ホームITコーディネータ > AIの初稿を94点に引き上げる7つの問い

生成AI・LLMO#Claude#一次情報

Claudeで記事を書かせたら
44点だった
——94点にするまでに投げた7つのプロンプト

実測:44点 → 94点往復18回・正味4時間半使った問いは原文で公開

著者:酒井大輔(ITコーディネータ) | 公開日:2026年8月6日 | 読了目安:約12分

この記事の要点生成AIに記事を書かせると、たいてい「それらしいもの」は出てきます。問題はそこからです。当社がAIに書かせた記事の初稿を、自社の評価軸で採点したら100点満点で44点でした。そこから7つの問いを投げただけで94点になりました。この記事では、その文言と順番を原文のまま公開します。
なお、ここで紹介する「問い」は、いわゆるプロンプトのことです。呪文のような長文ではなく、短い質問を7つ投げただけです。
📌 30秒まとめ読んでいただくと、次のことが分かります。
  • AIの初稿がなぜ44点になるのか——AIが下手なのではなく、指示書に欄が無かったのが原因でした
  • 引き上げる7つの問い(原文・投げる順番・1つあたりの所要時間つき)
  • AIの自己評価は当てにならない——94点と自己採点したものが、実際は62点相当でした
  • そのまま使える問いの一覧と、8軸100点の自己採点シート
ただし前提があります。これが無いと、同じ問いを投げても上がりません(§2)。
この記事は、誰のために何を目的に書いたか
読んでほしい方生成AIで自社の記事を作っている中小企業の経営者・Web担当者。「AIに書かせたが物足りない」「どう直させればいいか分からない」で止まっている方
読み終えた後にできることAIが出した原稿に、どの問いをどの順番で投げれば引き上がるかが分かる。文言はそのままコピーできる
当社が立てた仮説AI活用の記事は「プロンプト集」か「便利です」で終わっており、実際の往復を点数つきで公開したものがない。だから読まれる(※仮説です)
答え合わせの時期公開から4週間後。順位・表示回数と、AIがこの記事を引用するかを確認して追記します
酒井大輔 ITコーディネータ ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ。中小企業のWebマーケティング・動画活用・SEOを支援。近年はLLMO(生成AIに自社を正しく紹介してもらうための情報整備)のコンサルティングにも取り組み、公開記事1,170本以上(2026年6月時点)の自社サイトを実験台に、生成AIとの記事制作を実行・検証しています。著書に『ビジネスユーチューブで売れ!』(2021年6月)、『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』(セルバ出版・2026年1月)。代表プロフィール

【結論】AIの初稿は44点。7つの問いで94点になった

📌 このセクションの要点AIが「完成しました」と提出してきた原稿を、当社の評価軸で採点したら44点でした。文章が下手だったのではありません。誰に何を売る記事なのかが決まっていなかったのです。

2026年8月、当社は自社サイトの改修記録を1本の記事にしました。原稿はAI(Claude)が書き、「完成しました」として提出されました。読むと、文章は破綻していませんし、事実も正確でした。それでも44点でした。

図:7つの問いを投げるたびに点数がどう動いたか(自社評価軸・100点満点)

100点 0点 44 76 88 94 AIの初稿 一次情報を足す 主語を読者へ反転 衝突を回避して完成 カニバリ発覚=実効62
▲ 94点まで上げた直後に自社の既存記事との衝突が見つかり、サイト全体では実効62点だと分かった(§7)

採点に使ったのは、次の8つの軸です。この物差しを先に決めておくことが、後で効いてきます。

※ 横スクロールできます

評価軸配点見るところ
検索意図との一致15タイトルを見て、誰向けの何の記事か分かるか
読者利益(だから何)20読んだ人が、月曜に何をするか書いてあるか
一次情報20自社にしかない実測データが何件あるか
図表・可読性15表・図・画像で理解を助けているか
行動導線10次に何をすればいいかへ、自然につながるか
差別化(社外)5競合が構造的に書けない要素があるか
自社カニバリ回避5自社の既存記事と食い合っていないか
正直さ・信頼10盛っていないか。分からないことを分からないと書けているか

この8番目——「自社カニバリ回避」の軸は、最初の採点には入っていませんでした。後から足しています。軸が足りないと、AIは高得点をつけてしまうという話でもあります(§7で詳しく書きます)。

前提:これが無いと、同じ問いをしても上がりません

📌 このセクションの要点先に正直に書きます。7つの問いは、前提が揃っていないと効きません。とくに1つ目——一次情報を持っていること——が無いと、何回問い直しても点数は上がりません。

