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テクニカルSEOは外注しないと無理?知らなかった会社がClaudeで1日でやり切った記録

株式会社伊勢通・田邊瑛二さん(実名・掲載許可済)図解・比較表つき2026年8月時点

著者:酒井大輔(ITコーディネータ) | 公開日:2026年8月7日 | 読了目安:約13分

この記事の要点記事はちゃんと書いている。なのに検索に出てこない。——その原因が、記事の中身ではなくサイトの「土台」にあることがあります。
この記事に出てくる株式会社伊勢通さま(創業1919年・建材商社)も、「テクニカルSEO」という言葉すら知りませんでした。私(酒井)が「そこもやったほうがいい」とお伝えしたところから始まり、結果としてサイト全体の技術対応を、社内でやり切りました。かかった時間は「実質1〜2日でまとめて実施」(田邊さん談)。個別に外注すれば見積・発注・納品で数週間かかる内容です。使ったのは生成AI(Claude)です。
コードが読めなくても最後まで読めるように書きました。できたことも、AIでもできなかったことも、一度サイトの表示を壊した失敗も、そのまま書きます。
📌 30秒まとめSEOには「何を書くか(コンテンツSEO)」と「正しく読んでもらえる状態にするか(テクニカルSEO)」の2つがあります。記事を書いているのに成果が出ない会社は、後者が手つかずなことが本当に多いです。
  • テクニカルSEOは、外注しないと無理な領域ではありません。「スイッチをOFFにすれば元に戻せる形」を選べば、専門知識がなくても社内で進められます。
  • この会社は、その存在すら知らない状態からのスタートでした。それでも生成AI(Claude)と組んで、サイト全体の技術対応を実質1〜2日で完了しています。
  • ただし、自分でやらないほうがいい範囲もあります。実際に「これはサーバーの担当者に頼むしかない」と判明した作業がありました。その線引きも書きます。
📋 この記事で実際にやったこと(3分ダイジェスト)解説を読む時間がない方へ。実際の作業と結果だけを先にまとめました。詳しくは各章へ。

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段階実際にやったこと詳しくは
事前準備そもそもプラグインを自社で入れられない設定だったため、制作会社に依頼して入れてもらった5章
実装①ページに「名札」をつける(構造化データ4種・リッチリザルトテストで有効8アイテム・エラー0件6章
実装②不要なページを隠す/迷子リンク105件を整理7章
実装③スマホの拡大制限を解除/クローラーから見えていなかった画像を修正8章
失敗保存すると表示が崩れる事故が発生 →過去から壊れていた9本を含む12本を修正し、再発しない構造へ9章
結果EC月商が前年同月比 約2.5倍・EC開設以来の最高額(※コンテンツSEOと並行した合算の結果)10章
限界httpsへの自動切り替えはWordPress側では不可能と判明 → サーバー担当者へ引き継ぎ11章

かかった時間は「実質1〜2日でまとめて実施」(田邊さん談)。個別に外注すれば見積・発注・納品で数週間かかる内容です。

酒井大輔 ITコーディネータ ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ。中小企業のWebマーケ・動画活用・SEOを支援。2021年から自社ブログを継続運用し公開記事は1,170本以上(2026年6月時点)。この記事の実例は、株式会社伊勢通さまが実際に行った作業を、ご本人の許可を得て掲載しています。代表プロフィール

酒井大輔の著書『ビジネスユーチューブで売れ!』(2021年6月発売)の書影 酒井大輔の著書『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』(セルバ出版・2026年1月発売)の書影

著書に『ビジネスユーチューブで売れ!』『経営戦略は動画が最強!』(書籍紹介ページ)。

1. 記事は書いている。なのに検索に出てこない

📌 このセクションの要点ブログを更新しているのに検索から人が来ない場合、原因は記事の質とは限りませんそもそも検索エンジンに正しく読まれていない——つまりサイトの土台側に原因があるケースが、実際にかなりあります。

「毎月ちゃんと記事を書いています。でも検索から問い合わせが来ません」

中小企業の方から、いちばんよくいただく相談です。そして多くの場合、次に返ってくる言葉は決まっています。「記事の書き方が悪いんでしょうか」。

もちろん中身の問題であることもあります。ただ、実際にサイトを拝見すると、そもそも検索エンジンがページを正しく読めていないケースが本当に多いのです。この場合、どれだけ良い記事を追加しても状況は変わりません。読まれていないものは、評価されようがないからです。

そして、この「読まれる状態を作る仕事」には名前がついています。テクニカルSEOです。

SEO=記事を書くこと、だと思っていませんか

SEOの情報は「良い記事を書きましょう」という話が圧倒的に多いので、SEO=記事制作だと思い込んでしまうのは自然なことです。私が支援した会社さまも、まさにその状態でした。
でも実際には、SEOは2つの別々の仕事でできています。次の章で、その違いをはっきりさせます。

2. そもそも、直すべきは「中身」か「土台」か

📌 このセクションの要点SEOはコンテンツSEO(何を書くか=中身)テクニカルSEO(正しく読んでもらう=土台)の2階建てです。家にたとえると、中身が家具や内装で、土台が基礎と配線・水道。土台が傾いていると、どんなに良い家具を置いても住めません。

