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Claude実務#生成AI活用#SEO・LLMO対策

Claudeでブログを運用した全記録|指示書・8軸の採点表・失敗5件まで公開【生成AIの記事制作】

自社サイトで累計1,170本超16か月で表示341万回失敗もそのまま掲載

著者:酒井大輔(ITコーディネータ) | 公開日:2026年8月23日 | 最終更新:2026年8月23日 | 読了目安:約18分

この記事の要点Claudeに記事を書かせると、そこそこの文章はすぐ出ます。ところが公開しても何も起きない――そこで止まっていませんか。当社が自社サイトで累計1,170本超を運用してわかったのは、成果を決めるのは文章力ではなくClaudeに渡す「紙」だということでした。実際に渡している指示書と採点表、起きた失敗、そして公開後の数字を、そのまま公開します。
📌 30秒まとめ生成AIの記事制作でつまずくのは、プロンプトの巧拙ではなく「企画」と「検収」を人が持てていないから。当社はその2つを、Claudeに渡す2枚の紙(指示書の4欄/8軸100点の採点表)に落として運用しています。
  • 企画=4つの欄。誰向け/読者の得/予測/検証方法。欄があれば、AIは埋めざるを得ません
  • 検収=8軸100点。依頼文もそのまま公開します。8番目の軸を足すまで、AIは高得点をつけていました
  • 作れば当たる、ではありません。2026年8月に公開した10本の合計は、クリック2・表示160でした
酒井大輔 ITコーディネータ 生成AI・LLMO実践 ユーチューブビジネスサポート代表

この記事の著者

酒井 大輔(Sakai Daisuke)|ユーチューブビジネスサポート 代表・ITコーディネータ

ITコーディネータ中部 理事/ITCA(ITコーディネータ協会)研修講師。動画・Webマーケティング支援で100社以上の実績。2021年から自社サイトを運用し、累計1,170本超を制作。現在はClaudeと二人三脚で、新規制作と既存記事の改善を毎日回しています。評論ではなく、自分のサイトで実際にやっている人間として書いています。代表プロフィールの詳細

酒井大輔の著書『ビジネスYouTubeで売れ!』の書影 酒井大輔の著書『経営戦略は動画が最強!集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』の書影

著書2冊『ビジネスYouTubeで売れ!』/『経営戦略は動画が最強!集客・採用・売上の課題解決!YouTube運用の教科書』(セルバ出版)。いずれもYouTubeをビジネスに使うための本です。著書の詳細はこちら

成果を決めたのは、文章力ではなく「渡す紙」でした

📌 このセクションの要点Claudeは、指示さえすれば読める文章をすぐ出します。つまずくのは、書く前の「企画」と、書いたあとの「検収」を人が持てていないときです。当社はその2つを、Claudeに渡す2枚の紙に落としました。
  • 企画の紙=指示書の4つの欄(誰向け/読者の得/予測/検証方法)
  • 検収の紙=8軸100点の採点表と、そのまま投げられる依頼文
  • この2枚が無いと、AIは「読める文章」で満点を出してきます

当社は2021年から自社サイトを運用し、累計で1,170本超の記事を制作してきました。いまはそのうち650本を公開状態にして、Claudeと一緒に毎日回しています。直近16か月で検索表示は341万回、クリックは8.98万回。流入の74.7%が自然検索で、広告からの流入は同期間で2セッションしかありません。

数字の定義(この記事では最後までこの意味で使います)

累計1,170本超=2021年から制作した記事の総数。現在公開650本=いま検索エンジンに見せている本数。2026年8月に、古い記事・重複した記事を公開から外して絞り込みました(その判断と結果は 古い記事はAIにも読まれる に別途まとめています)。

WordPress管理画面の投稿一覧。公開済みの記事数が表示されている、当社サイトの実画面
▲ 本数は画面から取っています。この記事の数字はすべて、サーチコンソール・GA4・WordPress管理画面の実測です。

つまずいているのは、あなただけではありません

86.4%
日本企業のうち、何らかの業務で
生成AIを使っている割合
71.2%
用途別の1位は「議事録・メール作成補助」
=文章をつくる仕事
35.3%
企業が懸念するリスクの2位
「出力結果の精度に問題がある」

総務省の最新調査では、日本企業の86.4%が、何らかの業務ですでに生成AIを使っています。そして用途別でいちばん多いのは「議事録・メール作成補助」で71.2%、効果を実感できた割合も72.3%で全用途中いちばん高い——文章をつくる仕事は、生成AIが最も使われ、最も効いている領域です。

