどのAIが、その会社をどう紹介しているかを調べて、直す」ことです。

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項目内容
創業2024年(米国)
ユニコーン到達
(評価額10億ドル超の未上場企業)
創業から約18か月
直近の資金調達9,600万ドル(約144億円)/2026年2月
評価額
(2026年2月の資金調達時)
10億ドル(約1,500億円)
累計の調達額1億5,500万ドル(約233億円)
主な出資者Lightspeed Venture Partners(主導)、Sequoia CapitalKleiner Perkins ほか
顧客大企業700社超。うちFortune 500の1割(※Fortune誌の取材による)
顧客名Target、Walmart、US Bank(いずれも米国の大手企業)ほか
社員数120人未満(※同上)

出典:Profound公式発表Fortune(2026年2月24日)。顧客数・社員数はFortune誌の取材によるもので、同社の公式発表には記載がありません。

ここで注目していただきたいのは、金額ではなく出資者の名前です。Sequoia CapitalとKleiner Perkinsは、GoogleやAmazon、Appleに最初期から出資してきた会社です。「新しい入口ができる」と読んだとき、必ずこの2社が出てきます。その2社が、そろってここに張っている——これが1つ目の事実です。

※ 円換算は分かりやすさのため1ドル=150円で概算しています。2026年8月7日時点の実勢レートは約157〜158円で、実際の金額はこれより大きくなります。為替により変動します。

1社だけの話なら偶然です。でも1社ではありません

📌 このセクションの要点「AIが自社をどう紹介しているかを調べて直す」——Profoundと同じことをやっている会社が、他にも4社あります(Peec AI/Bluefish AI/Promptwatch/Semrush)。この5社に、2025年11月から2026年7月までの約8か月で5件の大型の投資・買収が集中しました。1社の話ではなく、カテゴリが立っているということです。

1社だけなら偶然です。ですので、同じことをやっている他の会社も調べました。

先に整理しておきます。これから出てくる5社は、名前は違いますが、やっていることはほぼ同じです。ひとことで言えば「ChatGPTなどのAIが、その会社をどう紹介しているかを調べて、直すための会社」です。日本でLLMO・GEOと呼ばれている分野の会社、と考えていただければ間違いありません。

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会社何をしている会社かこれまでに集めたお金
Profound
(プロファウンド)
米国AIが自社をどう紹介しているかを調べ、直すためのサービス。この分野の代表格で、顧客はTarget・Walmartなど。累計 約233億円
Peec AI
(ピーク エーアイ)
ドイツ同じくAIの回答に自社がどう出ているかを可視化。欧州で急成長し、顧客は1,300社超。累計 約43.5億円
Bluefish AI
(ブルーフィッシュ)
米国同じ分野で大企業向け。顧客にAdidas・American Express・LVMHなど。累計 約102億円
Promptwatch
(プロンプトウォッチ)
オランダAIの回答を継続的に監視し、自社の出方を追跡するサービス。2025年創業。600万ユーロ
Semrush
(セムラッシュ)
米国SEOツールの世界最大手クラスの上場企業。ここ数年はAI検索での見え方の分析にも力を入れていました。2026年4月にAdobeが買収。約2,850億円で
Adobeが買収

図1:この記事に出てくる5社。全部「AIが自社をどう紹介しているか」を扱う会社です。出典:各社公式サイト・公式発表(2026年8月8日確認)。

図2:AI検索対策の分野に集まったお金(2026年8月時点)

Adobe→Semrush 約2,850億円 Profound(米) 約233億円 Bluefish(米) 約102億円 Peec AI(独) 約43.5億円 ※ 1ドル=150円で概算。Adobeは買収額、他3社は創業からの累計調達額(数字は図1と同じ)。
いずれも「AIが自社をどう紹介しているか」を扱う会社です(詳しくは図1)。Adobeの買収額が突出していて、スタートアップだけが騒いでいる話ではないことが分かります。