図1:SEOは「土台」と「中身」の2階建て

検索で選ばれる 2階|コンテンツSEO = 何を書くか(中身) キーワード選び/記事の内容/読者の役に立つか/わかりやすさ 1階(土台)|テクニカルSEO = 正しく読んでもらう 検索エンジンが巡回できるか/何のページか伝わるか/スマホで見やすいか
2階だけ豪華にしても、1階の土台が傾いていれば家として評価されません。逆に土台だけ完璧でも、中身が空なら誰も来ません。

表で見る、2つの違い

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 コンテンツSEOテクニカルSEO
ひとことで言うと何を書くかちゃんと読んでもらえる状態にするか
やることキーワードを決める/記事を書く/内容を良くする/写真や図を入れる検索エンジンが巡回できるようにする/ページの中身を機械に伝える/不要なページを見せない/スマホ表示を直す
主に触る場所記事の本文サイトの設定・裏側の仕組み
やる頻度毎週・毎月(ずっと続く)基本は1回。直したら終わり
やらないとどうなる読まれない・問い合わせが来ないそもそも検索結果に出てこない
向いている人文章を書ける人設定をコツコツ確認できる人(コードが書ける必要はありません)

注目してほしいのは「やる頻度」の行です。コンテンツSEOは毎月ずっと続く仕事ですが、テクニカルSEOは基本的に一度直せば終わりです。つまり、いま止まっている原因が土台側にあるなら、一度の作業で状況が変わる可能性があるということです。

図2:検索エンジンがページを「見つけて・読んで・出す」までの流れ

① 見つける サイトの中を巡回して ページの一覧を作る ② 読んで理解する 何のページかを判断し 検索の候補に登録する ③ 検索結果に出す 検索した人に 見せるかどうか決める ここが止まると何も始まらない ここで誤解されると出ない ここで見やすさが効く テクニカルSEOは、この①〜③のどこかが詰まっているのを直す作業です
記事の中身がどれだけ良くても、①や②で詰まっていれば検索結果には出てきません。

テクニカルSEOでやることは、実は5つ

範囲が広そうに見えますが、中小企業のサイトで実際にやることは、次の5つに整理できます。

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やることかんたんに言うと専門用語だと難しさ
① 巡回できるようにするサイトの中を検索エンジンがぐるっと回れる状態にするクロール/サイトマップやさしい
② 何のページか伝える「これは記事」「これは商品で値段はこれ」と名札をつける構造化データ(JSON-LD)ふつう
③ 見せなくていいページを隠す中身が薄いページを検索結果に出さないようにするnoindexやさしい
④ 迷子リンクをなくす消したページに来た人を、生きているページへ案内する301リダイレクトふつう
⑤ スマホで見やすく・速く拡大できる、画像がちゃんと出る、待たされないCore Web Vitals/viewportふつう

この記事の後半で紹介するのは、実際に②③④⑤をやった記録です。どれもコードをゼロから書く必要はありませんでした。

3. 「うちには無理」と思う3つの理由

📌 このセクションの要点テクニカルSEOの存在を知っても、多くの会社が「うちには無理、外注するしかない」で止まります。理由はだいたい3つです。この記事は、その3つを1つずつ崩していく構成になっています。

1コードが書けない

「プログラミングの知識がないと無理でしょう」
6章以降で、コードを1行も書かずに実装した方法を紹介します。

2壊したら戻せない

「触ってサイトが壊れたら取り返しがつかない」
12章で、元に戻せる形だけを選ぶやり方を書きます。実際に壊した話も9章に。

3うちの環境は特殊

「解説どおりにやっても、うちでは動かない」
4章のとおり、この会社の環境はかなり特殊でした。それでもできました。

お金の話もしておきます。この記事で紹介する作業を外注した場合、内部SEO対策として一括おおむね10万〜100万円規模が目安です(構造化データ一式で10万円〜、GA4の設定代行で5万〜15万円など。各社の公開情報からの目安で、サイト規模により大きく変動します)。この内訳は 事例記事の相場の目安表 にまとめてあります。

もうひとつ、「そもそも何が問題なのか自分では分からない」という壁もあります。これが実は最大の障害でした。ここを越えられた理由が、次の章です。

4. この会社も、テクニカルSEOを知りませんでした

📌 このセクションの要点この会社は、テクニカルSEOという言葉自体をご存じない状態からのスタートでした。私が「そこもやったほうがいい」とお伝えして始まり、サイト全体の技術対応を実質1〜2日で完了されています(田邊さん談)。ただし、そこに至るまでには約1か月の停滞がありました。

スタート地点は、読者のみなさんと同じでした

進めてこられたのは、株式会社伊勢通(創業1919年・建材商社)の担当役員、田邊瑛二(たなべ えいじ)さんです。以下、田邊さんとお呼びします。
田邊さんが生成AI(Claude)を導入されたのは5月でした。ところが最初の約1か月は、ほとんど成果が出ませんでした。田邊さんの言葉です。「質問しても結局じぶんで手を動かす、正直めんどくさい」という状態です。生成AIの役割が「チャット相手」で止まっていたわけです。

