Claude#複数エージェント#検査#役割を分ける

8つに分けたClaudeの役割と、実際に起きたこと|成功も失敗も、時刻つきの記録で

競合30本を実測(2026年8月23日)8つの役割で27時間の実録失敗もそのまま公開

著者:酒井大輔(ITコーディネータ) | 公開日:2026年8月24日

この記事の要点「あなたは優秀な編集者です」と名乗らせても、AIは賢くなりません。これは他社の検証でも出ている話で、効果はほぼ変わらないという結果が公開されています。ではどうするか。当社がやったのは、肩書きを付けることではなく、工程を分けることでした。作らせるチャットと、それを検査するチャットを別に立てる。それだけで、AIの側から「それは違うと思います」と返ってくるようになりました。この記事では、8つに分けた役割と、実際に起きたこと(成功も失敗も)を、時刻つきの記録で出します。開発はしていません。
📌 30秒まとめ効いたのは「役割を分けた」ことではなく、「作った本人に検査させない」ことでした。当社はClaudeを8つに分けています(裁定1・作業6・見張り1)。人がやるのは4つだけ。
  • 肩書きを名乗らせるのは効きません。効くのは工程を分けて、別のチャットに検査させることです
  • 検査役を立てた初日に、自分では見つけられなかった破綻が11件出ました
  • 続ける/やめるの判定は28日。見るのは「時間」で、クリック率では判定しません
  • 2026年8月22〜23日の27時間で、記事28本の更新・画像11枚・新記事1本の公開。時刻つきで出します
📌 先に、この記事の立ち位置をお伝えしますこの記事でいう「複数に分ける」は、Claude Code のサブエージェントやエージェントチームを使った開発構成のことではありません。ふつうのチャット画面を、役割ごとに分けて立てているだけです。プログラムは1行も書いていません。
  • エンジニア向けの実装解説(APIの組み方・設定ファイルの書き方)をお探しの方には、この記事は合いません。
  • 「非エンジニアが、実務でどう回すのか」をお探しなら、ここから先が役に立つはずです。
公式の仕組みとの違いは、1-3であらためて整理します。

先に、実物を見てください。これが2026年8月22日からの27時間です。

図1:2026年8月22日11時〜23日16時に、実際に何が動いたか(WordPressの更新記録から作成)

27時間のタイムライン=記事の更新27回・画像11枚23:00〜6:0011:0014:0017:0020:0023:0002:0005:0008:0011:0014:00記事画像8月22日 11:00 → 8月23日 16:00(当社実測)
酒井大輔 ITコーディネータ ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表

ITコーディネータ。中小企業のWebマーケ・動画活用・SEOを支援。2021年から自社ブログを継続運用し公開記事は1,170本以上(2026年6月時点)。著書は『ビジネスユーチューブで売れ!』(2021年6月)と『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』(セルバ出版・2026年1月)の2冊。当社はAIエージェントの専門家ではありません。中小企業の支援の現場で実際に使い、必要だと分かった範囲だけをお伝えしています。開発や高度な連携の話を深追いしないのは、そのためです。この記事の数字は、すべて自社または支援先で実際に計測したもの、もしくは一次情報にあたって確認したものです。代表プロフィール

酒井大輔の著書『ビジネスユーチューブで売れ!』の書影(2021年6月発売) 酒井大輔の著書『経営戦略は動画が最強! 集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』の書影(セルバ出版・2026年1月発売)

1-1「あなたは優秀な◯◯です」と名乗らせても、AIは賢くなりません

📌 このセクションの要点プロンプトの冒頭で肩書きを名乗らせる方法は、文体をそろえる効果はあっても、正しさが上がるわけではありません。効果はほとんど変わらなかったという検証が、複数公開されています。当社が変えたのは、肩書きではなく工程のほうでした。

当社も最初は、冒頭に肩書きを書いていました。ですが、返ってくるものは変わりませんでした。変わったのは口調だけです。専門家を名乗らせると自信のある口調で間違ったことを言うようになり、むしろ危ないと感じました。そこで変えたのは、肩書きではなく工程のほうです。1つのチャットに作らせて同じチャットに点検させるのをやめ、作る役と検査する役を別のチャットに分けました。次から、その中身を出します。