「同じ質問をしたのに良くならなかった」となる前に、ここを確認してください。

※ 横スクロールできます

前提中身無いとどうなるか
① 一次情報を持っている自社の実測データ、実名で書ける事例、社内でしか分からない数字AIは事実を作れません。無いものは何回問い直しても出てこない
② 評価軸を先に決めてある§1の8軸のような物差し「もっと良くして」では良くならない。採点させるには物差しが要る
③ 既存記事を把握している自社サイトに何の記事があるかAIは自社サイトを自分から見に行きません。衝突は人間が持ち込む情報
④ 方針をファイルで渡してある誰向けか・KPIは何か・書かないこと毎回ゼロから説明することになり、往復が倍になる
⑤「完成しました」を疑う提出された時点を出発点だと考える姿勢AIは自信を持って完成と言う。鵜呑みにすると44点のまま公開される

この記事の条件(あなたの環境と比べてください)

対象は1本の記事。サイトは公開記事1,170本以上・16か月で341万回表示。運営者が自社の実測データを持っている。AIが自社サイトを見られる状態にしてある——この条件での結果です。条件が違えば、結果も変わります。

なぜAIは、44点のものを作ったのか

📌 このセクションの要点ここが分からないと、この記事は意味を持ちません。AIは手を抜いたわけでも、能力が足りなかったわけでもありません。44点になったのには、3つのはっきりした理由があります。しかもそれは、あなたがAIに書かせても同じように起きます。

まず、44点の原稿がどんなものだったか

抽象論の前に、実物を見てください。同じ内容を扱っているのに、44点のときと94点のときで、書き出しはこう違いました。

44点|AIが最初に出した書き出し

「2026年7月30日、当社は自社サイトの528ページを1日で一斉に見直しました。何をどう直したのか、そして直す前の順位まで、そのまま公開します。」

94点|7つの問いを投げたあと

「自社サイトの間違いを直せば、AIの答えも直る——そう思って528ページを直しました。その2日後、4つのAIに同じ質問をしたところ、答えは4社4様に分かれました。あなたの会社でも同じ確認ができる手順まで、まとめてあります。」

左は「当社が何をしたか」、右は「あなたに何が起きるか」です。文章の巧拙ではありません。主語が違います。44点の原稿は、最後まで主語が「当社」のままでした。

※ 横スクロールできます

項目44点の原稿94点の原稿
見出しの型改修①〜④(当社がやったこと原因①〜④(あなたの会社で起きていること
読者への提案なし「まず1ページ、15分で」の手順つき
自社データの数5件12件
図表の数2点20点
なぜやったのか書かれていない4つの予測として明記(外れたら外れたと書くと宣言)
他記事との衝突見ていない確認し、役割を分けて相互リンク

理由① AIは「渡された器」に忠実だから

AIに渡した発注書には、記事の構成案が書いてありました。その構成がぜんぶ「やったこと①〜④」型だったのです。AIはそれを疑いません。忠実に、やったことを並べた記事を作りました。

これは能力の問題ではなく、役割の問題です。AIは「指示された形を、きれいに満たす」ことに全力を出します。その形自体が間違っていても、疑って止まることはありません。

理由② 「何が良いのか」を渡していなかったから

もっと根本的なのがこれです。私たちはAIに「良い記事を書いて」としか伝えていませんでした。では、AIにとっての「良い」とは何でしょうか。

指示が無いとき、AIは「破綻がなく、事実が正確で、指示を満たしている状態」を良いと判断します。実際その原稿は、破綻もなく、事実も正確で、指示も満たしていました。AIの基準では、完成していたのです。

ところが私たちの基準は違いました。「お客様になる可能性のある方に選ばれるか」——これが当社の物差しです。この物差しを渡していなかったので、AIはそこを最大化しようがありませんでした。44点の正体は、ここです。

図:指示書に「欄」があるかどうかで、出てくる原稿が変わる

渡した指示書 ✓ 構成案(やったこと①〜④) ✓ 使ってよい素材・数字 ✓ 書いてはいけないこと ✕ 誰向けか   欄が無い ✕ 読者の得・予測 欄が無い 出てきた原稿(44点) 構成どおり・事実も正確・破綻なし = しっかり埋まる 禁止事項も守られている 誰向けか → 書かれない(主語が「当社」のまま) 読者の得 → 書かれない(だから何、が無い) なぜ良くなるのか(予測)→ 書かれない 他記事との衝突 → 見に行かない
▲ 欄があるものは丁寧に埋まり、欄がないものは静かに抜け落ちる。AIは「無い欄」を自分から作らない

理由③ AIには「見えていない」ものがあるから

3つ目は、能力ではなく視野の問題です。AIには、次の2つが最初から見えていません。

自社サイトの他の記事

言われなければ見に行きません。だから「同じテーマの記事が自社に既にある」ことに気づけません。今回もそれで、既存記事と正面衝突したまま88点まで作り込んでいました。