転機は、「AIは自分の代わりに”実行”してくれる」と知った瞬間だったそうです。ここから使い方が一変しました。

① 権限を渡す

聞くだけでなく、実際に作業できる状態にする。

② 記憶を持たせる

毎回説明し直さずに済むよう、前提を覚えさせる

③ 仕組みに載せる

思いつきでなく、手順として回るようにする

この3つが、テクニカルSEOを社内でやり切れた理由そのものです。特に②の「記憶を持たせる」が効きました。「既存の公開ページを絶対に壊さない」という条件をAI側に覚えさせておくことで、毎回それを指示しなくても、常にその前提で動くようになるからです。

環境は、むしろ厳しいほうでした

「うまくいったのは、条件が良かったからでは?」と思われるかもしれません。逆でした。

テクニカルSEOの解説記事には、たとえばこう書いてあります。「.htaccess というファイルにこう書けばリダイレクトできます」。ところが、このサイトにはそのファイルが存在しませんでした。

かんたんに言うと.htaccess(エイチティーアクセス)は、サイトを置いているコンピューター(サーバー)に対する「指示書きのメモ」のようなものです。
ただしこのメモは、サーバーの種類によっては受け付けてもらえません。引っ越しのときに「玄関に転居先の張り紙を貼る」のが普通の方法だとして、そもそも張り紙を貼れない建物がある、というイメージです。今回のサイトは、まさにこの「張り紙を貼れない建物」でした。

こういう「うちでは使えない」が、最初から6つありました。実装の前に、それを全部書き出したのが次の表です。この棚卸しが、結果的にいちばん効きました。

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出てくる言葉これは何?(かんたんに)だから何が困る?
nginx(エンジンエックス)サイトを動かしているソフトの種類のひとつ解説記事でよく出てくる「.htaccess に書く」方法がそもそも使えない
SEOプラグイン未導入SEO設定を楽にする追加ソフトが入っていない「設定画面のチェックを入れるだけ」という説明が全部そのまま使えない
REST APIが遮断外部のツールからサイトを自動操作する通り道が、閉じられている便利な自動化ツールがほぼ使えない
カスタムテーマそのサイト専用に作られた見た目の仕組みうかつに触るとサイト全体の見た目が壊れる
セキュリティソフト3種不正アクセスを防ぐ追加ソフトが3つ入っている正しい操作まで止められることがある(11章で実際に起きます)
ステージング環境なし本番と同じ「練習用のコピーサイト」がないお客様が見ている本番サイトを直接いじるしかない

出典:株式会社伊勢通さまの実装報告(ご本人談・掲載許可済/2026年8月時点)。

あなたのサイトではどうなるか(読み替え表)

上の6つは「この会社の条件」です。あなたのサイトの条件が違えば、やり方も変わります。むしろ条件が緩ければ、もっと簡単に済みます。

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この会社の条件あなたのサイトがこうならやり方はこう変わる
nginx(.htaccess不可)Apacheで .htaccess が使える解説記事どおりの方法が使えます(ただし書き換え前に必ずバックアップを)
SEOプラグイン未導入AIOSEOやYoastなどが入っている設定画面のチェックだけで済むことが多い。スニペットを書く必要はありません
プラグインを追加できない自分で追加できる5章の事前準備が丸ごと不要。その日のうちに始められます
ステージング環境なし検証用のコピーサイトがあるまずそちらで試してください。12章の鉄則は必須ではなくなります
REST APIが遮断開いている外部ツールからの一括処理が使えるので、確認作業が大幅に楽になります

つまり、この記事は「いちばん条件が厳しかった場合の記録」です。あなたのサイトのほうが条件が良いなら、ここに書いたことはもっと短時間で終わります。

知識がない人ほど、この棚卸しを先にやる価値があります

知識がないうちは、うまくいかないときに「自分のやり方が下手だからだ」と思い込んでしまいます。でも実際は、環境的にそもそも不可能だった、ということが本当によくあります。
「うちの環境ではこれが使えない」を先に書き出しておくと、その勘違いで消耗しなくなります。生成AIに聞くときも、この表を最初に見せるだけで、返ってくる答えの精度がまるで変わります。

5. その前に:プラグインすら、自分で入れられませんでした

📌 このセクションの要点実は、実装に入る前にもうひとつ壁がありました。このサイトは、自社ではプラグインを追加できない設定になっていたのです。事前に制作会社へ連絡し、必要なプラグインを入れてもらうところから始まりました。最初の関門は、技術ではなく「権限」です。

ここまで読んで「よし、スニペット管理プラグインを入れてみよう」と思われたかもしれません。ところが、実際にはその一歩目で止まりました。

このサイトは、自社の管理画面からプラグインを追加できない設定になっていたのです。

珍しいことではありません。制作会社に構築を任せているサイトでは、事故を防ぐためにプラグインの追加権限をあえて開けていないことがよくあります。悪いことではなく、むしろ安全側に倒した正しい設定です。