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時期できごと金額
2025年11月18日Peec AI(独・AIの回答に自社がどう出ているかを可視化)が資金調達2,100万ドル(約32億円)
2025年11月19日Adobeが、SEOツール最大手 Semrush の買収を発表約19億ドル(約2,850億円)
2026年2月24日Profound(米・AIが自社をどう紹介しているかを調べて直す)が資金調達。企業価値10億ドルに9,600万ドル(約144億円)
2026年4月14日Bluefish AI(米・大企業向けにAI上での見え方を管理)が資金調達4,300万ドル(約64.5億円)
2026年4月28日Adobeが、Semrush の買収を完了(支払い済み)同上
2026年7月14日Promptwatch(蘭・AIの回答を継続的に監視)が資金調達600万ユーロ

図3:約8か月で5件。※Adobeの案件は「発表」と「完了」を分けて記載しているため、行は6つですが案件としては1件です。出典:各社公式発表/TechCrunchPR NewswirePromptwatch公式。※Promptwatchの1件のみユーロ建てのため、円換算していません。

Peec AIはドイツ・ベルリンの会社で、2025年2月の公開から10か月で年間換算の売上が400万ドル(約6億円)(2025年11月時点)、顧客は1,300社を超え、月に300社ペースで増えていると発表しています。その後さらに倍増したとも報じられていますが、こちらは関係者情報にもとづく報道なので、断定は避けます。

Bluefish AIはニューヨークの会社で、顧客にAdidas、American Express、LVMH、Ulta Beautyが並びます。「一部のIT企業が試している」段階ではありません。

決定打は、スタートアップではありませんでした

📌 このセクションの要点Adobeが、SEOツールの世界最大手クラスであるSemrushを約19億ドル(約2,850億円)の全額現金で買収しました。理由としてAdobeが公式に挙げているのが生成AI対応です。しかも発表だけでなく、2026年4月28日に支払いを完了しています。

ここまではスタートアップの話です。「新しい会社が騒いでいるだけでは」と思われるかもしれません。私が決定打だと思ったのは、次の1件でした。

Adobeが、Semrushを約2,850億円で買いました

Semrushは、世界中のWeb担当者が使っているSEOツールの最大手クラスで、米国の上場企業でした。それを、Adobeが全額現金・総額約19億ドル(約2,850億円)で買収しています。

そして重要なのは、買収の理由をAdobe自身が公式に書いていることです。

「ブランドの見つけられ方は、生成AIによって作り変えられています。この新しい機会を受け入れない企業は、存在感と売上を失うリスクがあります。
——アニル・チャクラバーシー氏(Adobe デジタルエクスペリエンス事業プレジデント・当時/2025年11月19日の発表資料より)

この発言は、割り引いて読んでください

これはSemrushを2,850億円で買った側の言葉です。買った本人が「重要だ」と言うのは当然で、証拠としての価値は割り引く必要があります。
それでも、実際に2,850億円を払ったという行動のほうは残ります。私が見ているのは、言葉ではなくそちらです。

そして2026年4月28日、Adobeはこの買収を完了しました。発表から約5か月、金額は実際に支払われています。

出典:Adobe公式ニュースリリース(2025年11月19日)同(2026年4月28日・買収完了)。※日本語は当社による要約訳です。

「言った」だけではなく、2,850億円を実際に払い終えている。——これが、私が「流行りでは終わらない」と考えている最大の理由です。

SEO・GEO・LLMO・AEO・AIO——呼び方は5つ、やることは1つです

📌 このセクションの要点GEO・LLMO・AEO・AIO——呼び方はいくつもありますが、実務でやることはほぼ同じです。違いを覚える必要はありません。土台はすべて「良質なSEO」で共通で、Adobe自身も「SEOに加えてGEO」という言い方をしており、SEOを置き換えるとは言っていません

この分野は言葉が多くて分かりにくいので、先に整理しておきます。よく「GEOとLLMOとAIOは何が違うのか」と聞かれますが、先に答えを言います。——実務ではほぼ同じです。違いを覚える必要はありません。

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呼び方正式名誰に向けた対策かざっくり言うと
SEO検索エンジン最適化Googleなどの検索エンジン土台。検索結果で見つけてもらうための取り組み。
GEO生成エンジン最適化ChatGPTなど、答えを作るAIAIの回答の中で、自社が正しく引用されるようにすること。
LLMO大規模言語モデル最適化同上GEOとほぼ同じ意味。日本ではこちらの呼び方が多いです。
AEO回答エンジン最適化音声検索やAIの「一問一答」質問にズバリ答える形で、情報を置いておくこと。
AIOAI最適化AI全般GEO・LLMO・AEOをまとめた総称。「AIO対策」は、ほぼ「AI検索対策」と同じ意味で使われます。