それでも手応えが出ないのはなぜか。同じ調査で、27.0%が「組織的な取組はない」と答えています(米国1.4%・ドイツ4.9%・中国2.6%)。さらに企業が懸念するリスクの第2位は「出力結果の精度に問題がある」で35.3%使ってはいる。けれど、渡し方と受け取り方の型が無い——止まっているのはここです。だからこの記事は、抽象論ではなく当社が実際に使っている紙(指示書と採点表)をそのまま出します。

出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月24日公表)第Ⅰ部第2章第1節 企業におけるAI利用の現状(図表Ⅰ-2-1-6 生成AIを一つ以上の業務で利用している割合〔日本 n=477〕/図表Ⅰ-2-1-7 業務類型ごとの生成AI活用状況と効果の実感〔日本〕/図表Ⅰ-2-1-3 生成AIによる業務変革等に関する組織的な取組状況〔日本 n=497〕/図表Ⅰ-2-1-8 生成AIの活用に関して懸念されるリスク)。調査は総務省(2026)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」、2026年1〜2月実施、日本 n=515(大企業353社・中小企業162社)。

Claudeでブログ運用する6工程──1本の記事ができるまでと、実測の時刻

📌 このセクションの要点工程は6つ。人が持つのは①企画と⑤検収と⑥公開判断の3か所だけで、あいだの手を動かす部分はClaudeに渡しています。

図1:記事1本の6工程と、人が持つ場所

図1:記事1本の6工程と、人が持つ場所 ← 人が持つ    Claudeが手を動かす    人が持つ → 工程①② 企画 指示書の4欄 工程③ 一次情報 人が渡す・AIが整える 工程④ 執筆 Claude 工程④’ 入稿・メタ Claude 工程⑤ 検収 8軸100点 工程⑥ 公開判断 人が押す ▶ 公開後:測る(サーチコンソール・GA4)→ 直す → また測る 記事は「出して終わり」ではありません。工程⑥のあとが、いちばん長く続きます。 ※ 図の赤枠が「人が持つ」工程。ここを渡すと、量は出ても成果は出ません。
▲ 手を動かす部分ではなく、決める部分を人が持ちます。

実測:ある1日の時刻表(大量処理を任せた日)

「Claudeに任せる」がどれくらいの粒度なのか、時刻で見たほうが早いと思います。これは、サイト内の整理作業をまとめて任せた日の実測です。

※ 横スクロールできます

表1:ある1日の作業時刻表(サイト内の整理作業をまとめてClaudeに任せた日の実測)
時刻担当やったこと
7:55〜10:08Claudeどこからもリンクされていないページを、1本ずつ実際に開いて確認 → 221ページを特定
13:14〜15:48Claudeどこから直すか、何をやってはいけないかを指示書にする
〜18:55Claude1回目の実行(201ページ)
〜20:47Claude2回目の実行(残り)
21時台〜深夜Claude報告書にまとめ、1件ずつ検収して台帳に記録(報告書9本+検収8件)
この日ずっと手を動かしたのは5回だけ。下した判断は合計9件と、事故のときの「止める・再開する」だけ

出典:当社サイトでの作業ログ(実測)。この日の全体像は 古い記事はAIにも読まれる に記録しています。

1日の3分の2は、1本も触っていません。ここが「AIに書かせる」と「AIに仕事を渡す」の違いです。人は待っているのではなく、判断が必要になったときだけ呼ばれる形になります。

工程①②|企画:Claudeに渡している指示書の「4つの欄」

📌 このセクションの要点記事の良し悪しは、ここでほぼ決まります。当社がClaudeに渡す指示書には、あとから足した4つの欄があります。欄があれば、AIは埋めざるを得ません。逆にいえば、欄が無いものは埋まりません。これが、AIとの仕事でいちばん再現性のある改善でした。

1誰向け

読んでほしい人の立場・状況。「中小企業の経営者」では粗すぎます。「生成AIを契約したが、記事を書かせても公開まで行かない担当者」まで下ろします。

2読者の得

読み終えた人が何をするかを1文で。ここが書けない企画は、だいたい書いても効きません。

3予測

なぜ良くなると考えたか。仮説だと明記して書くのがコツです。断定にすると、あとで答え合わせができなくなります。

4検証方法と時期

いつ・何を測って答え合わせをするか。「28日後にサーチコンソールで、この語の表示が出ているか」まで書きます。

なぜこの4欄なのか

Claudeは、聞かれたことには答えます。聞かれていないことは答えません。だから「誰向けか」を聞かない指示書からは、誰向けでもない記事が出てきます。逆に4つの欄を置いておくだけで、企画の段階でこちらが考えざるを得なくなる――効いているのは、AI側ではなく人間側の強制力のほうです。