そこで、事前に制作会社へ連絡し、必要なプラグインを入れてもらいました。ここだけは、どうしても自社だけでは進められない部分でした。

最初にやるべきは、実装ではなく「権限の確認」です

テクニカルSEOに取り組もうとする会社が最初につまずくのは、たいてい技術ではありません。「そもそも自分の権限で何ができるのか分かっていない」ことです。
やり方を調べる前に、まず管理画面を開いてプラグインを追加できるか/設定を変更できるかを確認してください。できないなら、その1点だけを制作会社に依頼すれば済みます。全部を外注する必要はありません。

逆に言えば、外注が必要だったのはこの事前準備だけでした。ここさえ通れば、あとは6章以降のとおり社内で進められます。

「うちも権限がない。ここで詰みかもしれない」と思った方へ

ここまでお読みいただいて、「自分のサイトで何ができるのか分からない」「制作会社に何をどう頼めばいいのか分からない」と感じた方もいると思います。
じつは、そこがいちばん多い詰まりどころです。私(酒井)が支援先でやっていることも、大半は「触っていい範囲の線引きを一緒に決める」ことと、生成AIの使い方をお渡しすることだけで、実際の作業は田邊さんご自身が進めています。
作業を丸ごと請け負う必要はないと思っています。最初の線引きだけ一緒に決めたい、という段階のご相談も歓迎です。無理におすすめすることはありません。

まず相談してみる(無料)

6. やったこと①:ページに「名札」をつける

📌 このセクションの要点ページに「これは記事です」「これは商品で、値段と在庫はこれです」という名札をつける作業です。SEOプラグインが無くても、スニペット管理プラグインという別の道具を使えば、サイトの見た目の仕組みを触らずに追加できました。コードは1行も書いていません。
かんたんに言うと構造化データとは、ページに貼る「機械向けの名札」です。
人間はページを見れば「これは商品ページだな」「3,000円か」と分かりますが、検索エンジンや生成AIには、そこまで確実には伝わりません。そこで目に見えない形で「これは商品/名前はこれ/値段はこれ/在庫あり」と書いておくのが構造化データです。
ページの見た目はまったく変わりません。変わるのは、機械からの見え方だけです。

プラグインを増やすのが怖い、という問題

普通ならSEOプラグインを入れれば自動でやってくれます。でもこのサイトには入っていませんでした。かといって新しくプラグインを入れると、既存の表示が崩れるかもしれません。練習用のコピーサイトが無いので、それは怖い選択です。

そこで選んだのが、コードスニペット管理プラグイン(WPCode)という道具です。

かんたんに言うとスニペット管理プラグインは、「小さな追加処理を、スイッチ付きで登録しておける道具箱」です。
いちばんの利点はスイッチをOFFにすれば、その処理が止まって元通りになること。サイト本体のファイルを書き換えるのと違って、失敗しても戻せます。初めて触るなら、ここから始めるのが安全です。
WordPress公式プラグインディレクトリのWPCode(Insert Headers and Footers)のページ。コードスニペットをスイッチのON/OFFで管理できるWordPressプラグイン
今回使ったスニペット管理プラグイン(WPCode)。WordPress公式のプラグイン一覧から入手できます。スイッチをOFFにすれば元に戻せるのが、いちばんの安心材料です。

この道具箱に「ページに名札を出す」処理を登録しました。サイトの見た目を作っているファイルは、一行も触っていません。登録した名札は4種類です。

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名札の種類どのページに何を伝えている
記事(BlogPosting)ブログ記事すべてこれは記事です/題名・画像・公開日・書いた人
商品(Product)商品ページ 約60点これは商品です/値段と在庫
よくある質問(FAQPage)FAQのあるページだけこれは質問と回答のセットです
パンくず(BreadcrumbList)全ページこのページはサイトのどこにあるか

3つ目の「FAQのあるページだけ」が地味に大事です。FAQが無いページにまで「ここに質問と回答があります」という名札を出してしまうと、機械に嘘を伝えることになります。名札は正しいページにだけ出すのが鉄則です。

ちゃんと効いたかの確認方法(ここが一番大事)

名札は目に見えないので、「登録した=ついている」ではありません。必ずGoogleの無料ツール「リッチリザルトテスト」でURLを入れて確認します。今回は有効8アイテム・エラー0件を確認できました。

Googleリッチリザルトテストの結果画面。緑のチェックマークとともに「4件の有効なアイテムを検出しました」と表示され、記事・パンくずリスト・地域のお店やサービス・組織の4種類の構造化データが検出されている
リッチリザルトテストの結果画面の例(当社サイトで実行したものです)。緑のチェックと「◯件の有効なアイテムを検出しました」が出れば成功です。エラーが出た場合は、その内容をそのまま生成AIに貼りつけて聞けば、直し方を教えてくれます。

はじめて触る人へのポイント

「保存できた」と「ちゃんと動いている」は別物です。管理画面が「保存しました」と出しても、実際のページには反映されていないことがあります。
だから必ず、公開されている本物のページをツールで確認する。これを習慣にするだけで、事故がぐっと減ります。

7. やったこと②:不要なページを隠す・迷子をなくす

📌 このセクションの要点消えたページに来た人を生きたページへ案内する作業(301リダイレクト)を105件、検索結果に出す必要のないページを隠す作業(noindex)を行いました。ここは「やった気になりやすいのに、実は効いていない」ことが多い領域です。

迷子をなくす(301リダイレクト)