⚠ 肩書き付与の効果については、効果がほぼ変わらなかったとする検証が複数公開されています。当社は原典を再現していないため、数値は引用しません。ここに書くのは、当社が自分の作業で実測したことだけです。

ここだけ覚えてください肩書きは、AIの中身を変えません。変わるのは、誰が検査するかを変えたときです。

1-2いま動いている8つの役割|開発ではなく「配置」です

📌 このセクションの要点プログラムは1行も書いていません。チャットを役割ごとに立てて、担当と禁止事項を渡しているだけです。いま動いているのは8つ。人がやるのは4つだけです。

※ 横スクロールできます

表1:当社が立てている8つの役割と、それぞれに渡したもの(2026年8月22日時点・当社実測)
役割渡したものやってはいけないと決めたこと
裁定する役1判断の基準/検収の合格条件/これまでの決定の記録自分では実作業をしない。作った本人に検査させない
作業する役6担当する範囲を1つだけ/禁止事項/報告の形担当の外に手を出さない。同じ対象を2つが同時に触らない
見張る役1決まった曜日に、決まった指標を取って報告する手順数字の解釈をしない(報告だけ)
人(酒井)1やるのは4つだけ:裁定の最終承認/本文の貼り付け/サーバー設定の開閉/実名や掲載可否の判断

数は関係ありません。当社が8つなのは、記事を毎日のように動かしているからです。ふつうは2つで足ります——作る役と、検査する役です。

ここだけ覚えてください増やすほど良くなるわけではありません。1つ増やすなら、まず「検査する役」を増やしてください。

1-3作った本人に、検査させない

📌 このセクションの要点これが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。同じチャットに作らせて点検させると、ほぼ「問題ありません」で返ってきます。別のチャットに検査させた初日に、自分では見つけられなかった破綻が11件出ました。この考え方を主張として書いている記事は、調べた30本のうち0本でした。

人間の会社では当たり前のことです。自分が書いた書類を、自分で検品して出荷する会社はありません。ところがAIになると、なぜか同じチャットに「確認して」と頼んでしまいます。そして返ってくるのは、たいてい「問題ありません」です。

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表2:同じチャットに点検させた場合と、別のチャットに検査させた場合の違い(当社実測・2026年8月)
同じチャットに点検させる別のチャットに検査させる
返ってくる言葉「問題ありません」「修正しました」「ここは前の章を消しているので、辻褄が合いません」
初日に出た指摘0件(自己点検では出ませんでした)11件
見つかるものの性質誤字・表記ゆれなど、数えられるもの通して読まないと分からない破綻(前章を消したのに「先ほど述べたとおり」が残っている等)
かかる手間ゼロ(同じ会話の続き)新しいチャットを1つ開いて、数行貼るだけ
追加の費用なし(同じ契約の中で開けます)

初日の11件は、すべて自己点検では出なかったものです。そのうち3件は、その日に自分でやった修正が原因でした。直したつもりが壊していたわけです。作った本人には、これが見えません。

もうひとつ、はっきり効いた場面があります。検査を担当したチャットが、依頼した側の「前提そのもの」を実測で否定しました。そのまま進んでいたら、正しく動いているものを壊す修正が入っていました。役割を分けていなければ、素通りしていた場面です。

公式の言葉でいうと、どれに当たるのか

この「作る側と検査する側を分ける」考え方は、当社の思いつきではありません。Anthropicが公開している「Building effective agents」に、Evaluator-optimizer(一方が答えを作り、もう一方が評価とフィードバックをループで返す)として説明されています。当社がやっているのは、それを開発ではなくふつうのチャット運用に置き換えたものです。

ただし、当社の運用は公式の「サブエージェント」でも「エージェントチーム」でもありません。原典を確認したところ、サブエージェントは1つのセッションの中で動く仕組みエージェントチームは複数のClaude Codeを動かす仕組みで、しかも実験的機能として既定では無効と明記されていました。当社がやっているのは、画面を分けて人が渡すという、もっと素朴な方法です。

出典:Anthropic「Building effective agents」(原典)/Claude Code のサブエージェント(公式ドキュメント)/エージェントチーム(公式ドキュメント)。いずれも2026年8月24日に確認。⚠「複数のチャット画面を役割ごとに分ける運用」を公式が名前を付けて定義した記述は、確認できませんでした。そのため、この記事では公式用語を当社の運用に当てはめず、「近い考え方」としてだけ紹介しています。