渡されていない自社の資産

著書・受賞・登壇・独自データ。渡されていないものは、AIにとって存在しません。今回は、著者の専門性を語る記事なのに著書2冊に一度も触れていませんでした。

だから、AIは「丁寧に、的外れなもの」を作る

誤解しないでいただきたいのですが、そのAIはかなり正しいことをやっていました。検索キーワードを実際に採取して確認し、ある語は「別記事の担当だから踏まない」と自分で判断し、末尾の関連記事カードは「記事の主張と矛盾するから」と外し、「中身が確認できていない画像は貼らない」と断っていました。手を抜いていたわけでは、まったくないのです。

44点の正体(まとめ)

AIは「指示された形を、正確に、丁寧に満たす」ことに全力を出す。だから、形が「作業記録」なら、精度の高い作業記録が出てくる。足りなかったのはAIの能力ではなく、①器 ②物差し ③視野の3つ。どれも渡すのは人間の側です。

ここが分かると、対策の方向が変わります。「AIを賢くする」のではなく「渡すものを変える」。次章から、そのために投げた7つの問いを紹介します。

Claudeに投げた7つのプロンプト(原文・所要時間つき)

📌 このセクションの要点実際に投げた問いを、言い回しを整えずそのまま載せます。7つのうち4つは1往復・数分で終わります。重いのは3つだけです。

図:7つの問い——どれが重くて、どれが軽いか

← 軽い(1往復)                          重い(1時間以上)→ ① だから何 数分 ② 勝てますか 1〜2時間 ③ 何点ですか 作り直し30分 ④ 抜けは? 数分 ⑤ 予測を書く 15分 ⑥ カニバリ確認 約1時間 ⑦ 自社の資産 10分 ※ 重いのは②③⑥の3つだけ。残りの4つは、質問を1回投げるだけで終わります
▲ 「全部やると大変そう」に見えて、実際に時間を取られるのは3つだけ
1「だから何」を突く軽い・1往復
投げた問い(原文)

又記録だったらいいかもしれませんが、「だから何」という部分はなんですか?

AIの状態

作業記録としての完成度は高いのに、読者が何をすればいいかが一行も書かれていませんでした。

何が変わったか記事の目的が「記録の公開」から「読者の行動」に変わった
教訓AIは渡された器に忠実。器を疑うのは人間の仕事
2勝てるのかを問う重い・約1〜2時間
投げた問い(原文)

今のままで勝てますか?結構競合が多いと思うので今のままだと勝てないと思いますがいかがでしょうか?1次情報を多めに入れたほうが良かったりしませんか?

AIの回答

「勝てません」と認めました。

何が変わったか自社データが5件→12件、図表が2点→10点に。アクセス解析やAIへの質問を実際に取りに行くため、7つの中でここだけが重い
教訓AIは聞かれないと自己評価を出さない。「これで勝てるのか」は人間から聞く
3点数で出させる問いは軽い作り直し約30分
投げた問い(原文)

客観的に見て前回は100点満点中何点で、今回の修正で何点まで来ていますか?構成や内容がお客様目線でないと思います。

AIの回答

44点→76点。そのうえで、構造が「当社が何をしたか」のままだったと自分から認めました。

何が変わったか章立てを「やったこと①〜④(当社)」から「原因①〜④(読者の会社)」へ反転
教訓点数を出させると、AIは自分の弱点を言語化する。「もっと良くして」より、はるかに効く
4回収できているかを確認する軽い・1往復
投げた問い(原文)

だから何?は回収できていますか?この方向性で何点ですか?抜けている点は何ですか?

AIの回答

「半分だけです」。行動の“だから何”は回収できているが、お金の“だから何”(売上・問い合わせ)は回収できていないと認めました。

何が変わったか証明できていないことを「まだ言えない」と正直に書く方針に
教訓「抜けている点は何ですか」は最強の質問。AIは聞かれれば列挙し、聞かれなければ黙っている
5「予測」を書かせる中・約15分
投げた問い(原文)

どうなったらこうなるという予測があるため実施したという感じでいかがでしょうか?良くなる理由がわかっているのであれば入れてください。なぜ今まで入れてなかったかも理由を教えてください。

AIの回答(意外でした)

「実測しか書かない」という当社の原則を広く取りすぎて、仮説を仮説として書くことまで自分に禁じていたと説明してきました。原則が禁じているのは“推測を実測のように書くこと”であって、仮説の明示ではありません。