かんたんに言うと301リダイレクトは、郵便の「転送届」です。前の住所に届いた郵便を、新しい住所へ自動で回してもらう仕組み。
ページを消したり移動したりしたとき、これを出しておかないと、来た人は「ページが見つかりません」の画面に着いてしまいます。

1すでに「見つかりません」だった 24件

リンクをたどるとエラー画面に着いてしまうページが24件。関連する生きたページへ転送するように設定。

2検索で1回も表示されていない 81件

中身が薄く、検索結果に一度も出ていないページが81件。消すのではなく、近いテーマの生きたページへ案内する形に。

ここで実際にハマりました:転送したのに、また「見つかりません」

設定画面では正しく登録できているのに、実際にアクセスすると、転送先でまたエラー画面になるケースがありました。
これは設定一覧の画面を眺めていても、絶対に見つかりません。見つかったのは、1件ずつ本当にアクセスして、どこに着地するかを確かめたからです。
この総当たりの確認は人間がやると心が折れますが、生成AIに任せると淡々とやってくれます。人間は「どこへ転送すべきか」を決めることに集中できました。

見せなくていいページを隠す(noindex)

かんたんに言うとnoindex(ノーインデックス)は、「このページは検索結果に出さなくていいです」という札です。
ページを消すわけではありません。サイト内には残っていて、人はアクセスできます。検索結果に出さないだけです。中身が薄いページが検索結果にたくさん並ぶと、サイト全体の印象が下がることがあるので、それを防ぎます。

今回隠したのは、「書いた人ごとの一覧ページ」「日付ごとの一覧ページ」など、それ自体には読む価値がほとんどないページです。あわせて、検索エンジンに渡すページ一覧(サイトマップ)からも不要なものを外しました。

このときついでにセキュリティ上の効果もありました。WordPressは何もしないと「管理者のアカウント名」が外から見えてしまうことがあります。今回の整理で、そこも一緒に塞げました。SEOの作業がそのまま安全対策になった、分かりやすい例です。

8. やったこと③:スマホでの見え方を直す

📌 このセクションの要点「スマホで指を広げても拡大できない」設定を解除し、「人には見えているのに、検索エンジンには見えていない画像」を直しました。どちらも見た目のファイルを触らずに修正しています。

① スマホで拡大できなかった

指を広げても文字を大きくできない設定になっていました。目が疲れやすい方には致命的です。この制限を外しました。

② 画像が機械から見えていなかった

ページを軽くする仕組みの副作用で、検索エンジンから見ると画像が存在しないように見える状態でした。本物の画像がちゃんと見えるよう直しました。

②は、いちばん気づけない種類の問題です。自分のスマホで見ると、画像はちゃんと表示されています。目で見ている限り、何の問題もありません。

でも検索エンジンや生成AIは、人間とは違う読み方でページを見ます。その読み方だと画像が空っぽに見えていた、というわけです。「目で見て問題ない=機械から見ても問題ない」ではない——これはテクニカルSEO全体に通じる考え方です。

この2つは本来、サイトの見た目を作っている部分を直す作業です。制作会社に依頼すると、見積り・確認・修正の往復が発生します。今回はその依頼を発生させずに、しかもスイッチ1つで元に戻せる形で直せました。

9. 正直に書きます。一度、表示を壊しました

📌 このセクションの要点記事を保存しただけで、その記事の見た目が崩れる事故が起きました。原因を調べたところ、過去から気づかず壊れていた記事が9本見つかり、合計12本を修正。さらにもう二度と同じ壊れ方をしない形に作り替えました。

うまくいった話ばかりでは参考にならないので、失敗も書きます。

何が起きたか

記事の本文に見た目を整えるための指定(CSS)を書き込んでいたのですが、WordPressで記事を保存すると、その指定が壊れて、記事の見た目が崩れるという現象が起きました。

なぜ起きるのかWordPressには「改行を自動できれいに整えてくれる機能」があります。ふつうの文章を書くときは便利な機能です。
ところが、本文に見た目の指定を書いていると、その指定の改行まで「整えられて」しまい、結果として壊れます。親切機能が裏目に出る、というわけです。

やっかいなのは、壊れるタイミングが「保存したとき」だという点です。書いた直後は正常。あとで誤字を1文字直して保存した瞬間に崩れる。しかも崩れるのはその記事だけなので、サイトを眺めていても気づきません。

どう対処したか

ここでやったのが、目の前の1本を直して終わりにしなかったことです。同じ壊れ方をしている記事が他にもあるはずだと考えて、全記事を機械的に調べました。

12
調べて見つかり
修正した記事(本)
9
うち、ずっと前から
壊れていた記事(本)
0
対策後に同じ原因で
壊れた記事

12本のうち9本は、今回の事故とは関係なく、過去のどこかの時点ですでに壊れていたものでした。誰にも気づかれないまま、崩れた見た目のページが公開され続けていたわけです。事故が起きなければ、ずっと発見されなかったことになります。

いちばん大事なのは、ここから

12本を直しただけでは、また誰かが記事を保存した瞬間に、同じことが起きます。

そこで、見た目の指定を本文の中ではなく、別の場所からまとめて読み込む形に変えました。本文の中に指定が存在しなければ、保存のときに壊されようがありません。以後、どんな保存をしても崩れなくなりました。