「30本のうち0本」の調べ方

数字を出す以上、調べ方も書いておきます。

  • 調査日:2026年8月23日
  • 検索:Google(日本語)
  • クエリ:「Claude 複数エージェント」「AI 議論 させる」「AI ペルソナ 意味ない」の3つ
  • 対象:各クエリの上位10本。重複を除いて計30本(広告と当社サイトは除外)
  • 採取:各ページを実際に開いて、本文の見出しを全数採取。見出しを採れたのは24本で、残り6本は動画・SNS・Q&A形式のため見出しがなく対象外
  • 結果「作った本人に検査させない」を主張として立てている記事は0本

社名は挙げません。批評ではなく、この記事が何を足そうとしているのかを示すための調査です。

ここだけ覚えてください今日からできることは1つだけです。作らせたチャットとは別のチャットを開いて、そこに「第三者の目で見てください」と貼ってください。それだけで変わります。

1-4それぞれに渡している文(そのまま載せます)

📌 このセクションの要点渡しているのは数行の文章だけです。長いマニュアルはありません。ただし、この手のプロンプト例は世の中にたくさんあります。大事なのは文面そのものではなく、①の「作った本人に検査させない」と、③の「要約で判断しない」の2行です。

① 裁定する役(作業はしない)

あなたは裁定と検収の担当です。自分では作業をしません。 ・担当=方針を決める/できあがったものを検収する/記録に残す ・禁止=作った本人に検査をさせること。自分で実作業をすること ・検収は「数えられること」で判定してください(件数・整合・抜けの有無) ・判断が必要になったら、まとめて私に上げてください

② 作業する役(担当は1つだけ)

あなたの担当は次の1つだけです:〈担当する範囲を書く〉 ・禁止=担当の外に手を出さない/同じ対象を他の担当と同時に触らない/推測で書かない/削除・公開・送信はしない ・報告は3つに分けてください:やったこと/確かめたこと/確かめていないこと ・迷ったら、勝手に決めずに私に上げてください

「確かめていないこと」を書かせるのが効きます。ここが空欄で戻ってきたら、たいてい確かめていません。

③ 検査する役(この2行が本体です)

第三者の目で見てください。お世辞は要りません。 ・本文を先頭から最後まで、実際に全部読んでください(要約で判断しない) ・見た目は画面の写真を3〜5枚撮って確かめてください ・数えられることは依頼側で済ませています。あなたが見るのは通して読まないと分からない破綻です ・「該当なし」で構いません。推測で埋めないでください

「要約で判断しない」を入れる前は、ざっと見て「問題ありません」と返ってきていました。この1行を足した初日に、11件出ています。

④ 見張る役(毎週・自動)

毎週〈曜日〉に、〈見る指標〉を取って報告してください。 ・禁止=数字の解釈をしないこと(良い・悪いを書かない) ・報告は、前回との差と、取得した日時だけ

4つに共通して渡している3行

・消さない、送らない、公開しない(最後の実行は人がやります) ・分からないことは、推測で埋めない ・決めることが出てきたら、必ず私に上げてください
ここだけ覚えてください文面を写しても、同じチャットに検査させていたら効きません。効いているのは、渡す相手を分けたことのほうです。

2-127時間の記録|何時に、何が動いたか

📌 このセクションの要点体制の説明だけでは伝わらないので、実際の27時間を時刻つきで出します。2026年8月22日11時から23日16時までに、記事27本が更新され、画像を11枚作り、新しい記事を1本公開しました。深夜1時台にも2本動いています。調べた30本のうち、時刻つきの作業ログを出しているのは1本だけでした。