何が変わったか「こうなると考えたから実施した」という予測の章が生まれた。外れたら外れたと書くと宣言
教訓AIは安全側に倒れすぎることがある。「書いていい」と許可を出すのは人間
6カニバリ(自社内の食い合い)を確認させる重い・約1時間
投げた問い(原文)

他のページとのカニバリも確認してください。結構重複しているページがあれば確認しますので、リンクも表示してください。

発覚したこと

自社の既存記事と、タイトルからして正面衝突していました。そのまま出せば両方沈むところでした。

何が変わったか記事の役割を「解説」から「実証レポート」に変更。解説は既存記事へリンクで送り、結果としてハブ記事になった
教訓AIは自社サイトの中を自分から見に行かない。被りの確認は人間が言う
7抜けている自社の資産を指摘する軽い・約10分
投げた問い(原文)

私はYouTubeですが2冊本を出しています。この話が1度も出てきませんが、著者ボックスで触れていただくか、最後の方に書影を入れて紹介していただくかしたほうが良くないですか?

AIの状態

著者の専門性を語る記事なのに、著書2冊に一度も触れていませんでした。

何が変わったか著者ボックスに1文、記事末に書影つきの紹介を追加
教訓渡されていない材料は、AIにとって存在しない。自社の資産を思い出すのは人間にしかできない
おまけ:仕組み化する軽いが効果は永続
投げた問い(原文)

なるべく簡略化したいなと思っていますが、このやり取りは毎回必要になってしまいますよね?私が改善できることがあれば教えてください。

出てきた答え往復の大半は、指示書に4つの欄を足せば消える(§9で詳述)
教訓同じ指摘を3回したら、指示の型を変える合図

順番に意味がある

📌 このセクションの要点いちばんの失敗は⑥カニバリ確認を最後にやったことです。88点まで作り込んでから衝突が見つかり、作り直しになりました。先にやれば1時間浮きました。

図:7つの問いを投げる順番

①②③ 診断する だから何/勝てるか/何点 ③ 主語を反転する 当社 → 読者へ ④ 回収を確認する 抜けている点は? ⑤ 根拠をつける 予測を書かせる ⑥ 衝突を避ける(★本当はここが先) 既存記事とのカニバリ確認 後回しにすると作り直しになる ⑦ 資産を入れる 著書・受賞・独自データ おまけ 仕組み化する 指示書に4つの欄を足す
▲ ①〜③で方向を決めてから材料を足す。⑥は本来もっと前に置くべきだった

1①〜③を先に

方向が決まる前に一次情報を足しても、あとで捨てる材料が増えるだけです。

2⑥は作り込む前に

今回は88点まで仕上げてから衝突が発覚し、方向転換で作り直しました。最初にやれば約1時間浮きます。

3⑦は最後でよい

資産の追加は、器が決まってからのほうが置き場所が決まります。

どれくらい時間がかかるのか

📌 このセクションの要点44点から94点まで、正味の作業は約4時間半・往復18回でした。重い問いは3つだけで、残りは1往復で終わります。
4.5
正味の作業時間(時間)
18
やり取りの往復回数
3
重い問いの数(残り4つは1往復)

図:「完成しました」から公開まで

深夜〜早朝(休止をはさむ) 7つの問いを投げ切る(正味4時間半) 23:45 AI「完成しました」 翌 10:00 公開 44点 ——————————————————→ 94点
▲ 「完成しました」と言われた時点が、実際にはスタート地点だった

※ 横スクロールできます

時刻何が起きたか
1日目 23:45AIから「完成しました」と原稿を受け取る
2日目 00:06/00:092つのAIに実際に質問して回答を採取(深夜でもAIは動く
2日目 09:033つ目・4つ目のAIにも同じ質問
2日目 09:04前日のAIの報告が誤報だったと判明(§7)
2日目 09:46検索キーワードを実採取して確定
2日目 10:00公開
2日目 10:30〜12:00外部診断の取捨/著書の抜けを追加して完了

※ 時刻が実測で確定しているのは上記のポイントのみ。所要時間の内訳は概算です。深夜0時〜朝9時は作業していません。

公開してからの時間軸も知っておいてください

直した翌日にAIへ聞いても、たいてい変わっていません。当社の実測では、サイトを直した2日後の時点で、4つのAIのうち3つは反映済み・1つはまだ古い情報のままでした。2週間空けて再確認してください。順位や問い合わせの答え合わせは約4週間後です。

AIの自己評価は当てにならない

📌 このセクションの要点ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。AIは自信を持って間違えます。実際に3つ起きました。点数の過大評価、事実の誤報、そしてページを読まずに書かれたレビューです。