図3:失敗を「資産」に変える3段階

① 目の前の1本を直す ここで止めると、 同じ事故が何度でも起きる ② 全件を洗い出す これがあったから 隠れていた9本が見つかった ③ 壊れない形に変える これがあったから 再発がゼロになった 失敗は、この3段階を踏んだときだけ「資産」になります
①で止めるのが、いちばんもったいないパターンです。

10. 結果:EC月商が、EC開設以来の最高額になりました

📌 このセクションの要点先にお断りします。以下はテクニカルSEOだけの成果ではありません。同じ時期にコンテンツSEO(記事の制作・改善)も並行して進めており、その合算の結果です。土台と中身の両方をやったからこう動いた、というのが正確な説明です。

「で、それで何か変わったの?」——ここまで読んで、いちばん知りたいのはそこだと思います。

この会社では、テクニカルSEOの実装と並行して、生成AIを使った記事の制作・改善(コンテンツSEO)も同時に進めていました。その結果、ECサイトの数字が次のように動いています。

2.5
EC月商
前年同月比(+145.5%)
EC開設以来の最高額
+60%
セッションCVR
3.81% → 6.11%
86.4%
売上のうち
自社サイト経由の割合

ほかに、注文件数が約1.9倍(過去最高)、客単価が+30.9%、1〜7月の累計売上が前年同期比+40.3%という動きがありました。

なぜ「テクニカルSEOだけの成果ではない」と書くのか

この記事の1章で、SEOは「中身(コンテンツSEO)」と「土台(テクニカルSEO)」の2階建てだと書きました。この結果は、まさにその両方をやったから出たものです。

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同時期にやっていたこと内容どちらが欠けると
コンテンツSEO(中身)生成AIを使った記事の制作・既存記事の改善書いても読まれない
テクニカルSEO(土台)この記事で紹介した実装(構造化データ・不要ページ整理・スマホ対応)そもそも検索結果に出てこない

どちらか一方だけでは、この動きにはならなかったはずです。逆に言えば、「記事は書いているのに成果が出ない」という状態は、土台側が手つかずのまま片方だけを続けている可能性があります。1章の話に戻ってきたわけです。

数値の読み方(必ずお読みください)

  • 売上の実額は非公開方針のため、比率・指数で表記しています。
  • 売上には季節要因や既存顧客のリピートなども含まれ、増加のすべてが施策の効果とは限りません。
  • この期間に広告などの他施策は行っておらず、売上の86.4%が自社サイト経由であることが、施策との関連を裏づけています。
  • SEOの反映には2〜3か月かかるため、効果はこれから本格化する段階です(週次で追跡中)。
  • 1社の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。

11. ここから先は、頼んだほうがいい

📌 このセクションの要点「http」でアクセスされたときに「https」へ自動で切り替える設定は、何度やってもできませんでした。原因はセキュリティソフトで、WordPress側からは実現不可能と判明。「できない」と確定させて、サーバーの担当者へ引き継ぐのが正解です。
かんたんに言うとhttpsへの統一とは、鍵マークのつかない古い形のアドレス(http)で来た人を、鍵マークのつく安全なアドレス(https)へ自動で切り替える設定です。SEOの基本中の基本で、どの解説記事にも「まずこれを」と書いてあります。

ところが今回、これが何度やっても効きませんでした。原因は、入っていた3つのセキュリティソフトです。「アクセスを別の場所へ切り替える」という処理そのものが、危険な動きとみなされてブロックされていたのです。

ここで大事なのは、「たぶんセキュリティのせいだろう」で終わらせず、実際に試して不可能だと確定させたことです。そして無理に通そうとはしませんでした。通すにはセキュリティ設定を緩めることになるからです。SEOのためにサイトの安全性を下げるのは、本末転倒です。

自分でやる/頼む の判断表

迷ったときは「元に戻せるかどうか」で決めてください。

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段階どんな作業か具体例誰がやる
第1層
戻せる
スイッチをOFFにすれば元通りページに名札をつける/見せないページを隠す/スマホの表示を直す自分でやってOK
(ここから始める)
第2層
戻しにくい
元に戻すのに手間と時間がかかる迷子リンクの転送設定/記事の一括修正/ページ一覧の作り直し手順を決めてから。
相談できる人がいると安心
第3層
サイトの外側
WordPressの外の設定httpsへの自動切り替え/サーバーの設定/ドメインの設定自分でやらない。
サーバー管理者・制作会社へ

実際の作業も、この順番(第1層 → 第2層 → 第3層へ引き継ぎ)で進みました。いきなり第2層・第3層から手を出さない——これがケガをしないコツです。

「できない」が分かるのも、立派な成果です

生成AIを使いはじめると、つい「全部AIで解決できるはず」と思ってしまいます。でも実務でいちばん時間を無駄にするのは、できないことに何時間も粘ることです。
「これは自分では無理」「これは◯◯さんに頼む案件」とはっきりさせて渡す。そこまでやって、はじめて仕事が前に進みます。