冒頭に置いた図と、下の表は、WordPressに残っている更新の記録から機械的に作りました。あとから思い出して書いたものではありません。

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表3:2026年8月22日11時〜23日16時に動いたこと(抜粋・WordPressの更新記録より)
時刻動いたこと
8/22 11:23見出し画像を1枚作成
8/22 日中URLの転送設定を22本ぶん実施(11本+転送の重なり解消7本+4本)。これは記事の更新記録には残りません
12:32〜12:35記事3本を続けて更新(3分間)
18:28 → 18:29見出し画像を作り、その1分後に記事へ反映
20:59新しい記事の下書きが始まる
22:45/23:22作り変えた記事を2本、続けて反映
8/22 深夜サイトマップ全404件を、転送の取りこぼしがないか全数点検
8/23 01:02/01:16深夜に記事2本を更新。この前後に、経営者の裁定が5件
08:31〜09:51記事9本を1時間20分で更新
09:22前夜20:59に書き始めた記事を公開(約12時間半)
09:20サイトの防御設定(WAF)を人が開ける。ここは人にしか権限がありません
11:14/15:13作り変えた記事を反映(15:13は見出し画像も同時に差し替え)

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表4:27時間で動いた実数(当社実測・2026年8月22日11時〜23日16時)
項目実数
更新された記事27本
新しく作った見出し画像11枚(すべて自作)
公開した新記事1本(着手20:59 → 公開09:22=約12時間半
いちばん短い更新の間隔3分
23時〜6時の更新2本
人がやったこと4つだけ(裁定・貼り付け・設定の開閉・掲載可否の判断)

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表5:やり取りの側の記録(同じ27時間・件単位の集計)
項目実数
記録に残った受け渡し86件 ※1件=1往復以上の下限値
差し戻しの記録7箇所
保留(そのまま進めなかった)の記録9箇所
撤回・棄却・中止6件
決めて残したルール32箇所

出典:WordPressに記録された投稿の更新日時と画像の登録日時(2026年8月22日11:00〜23日16:00)。転送設定・全数点検・防御設定の開閉は投稿の更新記録に残らないため、管理する側の記録から補いました。⚠これは8つの役割の合計です。1人が27時間続けて作業したわけではありません。⚠時刻の粒度が違います。WordPressの更新記録は分単位、管理する側の記録は件単位です。裁定の正確な回数と時刻は記録が件単位のため出せません。出所の立たない数字は載せないのが当社のルールです。

差し戻し7・保留9・撤回6のほうを見てください。作った量ではなく、そのまま通さなかった回数です。ここが働いていないと、量はそのまま事故になります。

深夜1時台の2本についても、正直に書きます。「AIが勝手に進めた」わけではありませんでした。記録を確かめると、この時間帯に経営者の判断が5件下りています——情報共有の範囲、実名の扱い、導線の変更、定期タスクの申告、月次点検の追加。深夜でも、裁定だけは人を通っていました。

ここだけ覚えてください作業は人が見ていない時間も進みます。ただし「決めること」は、時間帯に関係なく人に上がってきます。そうなるように渡してあるからです。

2-2実際のやり取り|経営者は、何と言ったか

📌 このセクションの要点体制の図より、実際に何と言ったかのほうが参考になると思います。この27時間から4つ出します。共通しているのは、細かい作業の指示が1つも無いことです。

1|速さより、安全を選んだ

「これもWAFではなくHTMLを作り直して、私が貼り換える形でいかがでしょうか?」

AI側は「自動で直せます」と提案していました。それに対してサイトの防御設定を開けずに、AIが原稿を作って人が貼る分担を選んでいます。できるかどうかではなく、開けていいかどうかで決めた場面です。以後これが標準になりました。

2|判断だけを吸い上げた(深夜1時台)

「私が判断しなければいけないことは何ですか?具体的にわかりやすく教えてください。」

この一言で判断待ちが整理されて出てきて、その場で5件とも決まりました。全部を追いかけなくても、決めることだけは人に届く——仕組みが効いている実例です。

3|定期的に、全体を握り直した

「改めてですが残っているタスクをすべて出してください。全てです。」

丸投げではありません。ときどき止めて、残っているものを全部出させます。これをやらないと、動いているものは見えても止まっているものが見えなくなります。

4|境界は、人しか触らない

「今wafをオフにしています」

「wafはオンにしました」

作業する側から「自動で修正できませんか?」と聞かれても、防御設定を開け閉めするのは常に本人です。どのAIにも権限がありません。

4つとも、作業のやり方は指示していません。言っているのは「どちらの方法を採るか」「何を決めればいいか」「全部出して」「いま開けた・閉めた」だけです。これが「人がやるのは4つだけ」の中身です。