図4:呼び方の整理。出典:Adobe公式ニュースリリース(2025年11月19日)ほか。Adobeは「SEO、GEO、そしてASO(AIが代わりに調べて動くときの最適化)のためのソリューション」という書き方をしており、SEOを置き換えるとは言っていません。※「ASO」という6つ目の呼び方もありますが、一般には App Store Optimization(アプリストア最適化)を指すことが多く、まだ定着していません。

覚えていただきたいのは1点だけです。呼び方が5つあっても、やることの土台は変わりません。「そのページだけを見て、何が書いてあるか分かる文章を、きちんと置いておく」——これに尽きます。専用のファイルやタグを追加する必要はありません。
「GEOとAIOのどちらをやるべきか」で悩む必要もありません。どちらも同じことを指しています。

では、彼らは何を売っているのか

📌 このセクションの要点彼らが売っているのは小細工ではなく、「AIが自社をどう紹介しているかを測る道具」です。AIが根拠に挙げる情報源は入れ替わりが激しく、1か月で4〜6割が入れ替わっていました。だから大企業は「測り続ける」ことにお金を払っています。

ここが誤解されやすいところです。彼らは「AIを騙して上位に出す裏ワザ」を売っているのではありません。売っているのは、次の3つを見えるようにする道具です。

引用されたか

ChatGPTなどが答えを作るとき、自社のページが根拠に使われたかどうか。

どう紹介されたか

業種・強み・実績が正しく伝わっているか。間違って紹介されていないか。

競合と比べてどうか

同じ質問をしたとき、競合が出て自社が出ていないことはないか。

図5:AI検索対策ツールが「測っている」3つのこと。

なぜ「測り続ける」必要があるのか

Profound社は、AIが答えの根拠に挙げる情報源がどれくらい入れ替わるかを調べています。報道では「最大9割が入れ替わる」と紹介されました(Fortune・2026年2月24日)。

ただ、同社が公表している元のデータを見ると、そこまで極端ではありません。1か月では4〜6割、半年で7〜9割でした。「最大9割」は半年で見たときの数字です。

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AIサービス1か月で入れ替わった情報源の割合
Google AI Overviews59.3%
ChatGPT54.1%
Copilot53.4%
Perplexity40.5%

出典:Profound「AI Search Volatility」(2025年7月17日公表)。約8万件の質問を対象にした調査。半年(2025年1月→7月)で比較すると70〜90%になります。

なお、この調査が公表されたのは2025年7月です。それでも、1か月で半分近くが入れ替わっています。「一度対策したら終わり」にならない。だから大企業は、月額を払って測り続けているわけです。

それは日本の中小企業に来ているのか。自社と支援先4社で確かめました

📌 このセクションの要点海外の話で終わらせないために、当社と支援先4社、合計5サイトのGA4(アクセス解析)を見ました。AI経由の流入は2024年後半はほぼ0、2025年に立ち上がり、2026年には5サイト同時に増えています。1社の偶然ではありませんでした。

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。海外で2,850億円が動いているとして、それは愛知の中小企業に関係があるのか。私はそこが知りたかったので、自分の手元のデータで確かめました。

見たのは、当社のサイトと、支援先4社のサイトのGA4(アクセス解析)です。「ChatGPTやPerplexityなどのAIサービスから、実際にサイトに来た人が何人いるか」の月ごとの推移です。

図6:AI経由でサイトに来た人の推移(自社+支援先4社/GA4)

ytbs.jpのGA4画面。AI経由の月別の訪問数は2024年後半ほぼ0、2025年から増加し、ChatGPT経由が最大24回、Perplexity経由が最大17回に達している折れ線グラフ
当社(ytbs.jp)。Perplexity経由が多いのが当社の特徴です。
支援先AのGA4画面。AI経由の月別の訪問数は2024年後半ほぼ0、2025年から立ち上がり、直近は月0〜20回で推移する折れ線グラフ
支援先A(業種は伏せています)。
支援先BのGA4画面。2026年5月にChatGPT経由が月104回の訪問に達している折れ線グラフ
支援先B。2026年5月にChatGPT経由が月104回の訪問
支援先CのGA4画面。AI経由の月別の訪問数は2024年後半ほぼ0、2025年から立ち上がり、直近は月0〜20回で推移する折れ線グラフ
支援先C。
支援先DのGA4画面。AI経由の月別の訪問数は2024年後半ほぼ0、2025年から立ち上がり、直近は月0〜20回で推移する折れ線グラフ
支援先D。
5サイトとも「2024年後半はほぼ0 → 2025年に立ち上がり → 2026年に増加」という同じ形です。(2026年8月1日時点のGA4)