12. 壊さないための3つの鉄則

📌 このセクションの要点練習用のコピーサイトが無い場合、安全は手順で守るしかありません。①元に戻せる形でやる ②一度に1つだけ変える ③保存したら本物のページで確認する——この3つを守るだけで、事故はほぼ防げます。

図4:本番サイトを触るときの3つの鉄則

1 元に戻せる形でやる スイッチでOFFにできる方法を選ぶ。サイト本体のファイルは書き換えない 2 一度に1つだけ変える まとめて変えると、何が原因で壊れたのか分からなくなる 3 保存したら、本物のページで確認する 管理画面の「保存しました」は信用しない。公開ページを実際に見て確かめる
今回の作業は、すべてこの3つを通してから次に進みました。

あわせて、「やらない」と決めた判断も2つ紹介します。

表示速度の改善 → やらない

速度を測る無料ツール(PageSpeed Insights)で調べたところ、スマホ・パソコンとも合格でした。合格しているものをさらに速くしても、順位も売上も変わりません。ここに時間を使わないと決めました。

順位が下がって見えた → 慌てて直さない

改修後、順位が急に落ちたように見えるデータが出ました。でも実データを確認すると、記事を書き直した直後によくある一時的な動きでした。ここで慌てて手を加えていたら、原因が分からなくなっていたはずです。

どちらも「なんとなく不安だから」ではなく、実際に測ったうえで決めています。テクニカルSEOでいちばん多い失敗は、やらなくていいことに時間を使うことかもしれません。

13. 今日からやる3ステップ

📌 このセクションの要点いきなり設定を触らないでください。まずは①今の状態を測る ②できないことを書き出す ③戻せる作業を1つだけやる。この順番なら、初日から失敗しようがありません。

1今の状態を測る(無料・5分)

Googleのリッチリザルトテストに自社サイトのURLを入れるだけ。名札がついているか、エラーが無いかが分かります。何も設定を変えないので、絶対に壊れません。まずはここから。

2できないことを書き出す

本記事4章の表をそのまま使って、自社の環境を埋めます。分からない項目は、そのまま生成AIに聞けば調べ方を教えてくれます。「できないこと」が確定するだけで、迷いが減ります。

3戻せる作業を1つだけ

最初はスイッチでOFFにできる作業を1つだけ。おすすめは名札(構造化データ)です。見た目のファイルは触らない・同時に複数変えない——これを守れば、失敗しても戻せます。

Googleリッチリザルトテストの入力画面。「ページはリッチリザルトに対応していますか?」という見出しの下に、テストするURLを入力する欄と「URLをテスト」ボタンが表示されている
ステップ1で使う画面。URLを入れて「URLをテスト」を押すだけです。サイトの設定は何も変更しないので、今すぐ試して大丈夫です。

⚠ 触る前に必ず読んでください

この記事は手引きであって、保証ではありません

  • 相談できる人(詳しい人)がいることが前提です。いない状態で自分だけで手を出すのは、おすすめしません。
  • 設定やコードに触ると、サイトが壊れることがあります。そして壊れた後に制作会社へ相談しても、完全には元に戻らない場合があります。
  • この記事は特定の環境での記録です。同じ手順が、あなたの環境で同じ結果になるとは限りません。
  • 必ずバックアップと、元に戻す手段を用意してから着手してください。1回の作業で変える範囲は、必ず限定してください。
  • 掲載している内容は株式会社伊勢通さまの実施事実(ご本人談・掲載許可済/2026年8月時点)であり、同様の結果を保証するものではありません。

よくある質問(FAQ)