失敗① 94点は過大評価だった

AIは自分の作った構成を「94点」と採点しました。ところがその直後、自社の既存記事と正面衝突していることが分かりました。検索エンジンから見れば両方が沈む状態です。サイト全体で見た実効値は62点でした。評価軸に「自社カニバリ回避」が入っていなかったから、高得点が出てしまったのです。物差しに無い項目は、AIには見えません。

失敗② 事実を誤報した

AIは「サイトの2か所に古い誤記が残っています」と報告してきました。実際に確認するとどちらも修正済みでした。原因は、ページの表示速度を上げるための仕組み(キャッシュ)が、AIに古い版を見せていたことでした。AIの報告は1回で信じない。「どうやって確かめましたか」と聞く。これが対策です。

失敗③ AIのレビューが、ページを読んでいなかった

公開後、外部のAIに記事を診断してもらいました。2本の診断が返ってきましたが、そのうち1本は、実際のページを読まずに書かれていました。「FAQが不足しています」「著者情報を追加してください」——どちらも実装済みでした。提示された推奨の構成も、この記事のものではありませんでした。

結果、2本の診断から取り入れたのは4件、見送ったのは5件です。AIの診断も、そのまま従ってはいけません。見送った理由の例:「見出しに専門用語を入れましょう」——読者である社長はその用語で検索しないため。「FAQを追加しましょう」——すでにあるため。

実物で見てください——同じ質問、違う答え

当社について、まったく同じ質問を2つのAIに投げたときの回答です。片方は支援先を実名で正しく答え、もう片方は古い誤った表記のまま答えました。AIの答えは「正解か不正解か」ではなく、揺れます。

Perplexityの回答画面。ユーチューブビジネスサポートの支援実績として、建材商社・株式会社伊勢通のEC売上40倍、製造業・株式会社エムティーシーの問い合わせ6.5倍が実名で表示されている
▲ こちらは正しく答えた(支援先を実名で表示)
Geminiの回答画面。支援実績の業種が「建材メーカー(商社)」と、修正前の誤った表記のまま併記されている
▲ こちらは古い誤記のまま答えた(同じ日・同じ質問)

出典:2026年8月1〜2日、各AIに同一の質問を実施した際の回答画面。

だから、AIが出してきた答えを1回で信じてはいけません。原稿についても同じです。「良い出来です」と言われても、物差しを渡して採点させ、根拠を出させる。それが次章の話です。

外部評価を上げるには、評価軸を先に渡す

📌 このセクションの要点「もっと良くして」では良くなりません。何をもって良いとするかを、先に数字で渡す。そうすると、AIは自分で弱点を見つけて直しはじめます。

§1の8軸をそのまま使ってください。使い方は簡単で、原稿を出させたあとに、この軸で採点させるだけです。

そのまま投げられる採点の依頼

次の8つの軸で、この原稿を100点満点で採点してください。軸ごとの点数と、減点した理由を書いてください。そのうえで、抜けている点を自分から列挙してください。
検索意図との一致15/読者利益20/一次情報20/図表・可読性15/行動導線10/差別化5/自社の既存記事とのカニバリ回避5/正直さ・信頼10」

この形にすると、返ってくるのは感想ではなく数字と理由になります。そして「抜けている点を自分から列挙してください」の一文が、いちばん効きます。AIは聞かれれば答えますが、聞かれなければ黙っているからです。

当社は「AIに正しく紹介されるためのサイト整備」も同じ考え方で進めています。実際に自社サイト528ページを半日で直し、その2日後にAI4社の答えがどう変わったかを実測した記録は、別記事「AIの間違いを直したら、答えは何日で変わるのか」で公開しています。この記事で紹介した7つの問いで仕上げたのが、その記事です。

往復を減らす——指示書に4つの欄を足す

📌 このセクションの要点7つの問いの大半は、最初に4つの欄を埋めておけば消えます。AIに渡すテンプレートを変えるのが、いちばん効く対策でした。

18回の往復を振り返ると、その多くは「発注書に欄が無かったせいで起きた確認」でした。そこで、指示書のテンプレートに次の4欄を足しました。

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足した欄書くことこれで消える問い
① 誰向け読んでほしい人の立場・状況問い③の「お客様目線でない」
② 読者の得読み終えた人が何をするか(1文)問い①の「だから何」・問い④
③ 予測なぜ良くなると考えたか(仮説と明記)問い⑤
④ 検証方法と時期いつ・何を測って答え合わせするか問い⑤の後半

欄があれば、AIは埋めざるを得ません。逆に言えば、欄が無いものは埋まりません。ここが、AIとの仕事でいちばん再現性のある改善でした。

ただし、最初から制約を入れすぎない

📌 このセクションの要点ここまで「渡すものを増やそう」という話をしてきましたが、最初のプロンプトは、私はできるだけ制約を入れずに書いています。制約を入れるほど、欲しかった答えは返ってきますが、それ以上にはなりません。