工程③|一次情報:AIが絶対に持てないもの

📌 このセクションの要点Claudeが持てないものは、ひとつだけです。あなたの会社で実際に起きたこと。数字・お客様の言葉・失敗の経緯。ここを渡せる会社ほど、同じAIから出てくるものが変わります。

“生成AIの本当の価値は、文章を速く書けることではなく、「お客様目線」での発信を“自動化”してくれること。専門知識を持つ会社ほど“自分が言いたいこと”を書いてしまう――そこを、AIが自然に整えてくれる。”

―― ITコーディネータ・酒井大輔の考え方(著書ほか)

一次情報さえ渡せば、「お客様が知りたい順」に並べ替える作業は、Claudeが手伝ってくれます。多くの会社がつまずいてきたいちばんのハードルは、ここで下がりました。裏を返せば、渡す一次情報が無ければ、AIには整える材料がありません。

生成AIで作った記事が似たり寄ったりになるのは、AIの性能のせいではありません。全員が同じ材料(公開情報)を渡しているからです。当社が記事に入れているのは、たとえばこういうものです。

自社サイトの実測

サーチコンソール・GA4の生データ。表示・クリック・順位を、良い数字も悪い数字も出します。

お客様の言葉

支援先で実際に出た発言。許可を取って実名で載せています。

失敗の経緯

やってみて効かなかったこと、事故ったこと。いちばん真似されにくい材料です。

ytbs.jpのGoogleサーチコンソール検索パフォーマンス画面。クエリ別のクリック数と表示回数の一覧が表示されている
▲ 記事に使う数字は、この画面から取ります。推測値や“盛った数字”は使いません。

ここでひとつ、面白かったことがあります。古い記事から新しい記事へ情報を移す作業をClaudeに任せたとき、出典が確認できない数字を、Claudeは移しませんでした。古い記事40本と移し先27本の中身を全部読ませたうえで、足す価値があったのは2件だけ。移し先のほうが情報量が5〜10倍あったからです。この日いちばん保守的だったのは、AIのほうでした。

工程④|執筆:プロンプトはどこまで書くか

📌 このセクションの要点最初のプロンプトに制約を詰め込みすぎると、かえって薄くなります。当社は「重い問い」を3つだけ用意して、あとは1往復ずつで進めています。記事1本の正味の作業時間は約4.5時間、やり取りは18往復でした。

プロンプトの書き方そのものは、この記事の主題ではありません(詳細は下のリンク先に分けてあります)。ここでお伝えしたいのは、時間の使われ方です。

約4.5時間
記事1本の正味の作業時間
(当社実測)
18往復
Claudeとのやり取りの回数
3件
腰を据えて考えた「重い問い」
(残り15往復は1往復ずつ)

つまり、大半のやり取りは軽いということです。重いのは「この記事は誰に何を渡すのか」「自社の他の記事とぶつからないか」といった、判断の要る3件だけでした。ここに時間を使えるようにするために、それ以外を渡しています。

下書きは速くなりました。でも、それだけでは何も起きませんでした

当社の実測では、記事1本の下書きにかかる時間は約15分から約5分へ、約66%短くなりました。数字としては立派です。ところが、それで問い合わせが1件でも増えたかというと、1件も増えていません。時短は成果ではなく、前提です。だから当社は、工程⑤(検収)と工程⑥のあと(測定)に手数をかけています。

工程⑤|検収:8軸100点の採点表(依頼文つき)

📌 このセクションの要点ここが、当社がいちばん人手をかけているところです。Claudeに、自分の原稿を8つの軸で採点させます。この採点表を、当社では〈8軸100点シート〉と呼んでいます。そして重要なのは――8番目の軸を足すまで、AIは高い点をつけていました。軸が足りないと、AIは高得点をつけてしまいます。

※ 横スクロールできます

表2:検収に使う〈8軸100点シート〉(配点つき)
#採点の軸配点何を見るか
1検索意図との一致15その語で来た人が、探していたものに答えているか
2読者利益(だから何)20読み終えた人が動けるか。説明で終わっていないか
3一次情報20自社の実測・実例が入っているか。他社が書けない内容か
4図表・可読性15表・図・箇条書きで、読まずに分かる形になっているか
5行動導線10次に読むもの・相談先が、押し売りでなく置かれているか
6差別化(社外)5競合上位が持っていない要素があるか
7自社カニバリ回避5あとから足した軸。自社の他の記事と食い合っていないか
8正直さ・信頼10数字に出典があるか。都合の悪いことも書いてあるか