発言は経営者本人の言葉です(掲載について本人の承認を得ています)。個別のチャット名や社内のファイル名は出していません。

ここだけ覚えてください必要なのは細かい手順書ではありません。「決めることが出てきたら必ず私に上げて」と最初に言っておくことだけです。

3-1検査する役は、実際に何をしているのか

📌 このセクションの要点検査は3つに分かれます。①数えられること ②通して読まないと分からないこと ③そもそも前提が正しいか。いちばん取りこぼすのは③で、ここを先にやると作業そのものが要らなくなることがあります。

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表6:当社が使っている検査の3段階(2026年8月時点・当社の運用ルール)
何を確かめるかやり方取りこぼしやすいこと
数えられること件数・タグの開閉・リンクが生きているか。全部AIにやらせます「消えていないか」は分かるが、「本来あるべきものが無い」は分からない
通して読まないと分からないこと作った本人ではない別のチャットに、最初から最後まで読ませます前の章を消したのに「先ほど述べたとおり」が残る、といった断絶
そもそも前提が正しいか着手する前に、その思い込みを実測で確かめますここを飛ばすと要らない作業を丁寧にやってしまいます

①には、はっきりした限界があります。当社は改修の前後で内部リンクを機械照合していましたが、それは「あったものが消えていないか」しか見ていません。「本来あるべきリンクが無い」ことは、この検査では絶対に見つかりません。実際、送客リンクが2本抜けていたのを、あとから人の指摘で見つけました。

いちばん効いたのは③です。2026年8月22〜23日の1日で、着手する前に前提の崩れが6件見つかりました。そのうち1件では、動かない改修8本分をまるごと中止できました。人手が足りない会社ほど、この「やらなくていい作業を止める」価値は大きいはずです。

ここだけ覚えてください「その前提、本当ですか」を着手前に1回だけ挟んでください。これだけで、要らない作業が消えます。

3-2AIが「それは違う」と止まった、4つの場面(うち1件はAI同士)

📌 このセクションの要点「任せて大丈夫か」への答えとして、AIのほうからブレーキがかかった場面を4つ出します。調べた30本のうち、こうした実例を載せているのは2本だけでした。

1|判断を人に戻してきた

同じ数字を3回目に書き換えようとしたところで自分の誤りに気づき、「3回目の書き換えは自分で決めない」と人の裁定を求めてきました。作業を止めて確認を上げてくる、という動き方です。

2|指示に従わなかった

「594本という数字を588本に直して」という指示に対し、数えている対象が違うと説明して、実行しませんでした。引き算は合っていましたが、「算数が合うことは根拠にならない」という判断です。

3|検査役が、依頼した側を止めた(AI同士)

検査を担当したチャットが、依頼した側の誤った前提を実測で否定しました。そのまま進んでいたら、正しく動いているものを壊す修正が入っていました。役割を分けていなければ、素通りしていた場面です。

4|推測で書かなかった

社名の分からない事例に実名を入れる指示に対し、「推測で書くわけにいかない」と保留しました。誤っていた記録も、黙って消さずに「撤回」と経緯ごと書き換えています。

4つに共通しているのは、「速く出す」より「確からしさ」を優先した点です。これは性格ではなく渡し方でそうなります。担当と禁止事項を決め、検査する側を別に立てておくと、こうなります。

ここだけ覚えてください止まってくれるかどうかは、AIの賢さの問題ではありません。「迷ったら人に上げてよい」と最初に渡してあるかどうかです。

3-3うまくいかなかったことも、そのまま書きます

📌 このセクションの要点失敗そのものより、失敗が見つかる仕組みがあるかどうかが大事です。ここに挙げた6件は、すべて公開前や作業中に見つけて、その場でルールにしました。調べた30本のうち、自社の失敗を実録として書いているのは2本だけでした。