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サイトAI経由が立ち上がった時期いちばん多かった月の訪問数全訪問に占める割合
当社(ytbs.jp)2025年前半ChatGPT経由 最大24回/Perplexity経由 最大17回未計測
支援先A2025年月0〜20回未計測
支援先B2025年ChatGPT経由 月104回(2026年5月)未計測
支援先C2025年月0〜20回未計測
支援先D2025年月0〜20回未計測

出典:各サイトのGA4(2026年8月1日時点)。5サイトとも「2024年後半はほぼ0」からの立ち上がりです。

出せていない数字も、正直に書きます

全体の訪問のうち、AI経由が何%か」——これがいちばん役に立つ数字ですが、当社はまだ出せていません。割合まで出せれば、社長が自社と比べる判断線になります。次に測って、この記事に追記します。

大事なのは、金額の大きさではなく「5サイトが同時に同じ形になっている」ことです。1社だけなら、たまたまです。5サイトが同じ動きをしているということは、面で起きているということになります。

盛らずに書いておきます

  • 多くのサイトは月0〜20回の訪問です。「増えた」とは言えますが、「主要な流入源になった」とはまだ言えません。
  • この数字は実態より少なく出ます。参照元を送らないAIサービスやアプリ内ブラウザからの訪問は数えられていません。つまり実際はこれより多いはずです。
  • 厳密には「サイトに来た」までのデータです。「依頼先を決める前にAIに聞いた」ことの証明ではありません。
  • 支援先の業種は伏せています。

それでも、2024年後半にはほぼ0だったものが、いま確実に増えている。これは推測ではなく、私の手元で毎月見ている実データです。

なぜ、中小企業はAI検索対策ツールを買わなくていいのか

📌 このセクションの要点理由は3つです。①彼らの顧客は大企業 ②社員120人未満で700社をさばける=本来そんなに人手が要らない仕事 ③同じことは今日、無料で3分でできる。実際にやった画面もお見せします。

ここまで読むと「では、うちも月額を払ってツールを入れるべきか」と思われるかもしれません。その必要はありません。理由は3つです。

① 相手が違います

顧客はTarget、Walmart、LVMHなど。数千の商品と数十か国を同時に見る道具です。土俵が違います。

② 見ている量が違います

彼らは数万件の質問を、何十か国分も自動で回し続けています。あなたが知りたいのは自社名1つ。同じ道具は要りません。

③ 今日、0円でできます

「AIが自社をどう紹介しているか」を見るだけなら、AIに自社名を聞けば済みます。3分です。

図7:ツールが不要な3つの理由。

今日3分でできる、確認の手順

  1. ChatGPT・Gemini・Perplexityを開きます。無料のもので構いません。
  2. 「株式会社〇〇について教えてください」と聞きます。自社の正式名称で聞いてください。
  3. 返ってきた画面を保存します。スクリーンショットで十分です。日付を入れておいてください。
  4. 間違っているところに印をつけます。創業年、事業内容、所在地、実績——ここが実際によく間違っています。
  5. 間違いの元になっている自社ページを直します。会社概要ページが無ければ、まず作ってください。最低限、次の6つをそのページの中に文字で書いておきます。
    ①正式な会社名(略称も併記)/②創業年・設立年/③所在地/④事業内容を1〜2行で/⑤対応エリア/⑥実績を1つ、数字つきで
    ※ 画像の中の文字はAIに読まれません。必ず文字で書いてください。

図8:ここまでが「確認」です。3分で終わるのは確認までで、直す作業はこのあとになります。

実際にやってみると、こうなります

当社でも同じことをやりました。2026年8月1〜2日に、3つのAIに支援先の情報について聞いたときの画面です。

図9:同じ内容を3つのAIに聞いたときの回答(2026年8月1〜2日時点)