前章と矛盾するように聞こえるかもしれません。ここは分けて考えてください。

先に渡すもの=目的

誰向けか/読者の得は何か/なぜやるのか/どう検証するか。「何のために作るのか」は、最初から共有します。ここが曖昧だと、いくら往復しても方向が定まりません。

最初は渡さないもの=方法

構成はこうしろ/この見出しを使え/この順番で書け/この表現にしろ。「どう作るか」は、最初から縛りません。縛った時点で、そこが上限になります。

縛るのは目的、開けておくのは方法。この使い分けが、私の実感ではいちばん成果が変わります。

制約を増やすと、何が起きるか

指示を細かくすればするほど、返ってくるものは自分の想定どおりになります。安心はできます。しかし、せっかく生成AIを使っているのに、自分の頭の中にあるもの以上は出てきません。

私が生成AIに期待しているのは、作業の代行だけではありません。自分が見落としている点や、思いつかなかった切り口です。そこを塞いでしまっては、使う意味が半分になります。

図:制約の量と、返ってくるものの関係

制約が少ない最初のプロンプト 自分の想定 どおりの案 + 想定外の提案 見落としの指摘 新しい切り口 最初から制約を入れたプロンプト 自分の想定 どおりの案 安心はできるが、想定を超えない=ここが上限
▲ 制約は「ハズレを減らす」代わりに「アタリの上限」も決めてしまう

実際、良かったものは「指定していないところ」から出てきた

この記事で紹介した記事づくりでも、結果的にいちばん効いた要素は、こちらが指定していないものでした。

実際にAIに聞いて回る

「4つのAIに同じ質問をして、答えの違いを実測する」——こちらは指示していません。結果的に記事の核になりました。

アクセス解析の持ち出し

「AI経由の訪問が増えている」というデータを出す発想も、こちらからは言っていません。

記事の役割そのものの変更

衝突が見つかったあと、「解説をやめて実証レポートにする」という提案が出てきました。構成を固定していたら潰れていた案です。

もし最初のプロンプトで「この構成で、この見出しで、この順番で書いてください」と指定していたら、この3つはどれも生まれませんでした。指定どおりの、そこそこの記事ができて終わっていたはずです。

では、いつ制約を入れるのか

順番があります。広げてから、絞る。逆にすると戻れません。

※ 横スクロールできます

段階渡すもの渡さないもの
① 最初のプロンプト目的・読者・持っている材料/「気づいた点や、私が見落としている点もあれば挙げてください」の一文構成・見出し・順番・文体
② 出てきた案を見て採用するもの/捨てるものの判断まだ細部は縛らない
③ 方向が決まってからここで初めて制約(構成・字数・禁止事項・体裁)

最初のプロンプトに足しておくと効く一文

私が見落としている点や、別の切り口があれば、指示していないことでも挙げてください。

前章の「4つの欄」は制約ではありません。あれは目的の共有です。誰向けで、読者に何を持ち帰ってほしくて、なぜ良くなると考えていて、いつ検証するのか——ここを渡すほど、AIは自由に動けます。目的を渡さずに方法だけ縛るのが、いちばんもったいない使い方です。

そのまま使えるプロンプト7つと、自己採点シート

📌 このセクションの要点コピーして、AIが原稿を出してきたら順番に投げてください。社名や商品名を入れ替える必要もありません。
  • 「記録だったらいいかもしれませんが、「だから何」という部分はなんですか?読んだ人が何をすればいいですか」
  • 今のままで勝てますか?競合が多いと思うので勝てないと思いますがいかがですか。一次情報を多めに入れたほうがよくないですか
  • 客観的に見て100点満点で何点ですか。構成や内容がお客様目線でないと思います」
  • だから何は回収できていますか。抜けている点は何ですか
  • 良くなると考えた理由(予測)があるなら書いてください。なぜ今まで入れていなかったのかも教えてください」
  • 自社の他のページとのカニバリを確認してください。重複していそうなページがあればURLも出してください」
  • 「うちには〇〇(著書・受賞・独自データ)があるのに一度も出てきません。入れたほうがよくないですか

そして最後に、これを1回だけ投げてください。次回から往復が減ります。

このやり取りは毎回必要になりますか。私(発注する側)が改善できることがあれば教えてください

まとめてコピーしたい方へ(この枠を全部選択してください)