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表7:当社で実際に起きた失敗と、そこから決めたルール(2026年8月・当社実測)
起きたこと決めたルール
別の文字体系の文字が1件まぎれ込んだ公開前に、使っていないはずの文字が入っていないかを機械で数える
ほかの記事から流用したとき、公開日を直接書いた箇所と、下書き用の目印が残った流用したら、日付の直書き・自己参照・目印の残りを必ず点検する
「もう入っているか」の判定が、見た目の指定に使う同じ名前に当たって誤作動した判定の前に、装飾の指定部分を除いてから数える
調べた結果が0件だったのを「該当なし」と読み違えた(裁定する側と作業する側が、別々に同じ落とし穴に落ちた)0件が出たら「本当に0なのか、調べ方が悪いのか」を先に疑う
貼り付けが「置き換え」ではなく「追記」になり、設定が二重になった貼り付けたあとに、件数が想定どおりかを毎回数える
本来あるべき送客リンクが2本抜けていた(機械照合は「消えていないか」しか見ていなかった)「消えていないか」とは別に、「あるべきものがあるか」を突き合わせる

4件目に注目してください。裁定する側と作業する側が、別々に同じ間違いをしました。役割を分けても、同じ思い込みは同時に起こります。だから最後は人が見ます。

ここだけ覚えてください失敗を減らそうとするより、失敗が公開前に見つかる場所を作るほうが早いです。当社の場合、それが「別のチャットに通して読ませる」でした。

4-1続ける/やめるを、いつ・何で決めるか

📌 このセクションの要点判定は28日。見るのは「時間」が先で、クリック率では判定しません。数字には必ず「いつからいつまで」と「どの範囲か」を書きます。やめる基準は「時間が減っていないとき」です。調べた30本のうち、判定基準を数字で示していたのは1本だけでした。

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表8:続ける/やめるの判定の作法(当社の運用ルール・2026年8月時点)
決めること当社の決め方理由
いつ判定するか28日。1週間では決めない当社が8月に公開した10本は、公開1週間の時点で表示160回・クリック2回でした。ここでやめていたら何も分かりません
何を見るか①作業時間 ②表示回数の順。クリック率では判定しないクリック率は、社名で調べた人や画像目的の人に引っ張られて判断できなくなるため
数字の書き方「いつからいつまで」と「どの範囲か」を必ず併記する条件の違う数字を、見た目が近いからといって1つにまとめない。これは当社が実際に間違えて、直したところです
やめる基準時間が減っていないとき量を増やすのではなく、渡す仕事を1つに絞り直します。多くは渡し方の問題だからです
誰が決めるかAIは判定材料を出すところまで。続ける/やめるは、責任を持つ人が決める
ここだけ覚えてください最初の1か月は、ほとんど成果が出ません。だから「時間が減ったか」を先に見ます。時間が減っていれば、続ける理由になります。

4-2任せる前に決めておくこと|権限と、渡さない情報

📌 このセクションの要点当社の線引きは単純で、「戻せない操作は渡さない」の一点です。

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表9:当社の線引き(何を渡し、何を渡さないか・2026年8月時点の運用ルール)
対象扱い理由
下書きの作成・調べもの・数え上げ渡す間違っても戻せる
公開されている情報の集計・整理渡す同上
削除・公開・送信渡さない戻せないから。最後の実行は人がやります
パスワード・鍵・決済渡さない事故が起きたときの影響が大きすぎるため
お客様の実名・未公開の実績渡さない掲載可否は人が判断する。推測で社名を書かせない
ここだけ覚えてください権限の線引きは「戻せるかどうか」だけで分けてください。

4-3明日から、2つの役で始めてください

📌 このセクションの要点8つも要りません。「作る役」と「検査する役」の2つを立てるだけで、この記事に書いたことの半分は再現できます。追加の費用はかかりません。

※ 横スクロールできます

表10:最初の1週間と、28日後にやること(当社の運用ルールを最小構成に落としたもの)
やることここでつまずきやすい
1日目渡す仕事を1つだけ決める(例:会議のメモを議事録の形にする)いくつも渡すと、どれが効いたか分からなくなります
2日目いまその仕事に何分かかっているかを測るここを測らないと、あとで続ける/やめるが決められません
3日目チャットを2つ立てる。片方に「作る」、もう片方に「検査する」と渡す同じチャットに両方やらせないでください。自分の書いたものは正しく見えます
4日目「やってはいけないこと」を3行だけ渡す(削除しない/送信しない/推測で書かない)禁止事項が無いと、良かれと思って余計なことをします
5日目検査する役に「この前提、本当ですか」と聞かせるここで作業そのものが要らなくなることがあります
28日目時間が減ったかどうかだけを見て、続ける/やめるを決める1週間では判断しないでください