ChatGPTの回答画面。支援先の業種を建材商社と答え、社名は非公開としている
ChatGPT:業種は「建材商社」、社名は非公開と回答。
Geminiの回答画面。支援先の業種を建材メーカー(商社)と答えており、正しくは建材商社
Gemini:「建材メーカー(商社)」。正しくは建材商社です。
Perplexityの回答画面。支援先である株式会社伊勢通と株式会社エムティーシーを実名で挙げて回答している
Perplexity:支援先を実名で回答。
同じことを聞いても、AIによって答えが違います。「どれが正しいか」ではなく「自社の情報がどう伝わっているか」を見るための作業です。

※ ここに出てくる企業名は、公開の許可をいただいている支援先です。第6章のアクセスデータのほうは、社名も業種も伏せています。

3社とも答えが違いました。これが分かるだけで十分です。あとは、間違っている元になっている自社のページを直すだけ。月額は1円もかかりません。

「自社でやってみたが、何を直せばいいか分からない」という方へ

当社は、支援先に対しても「代わりにやります」ではなく使い方をお渡しして、線引きを一緒に決める形で伴走しています。実装と判断はお客様ご自身です。まずはサービス内容だけご覧ください。

自社の何を直すか、一緒に決める(支援内容)→

数字で見ると、日本はどこにいるのか

📌 このセクションの要点日本企業は、生成AIを「使う方針」までは進みました(68.9%)。ただし社内のデータをAIに学習させる・データベース化するところまで進んでいるのは24.5%で、米国の57.2%と大きな差があります。AIに読ませる準備そのものが、まだこれからという段階です。

ここまで海外の話をしてきました。では、日本はどうなのか。公的な調査で確かめます。

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調べたこと日本米国出典
生成AIを活用する方針がある68.9%
(前年49.7%)
82.8%総務省『令和8年版 情報通信白書』
社内データをAIに学習させる・データベース化している24.5%57.2%同上

出典:総務省『令和8年版 情報通信白書』概要(2026年7月24日公表)。調査は2026年1〜2月、日本 n=515・米国 n=309。

方針は決めた。けれどAIに読ませるためのデータ整備は、まだ4社に1社——ここが日本の現在地です。

この数字の読み方に注意してください

この調査項目は社内データの話で、「自社サイトの情報が生成AIに正しく読まれているか」を直接測ったものではありません。別の指標です。
それでも「AIに読ませるためにデータを整える」という点では地続きで、日本はそこが米国の半分以下、という事実は押さえておく価値があります。

中小企業に絞ると、さらにこうなります

生成AIの活用率

32.4%
中小企業(全体は34.5%)

AIの導入率

20.4%
全社的+一部業務の合計

「使いどころが分からない」

40.0%
活用すべき業務範囲が分からない

出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」(有効回答10,312社)/中小機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(有効回答1,647社・2026年3月公表)。

中小機構の調査では、情報が足りていないと答えられた項目のうち、最も多かったのが「成功事例や活用事例」で83.3%でした。つまり——やる気がないのではなく、事例が見えていないということです。

だからこそ、この記事では当社の手元のデータを、都合の悪い部分も含めて出しています(第6章)。

お金の動きから、経営者が読み取るべきこと

📌 このセクションの要点世界が賭けているのは「AIが入口になる」という事実のほうであって、ツールのほうではありません。そして海外勢は大企業向けに集中しています。日本の中小企業向けは、まだ誰も取っていません。

ここまでの金額を、私はこう読んでいます。

✕ こう読むと間違えます

「みんなツールを買っているから、うちも買わないと」

——彼らの顧客は数千の商品を持つ大企業です。同じ道具は要りません。

◯ こう読むのが正しい

お客様の入口が変わるほうに、世界は賭けている

——だから今のうちに、自社の情報を、そのページだけで分かる形に整えておく。

図10:同じ金額を、どう読むか。

もう1つ、経営者として見ておくべき点があります。ここまで出てきた会社は、すべて大企業向けです。Target、Walmart、LVMH、Adidas——顧客名を見れば分かります。