▼ 8つの問い・コピー用

① 記事だったらいいかもしれませんが、「だから何」という部分はなんですか? 読んだ人が何をすればいいですか。

② 今のままで勝てますか? 競合が多いと思うので勝てないと思いますがいかがですか。一次情報を多めに入れたほうがよくないですか。

③ 客観的に見て100点満点で何点ですか。構成や内容がお客様目線でないと思います。

④ だから何は回収できていますか。抜けている点は何ですか。

⑤ 良くなると考えた理由(予測)があるなら書いてください。なぜ今まで入れていなかったのかも教えてください。

⑥ 自社の他のページとのカニバリを確認してください。重複していそうなページがあればURLも出してください。

⑦ うちには〇〇(著書・受賞・独自データ)があるのに一度も出てきません。入れたほうがよくないですか。

⑧ このやり取りは毎回必要になりますか。私(発注する側)が改善できることがあれば教えてください。

※ 上から順に、1つずつ投げてください。まとめて渡すと、どの指摘に対応したのかが分からなくなります。⑦の〇〇は、自社の資産(著書・受賞・登壇・独自データなど)に置き換えてください。

「投げてみたが、返ってきた答えが正しいか分からない」ときは

AIの回答が妥当なのかを判断するには、自社サイトの状況と検索の実データを併せて見る必要があります。現状の確認と、直すべき箇所の洗い出しからご案内しています。AIとのやり取りをそのままお持ちいただくだけで結構です。

無料相談・お問い合わせはこちら

この方法で作った記事と、母数の話

📌 このセクションの要点正直に書きます。当社がAIと作った新規記事は63本。そのうち「成果が出た」と言えるのは11本(28%)です。量産しただけでは、3割も当たりません。

まず母数から。当社は自社サイトで公開記事1,170本以上を運用しており、直近16か月で341万回表示されています。そのうえで、2026年5月以降にAIと協働で作った新規記事が63本あります。

ytbs.jpの公開記事本数 1,170本以上
▲ 公開記事は1,170本以上(2026年6月時点)
ytbs.jpのサーチコンソール 16か月の表示回数推移
▲ 直近16か月で341万回表示

この63本のうち、検索データで判定が確定した39本の内訳がこうです。

※ 横スクロールできます

判定本数割合
◎ 成果が出た3本8%
○ 順位は良好8本21%
△ 要改善25本64%
✕ 弱い3本8%

出典:当社サイトのGoogleサーチコンソール実測値(判定確定分39本/残り24本は測定期間中)。

当たったのは11本、28%です。いちばん当たった記事は88クリック・CTR10.7%・平均6.1位。外れた記事は平均30位台で、ほとんど読まれていません。同じAIが、同じ人間の指示で作って、この差です。差がついたのは文章力ではなく、作る前と作った後に、どれだけ問いを立てたかでした。

記事「生成AIの会社情報が古いまま?直してから何日で変わるかを実測」のアイキャッチ画像
▲ この記事で紹介した7つの問いで、44点から94点まで引き上げた記事

なお、AIで記事を量産すべきかどうかという論点そのものについては、当社が1,170本を運用したうえでの答えを別記事にまとめています。「競合がAIで記事を量産…焦るべき?」で、量産した側の実感と数字を公開しています。

また、当社がAIとどのように記事を作ってきたのか、その全体の流れと作った記事の一覧は、実録記事にまとめてあります。「生成AIで記事制作|Claude協働の全記録」で、6つのステップと全記事リストを公開しています。

この記事についての予測(4週間後に答え合わせします)

📌 このセクションの要点ここまで「予測を書かせなさい」と書いてきました。ならば、この記事自身についても書きます。公開から4週間後に、当たったか外れたかを本記事へ追記します。

正直に申し上げると、この記事の44点→94点は、すべて当社の自己採点です。順位も、AIに引用されるかも、問い合わせも、現時点では何ひとつ分かっていません。だから先に予測を出しておきます。

※ 横スクロールできます

#こうなると考えているなぜそう考えたか
1「Claude 記事作成 プロンプト」系の語で表示されるようになる実際に検索候補を採取して、実在を確認した語だから
2プロンプト集の記事には勝てない。ただし「AIの記事がなんとなく薄い」と感じている層には届く正面から勝負せず、逆張りで書いたから。数で並ぶ記事とは土俵が違う
3AIに「Claudeで記事を良くする方法は?」と聞かれたとき、引用される可能性がある点数と実測という、他にない形式で書いたから

2番目は「勝てない」と書いています。都合の良い予測だけ並べたら、答え合わせが茶番になるからです。

2026年9月上旬に追記します

4週間後に、①どの検索語で表示されたか ②AIがこの記事を引用したか ③問い合わせが発生したか——の3点を測って、当たった予測も、外れた予測も、そのまま本記事へ追記します。結果が気になる方は、このページをブックマークしておいてください。追記は、この下に足していきます。

よくある質問(FAQ)