FAQテクニカルSEOをはじめて知った方から、実際によくいただく質問をまとめました。
QテクニカルSEOとコンテンツSEOの違いは何ですか?
コンテンツSEOは「何を書くか」という中身の話で、キーワード選びや記事作成が中心です。テクニカルSEOは「書いたものを検索エンジンが正しく読める状態にするか」という土台の話で、巡回のしやすさ、ページ内容の伝え方、不要ページの非表示、スマホでの見やすさなどが対象です。コンテンツSEOは毎月続ける作業、テクニカルSEOは基本的に一度直せば終わる作業という違いもあります。土台が壊れていると、良い記事を書いても検索結果に出てきません。
Q記事を書いているのに検索に出てこないのはなぜですか?
記事の質だけが原因とは限りません。検索エンジンがページを正しく読めていない場合、どれだけ良い記事を追加しても評価されないためです。巡回できていない、ページの内容が機械に伝わっていない、不要なページが大量に出てしまっている、といったテクニカルSEO側の問題が原因のことがあります。まずはGoogleのリッチリザルトテストで自社ページを確認すると、土台側に問題があるかどうかの手がかりが得られます。
QテクニカルSEOは外注しないとできませんか?
すべてを外注する必要はありません。スイッチをOFFにすれば元に戻せる作業、たとえば構造化データの追加、不要ページの非表示、スマホ表示の修正は、生成AIに聞きながら社内で進められます。この記事の実例では、テクニカルSEOという言葉を知らなかった会社が、サイト全体の技術対応を社内で実質1〜2日で完了しました。ただしサーバー側の設定は例外で、こちらは管理者や制作会社に依頼してください。
Q自社でやるべき作業と、外注すべき作業の線引きはどこですか?
「元に戻せるかどうか」で判断してください。スイッチをOFFにすれば元通りになる作業、たとえば構造化データの追加、不要ページの非表示、スマホ表示の修正は自社で進められます。301リダイレクトや記事の一括修正は元に戻すのに手間がかかるため、手順を決めてから行ってください。httpsへの自動切り替えなどサーバー側の設定は、サイトが閲覧できなくなるリスクがあるため、サーバー管理者や制作会社に依頼するのが安全です。
QテクニカルSEOを外注すると費用はどれくらいかかりますか?
内部SEO対策として一括おおむね10万〜100万円規模が目安です。個別では構造化データ一式で10万円〜、GA4の設定代行で5万〜15万円といった水準で、サイトの規模や品質により大きく変動します。この記事の実例では、プラグインの導入だけを制作会社に依頼し、残りは社内で実施しました。相場の内訳は事例記事にまとめています。
Qコードが書けなくてもテクニカルSEOはできますか?
できる範囲があります。実際にやることの多くは、管理画面での設定と、直ったかどうかの確認です。分からない部分は生成AIに聞きながら進められます。ただし最初に手を付けるのは、スイッチをOFFにすれば元に戻せる作業だけにしてください。サーバーの設定など元に戻しにくい作業は、詳しい人に相談してから行うのが安全です。
Q構造化データとは何ですか?ページの見た目は変わりますか?
構造化データは、ページに貼る機械向けの名札です。「これは記事です」「これは商品で、値段と在庫はこれです」といった情報を、目に見えない形で書いておきます。ページの見た目はまったく変わりません。変わるのは検索エンジンや生成AIからの見え方だけで、検索結果に価格や在庫が表示されたり、AIが回答する際の根拠として拾われやすくなります。
QSEOプラグインが入っていないサイトでも構造化データを追加できますか?
できます。この記事の実例では、コードスニペット管理プラグイン(WPCode)を使い、サイトの見た目を作っているテーマファイルを一切変更せずに追加しました。スイッチをOFFにすれば出力が止まって元の状態に戻るため、練習用の環境がないサイトでも比較的安全に試せます。実装後はリッチリザルトテストで必ず確認してください。
Q記事を保存すると見た目が崩れるのですが、原因は何ですか?
記事の本文に見た目の指定(CSS)を直接書いている場合、WordPressが保存時に改行を自動整形する機能によって、その指定が壊れることがあります。根本的な対策は、見た目の指定を本文の中に置かず、別の場所からまとめて読み込む形に変えることです。この記事の実例では、その方式に変更したうえで全記事を機械的に調べ、過去から壊れていた9本を含む12本を修正しました。
Q練習用のコピーサイトがなくても、本番サイトを触って大丈夫ですか?
条件つきで可能です。守るべきは3つで、元に戻せる形でやること、一度に1つだけ変えること、保存したあとに必ず公開ページで確認することです。加えて、事前のバックアップと、相談できる人がいることが前提になります。元に戻しにくい作業やサーバー側の設定は、この条件を満たしても自分では行わず、担当者に引き継いでください。

まとめ

  • SEOは2階建て。記事を書くコンテンツSEOと、正しく読んでもらうテクニカルSEO。記事を書いているのに成果が出ないなら、土台側が手つかずの可能性があります。
  • テクニカルSEOは、基本的に一度直せば終わる仕事です。毎月続くコンテンツSEOと違い、一度の作業で状況が変わる可能性があります。
  • 外注しないと無理な領域ではありません。この会社は、その言葉を知らない状態から始めて、サイト全体の技術対応を社内で実質1〜2日で完了しました。
  • 触るのは「元に戻せる作業」だけ。スイッチでOFFにできる形なら、練習用の環境がなくても踏み出せます。
  • できないことは、AIでもできません。httpsへの自動切り替えは不可能だと分かり、サーバー管理者へ引き継ぎました。「無理だと確定させる」のも成果です。
  • 失敗は3段階で資産に変える。1本直す → 同じ原因を全部洗い出す → 二度と起きない形に変える。今回は隠れて壊れていた9本が見つかりました。
  • 最初の関門は技術ではなく「権限」です。この会社は自社でプラグインを追加できない設定で、そこだけ制作会社に依頼しました。外注が必要だったのは、その事前準備だけです。
  • 結果、EC月商が前年同月比 約2.5倍・EC開設以来の最高額になりました。ただしこれはテクニカルSEO単独ではなく、コンテンツSEOと並行して進めた合算の結果です(1社の実績であり、同様の成果を保証するものではありません)。
  • 実装したのは、田邊さんご自身です。私がしたのは、生成AIの使い方をお渡ししたことと、触っていい範囲を一緒に決めたことだけでした。
自分で進めるのが心配な方へ

「やってみたい。でも、うちのサイトで触っていい範囲が分からない」

この記事のとおり、作業そのものは社内でできます。難しいのは「自分のサイトで、どこまで触っていいか」の線引きのほうです。そこだけ一緒に決めたい、という段階のご相談も受け付けています。無理におすすめすることはありません。

※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。

▶ 執筆者「YouTubeコンサルタント 酒井大輔」の詳しいプロフィールを見る