日本の中小企業向けは、相場も競合も、まだ形成期です。ということは、先に整えた会社が、先に「選ばれる側」に回ります。しかも整えること自体には、お金がかかりません。

正直に書きます。当社もまだ取れていません

📌 このセクションの要点当社はAI・LLMO関連の記事を22本公開していますが、直近28日間の検索からのクリックは合計24回です。検索順位ではまだ結果が出ていません。だから私は、順位ではなくAIの回答のほうを見るようにしています。

ここまで偉そうに書いてきましたので、自分の数字も出します。

当社サイトには、AI・生成AI・LLMOに関する記事が22本あります。Google Search Consoleで、直近28日間(2026年7月10日〜8月6日)の実績を見ると、こうでした。

22
AI・LLMO関連の公開ページ数
24
28日間の検索からのクリック合計
0.7%
サイト全体のクリックに占める割合

出典:当社のGoogle Search Console(2026年7月10日〜8月6日・ウェブ検索)。サイト全体は3,334クリック/314,924表示。

ytbs.jpのGoogle Search Console画面。16か月間で合計341万表示を記録している推移グラフ
参考:当社サイト全体では16か月で341万表示。それでもAI関連の記事だけは、まだ検索で結果が出ていません。

正直に言えば、検索順位という物差しでは、当社はこの分野でまだ負けています。1,170本を運用していても、新しい分野はそう簡単ではありません。

ただ、第6章でお見せしたとおり、AI経由でサイトに来る人は、当社でも支援先でも確実に増えています。だから私は、順位表よりも「AIが自社をどう紹介しているか」を毎月見るほうに切り替えました。この記事は、その途中経過の報告でもあります。

結果が変わったら、また正直に追記します。

よくある質問(FAQ)

FAQ中小企業の社長からよくいただく質問に、短くお答えします。
QAI検索対策は意味ないと聞きましたが、本当ですか?
半分は当たっています。AI向けの小細工や、月額のツールに課金することは、中小企業には意味がありません。一方で、自社の情報を「そのページだけを見て分かる形」に整えることには意味があります。この2つは別物です。
QAI検索対策とは何ですか?
ChatGPTなどのAIが答えを作るときに、自社の情報を正しく引用してもらうための取り組みです。裏ワザではなく、自社の情報を「そのページだけを見て分かる形」で整えることが中心になります。
QGEO(生成エンジン最適化)とは何ですか?
Generative Engine Optimizationの略で、生成AIの回答に正しく載るための最適化を指します。LLMOやAEOとほぼ同じ意味です。Adobeも「SEOに加えてGEO」という位置づけで説明しており、SEOを置き換えるものではありません。
QGEO・LLMO・AEO・AIOは、何が違うのですか?
実務ではほぼ同じです。GEOとLLMOはほぼ同義、AEOは「一問一答の形で答えられるようにすること」、AIOはそれらをまとめた総称として使われます。呼び方は違っても、やることは「自社の情報を、そのページだけで分かる形に整える」で共通です。違いを覚える必要はありません。
Q中小企業は何から始めればいいですか?
ChatGPTなどに自社名を聞いて、返ってきた画面を保存することからです。3分で終わります。間違っていた箇所を、自社の会社概要ページで直す。まずはここまでで十分です。
QAI検索対策のツールは必要ですか?
中小企業には必要ありません。海外の主要サービスは大企業向けで、数千の商品や複数の国を同時に測るためのものです。中小企業なら、担当者1名が手で確認すれば足ります。

まとめ

  • 「AI検索対策は意味ない」——半分は当たっています。意味がないのは、AI向けの小細工と、月額ツールへの課金です。意味があるのは、自社の情報を整えることです。この2つは別物です。
  • 世界が賭けているのは「AIが入口になる」という事実のほうです。ツールのほうではありません。Adobeは実際に約2,850億円を払い終えています。
  • その現象は日本にも来ています。当社と支援先4社のGA4で、5サイト同時にAI経由の流入が増えています。
  • それでも中小企業がやることは、今日3分・0円です。AIに自社名を聞いて、間違っていた箇所を自社のページで直す——ここから始めてください。
愛知・全国対応

AIに、自社を正しく紹介してもらうために

ツールを売る仕事はしていません。何を直すかを一緒に決めて、やり方をお渡しする——実装と判断はお客様ご自身です。愛知県を中心に、全国対応しています。

※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。

▶ 執筆者「YouTubeコンサルタント 酒井大輔」の詳しいプロフィールを見る