FAQAIが出した原稿の引き上げ方について、よくいただく質問にお答えします。
QChatGPTなど、Claude以外のAIでも同じことができますか?
7つの問いはAIの種類を選びません。ただし⑥のカニバリ確認だけは、そのAIが自社サイトを実際に見に行ける状態かどうかで結果が変わります。見に行けない場合は、既存記事のタイトルとURLを人間が貼り付けて渡してください。それで同じ判断ができます。
Q一次情報がない場合はどうすればいいですか?
まず一次情報を作るところから始めてください。AIは事実を作れないので、無いものは何回問い直しても出てきません。難しく考える必要はなく、自社のアクセス解析の数字、支援先の実名と成果、作業にかかった時間、失敗した話——どれも立派な一次情報です。他社が同じものを持っていない、という点が重要です。
Q7つ全部やる必要がありますか?順番は変えられますか?
全部やる必要はありませんが、①②③は先にやってください。方向が決まる前に材料を足しても、あとで捨てることになります。そして⑥のカニバリ確認は、当社の失敗を踏まえると本来もっと早くやるべきです。88点まで作り込んでから衝突が見つかり、作り直しになりました。
Qどれくらい時間がかかりますか?
当社の実測では、44点から94点まで正味約4時間半・往復18回でした。重いのは3つの問いだけで(一次情報の追加、カニバリ確認、構成の作り直し)、残りの4つはそれぞれ1往復・数分で終わります。1本の記事を仕上げるのに半日、というのが目安です。
QAIが出す点数は信用していいのですか?
そのままは信用できません。当社の実例では、AIが94点と採点した構成が、自社の既存記事との衝突を考慮すると実効62点でした。評価軸に入っていない項目は、AIには見えないためです。点数は「AIに自分の弱点を言語化させる道具」として使い、最終判断は人間がしてください。
Q記事を量産するのではダメなのですか?
当社がAIと作った63本のうち、判定が確定した39本で「成果が出た」と言えるのは11本(28%)でした。量産すれば当たる本数は増えますが、外れも同じだけ増えます。1本ずつ問いを立てて仕上げるほうが、結果的に手戻りが少ないというのが実感です。量産の是非については別記事に詳しく書いています。

著者について——専門はYouTube・動画活用です

最後に、書いている人間の背景を明かしておきます。この記事は生成AIの使い方の話ですが、私の本業は、中小企業のYouTube・動画活用の支援です。著書も2冊ありますが、いずれも動画活用の本で、生成AIの話は出てきません。

それでも紹介するのは、この記事の土台になっている考え方——「再生数ではなく、問い合わせ・採用・売上で測る」「自社にしかない一次情報を持つ」——が、この2冊で書いてきたことと同じだからです。道具がYouTubeから生成AIに変わっただけで、測るものは変わっていません。

書籍『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』の表紙。酒井大輔 著、セルバ出版、2026年1月発売

経営戦略は動画が最強!(2026年1月・セルバ出版)

集客・採用・売上という経営課題を動画でどう解決するか。YouTubeチャンネルの初期設定から運用方法までを、中小企業の担当者向けに解説した1冊です。内容は動画活用で、生成AIには触れていません。

書籍『ビジネスユーチューブで売れ!』の表紙。酒井大輔 著、2021年6月発売

ビジネスユーチューブで売れ!(2021年6月)

1冊目。「動画は24時間働く営業マン」という考え方の原点です。こちらも動画活用の本ですが、「何を成果として測るか」という視点は本記事と共通しています。

まとめ

  • AIの「完成しました」は、出発点。当社の実例では、その時点で44点でした。
  • 最初のプロンプトは、制約を入れすぎない。縛るのは目的、開けておくのは方法。いちばん効いた案は、指定していないところから出てきました。
  • AIが下手なのではなく、渡した器が「作業記録」だった。指示書に欄が無い項目は、埋まりません。
  • 前提は5つ。とくに一次情報が無いと、何回問い直しても上がりません。
  • 重い問いは3つだけ。残り4つは1往復で終わります。正味4時間半で44点→94点。
  • カニバリ確認は、作り込む前に。後回しにすると作り直しになります。
  • AIの自己評価は当てにならない。94点が実効62点でした。物差しに無い項目は、AIには見えません。
  • 「抜けている点は何ですか」が最強の質問。AIは聞かれれば答え、聞かれなければ黙っています。

当社は、この進め方を自社サイトで実際に使い、作った記事の成果も外れも公開しています。同じことを自社サイトでどう進めればいいか整理したい方向けに、支援内容と費用を「LLMO対策・生成AI時代のSEOコンサル」のページにまとめています。AIとの進め方の設計から、一緒に手を動かすご支援もしています。

中小企業の生成AI活用

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