「うちは、どの仕事から渡せばいいのか」を一緒に決めたい方へ

業種や社内の体制によって、最初に渡すべき仕事は変わります。生成AI活用のコンサルティングでは、渡す仕事の選び方から、検査する役の作り方までご一緒します。無理に導入をおすすめすることはありません。

生成AI活用コンサルの内容と費用を見る

よくある質問(FAQ)

Q1つのAIに全部やらせるのと、何が違うのですか

止まるかどうかが違います。同じチャットに作らせて点検させると、ほぼ「問題ありません」で返ってきます。作る役と検査する役を別にすると、AIの側から「それは違う」と返ってきます。当社が検査する役に数行を渡した初日に、自分では見つけられなかった破綻が11件出ました。

Q「あなたは優秀な◯◯です」と役割を与えるのは、意味がないのですか

文体をそろえる効果はありますが、正しさは上がりません。効果がほとんど変わらなかったという検証も公開されています。むしろ専門家を名乗らせると、自信のある口調で間違ったことを言うようになります。肩書きではなく、工程を分けてください。

Qチャットを8つも立てないといけませんか

要りません。「作る役」と「検査する役」の2つで十分です。当社が8つなのは、記事を毎日のように動かしているからです。効いているのは数ではなく、作る側と検査する側を分けたことです。費用はこちらの記事にまとめています。

Q検査する役には、何を貼ればいいですか

本文の1-4に、当社が実際に渡している文をそのまま載せています。とくに大事なのは「本文を先頭から最後まで実際に全部読んでください(要約で判断しない)」「該当なしで構いません。推測で埋めないでください」の2行です。この2行を足す前は、ざっと見て「問題ありません」と返ってきていました。

Q情報漏えいが心配です。何を渡さなければいいですか

「戻せない操作」と「人に判断が要るもの」を渡さない、の2つだけで線引きできます。削除・公開・送信・パスワード・決済、そしてお客様の実名や未公開の実績です。詳しくは生成AIに入力してはいけない情報に書いています。

Q社内に詳しい人がいません。誰が担当すればいいですか

当社の場合、コードを書ける人は関わっていません。人がやっているのは裁定・貼り付け・設定の開閉・掲載可否の判断の4つだけです。その仕事の中身を分かっている人が担当してください。技術の知識より、できあがったものが正しいか判断できることのほうが重要です。

Qどれくらいで効果が出ますか

作業時間は初月から減ります。ただし問い合わせや売上が動くのは、そのあとです。当社も最初の約1か月は、ほとんど成果が出ていません。判定は28日で、まず「時間が減ったか」だけを見てください。

QAIが間違えたとき、責任は誰が取るのですか

人です。だから当社は、公開・送信・削除といった戻せない操作を渡していません。最後の実行は必ず人がやります。責任の所在を変えないために、権限のほうを絞るという考え方です。

Q最初に渡す仕事が決められません

「毎週やっていて、間違えても戻せる仕事」から選んでください。議事録、報告書の下書き、一覧の整理などです。迷う場合は60分の無料診断で、いまの仕事のうちどれが渡せるかを一緒に切り分けます。

この記事のまとめ

  • 肩書きを名乗らせても、AIは賢くなりません。変わるのは、誰が検査するかを変えたときです
  • 効いたのは「作った本人に検査させない」の一点。調べた30本のうち、これを主張として書いている記事は0本でした
  • 別のチャットに検査させた初日に、自分では見つけられなかった破綻が11件出ました
  • 当社は8つに分けていますが、ふつうは2つで足ります(作る役・検査する役)。追加の費用はかかりません
  • 判定は28日。まず「時間が減ったか」だけを見てください。クリック率では判定しません
  • 権限の線引きは「戻せるかどうか」だけ。削除・公開・送信・決済は渡しません
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「うちは、どの仕事から渡せるのか」を一緒に決めます

渡す仕事の選び方から、検査する役の作り方まで。
自社でやれそうな場合は、そうお伝えします。

※ 60分の無料診断では、AI検索と自然検索での自社の見え方を実データで確認します。
※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。

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