そのまま投げられる依頼文

採点は、こう頼んでいます。コピーしてお使いください。

“次の8つの軸で、この原稿を100点満点で採点してください。軸ごとの点数と、減点した理由を書いてください。そのうえで、抜けている点を自分から列挙してください。”

―― 当社が検収で実際に使っている依頼文(原文)

図2:配点の重心は「読者利益」と「一次情報」に置いている

図2:8軸100点の配点──重心は「読者利益」と「一次情報」 配点(100点満点) 読者利益20 一次情報20 検索意図との一致15 図表・可読性15 正直さ・信頼10 行動導線10 差別化(社外)5 自社カニバリ回避5
▲ 文章のうまさには1点も配点していません。配点の4割は「読者の得」と「一次情報」です。

⚠ AIの点数は、そのまま信じない

この採点表を使っても、Claudeは自分が見ている範囲でしか採点できません。自社の他の記事との食い合いは、軸を足すまで一度も指摘されませんでした。AIが高得点をつけたときほど、人が見る範囲を広げる必要があります。

工程⑥|公開と、公開後の測定

📌 このセクションの要点公開ボタンは人が押します。そして本番はそのあと。サーチコンソールとGA4で測って、直して、また測る――ここを回しているかどうかで、1年後の差が出ます。

「完成しました」から公開までの実測

※ 横スクロールできます

表3:「完成しました」から公開までの実測タイムライン
時刻やったこと
1日目 23:45Claudeから「完成しました」と原稿を受け取る
2日目 00:06/00:092つのAIに実際に質問して回答を採取(深夜でもAIは動きます)
2日目 09:033つ目・4つ目のAIにも同じ質問
2日目 09:04前日のAIの報告が誤報だったと判明
2日目 09:46検索キーワードを実採取して確定
2日目 10:00公開
2日目 10:30〜12:00外部診断の取捨/著書の抜けを追加して完了

※ 時刻が実測で確定しているのは上記のポイントのみ。所要時間の内訳は概算です。深夜0時〜朝9時は作業していません。

公開後に見ている数字

GA4の集客チャネル画面。ytbs.jpへの流入のうち自然検索が約74.7%を占め、広告経由はごくわずかであることを示している
▲ GA4:流入の約74.7%が自然検索。広告(Paid Search)は同期間で2セッションです。

ただし、ここで大事な注意があります。表示回数は成果ではありません。当社のある31日間の比較では、片付け前後で表示は253,902回から343,280回へ約35%増えましたが、クリックは3,311から3,738で13%しか増えていません。SEOの報告書では表示の増加を成果として書きがちですが、当社も以前、表示が増え続けているのに問い合わせが1件も増えていない状態を、長く見過ごしていました。

図3:表示は35%増えた。クリックは13%しか増えていない(当社実測・31日比較)

図3:31日比較──表示は35%増、クリックは13%増 表示回数 253,902(前) 343,280(後) +35% クリック 3,311(前) 3,738(後) +13% ▶ 表示が増えても、クリックが同じだけ増えるとはかぎりません。報告書で「表示が伸びた」と書きたくなるのは、ここです。
▲ 同じ期間で、表示とクリックの伸び方はここまで違いました。見るべきはクリックのほうです。

出典:当社サイトのサーチコンソール実測(5/11〜6/10 と 7/11〜8/10 の31日比較)。この期間に何をしたかは 古い記事はAIにも読まれる に記録しています。

この工程を、自分の会社で回せるようにしたい方へ

ここまでの指示書・採点表・チェックリストは、そのままお使いいただけます。「読んだけれど、自分の会社に当てはめるところで止まる」という場合は、研修講座で一緒に組み立てています(少人数・実際のサイトを見ながら進めます)。

Claude×SEO・LLMO 研修講座を見る

Claudeにやらせない3つと、実際に起きた失敗5件

📌 このセクションの要点上位の解説記事は、たいてい成功前提で書かれています。ここでは当社で実際に起きた失敗を5件、そのまま出します。共通しているのは1つ――AIの報告を、確かめずに信じたときに起きています。

やらせない3つ

1数字をつくらせない

実測した数字だけを使います。これを守らないと、記事全体の信用が飛びます。

2公開を判断させない

作るのはAI、出すかどうかを決めるのは人。ここは渡しません。

3取り消せない操作をさせない

URLの転送設定(301)などは、AIに触らせないと決めています。避難ハシゴだけは、作業する人に持たせない。

実際に起きた失敗5件

※ 横スクロールできます

表4:実際に起きた失敗5件と、そこから決めたルール
#何が起きたか中身いま決めていること
1転送設定の誤報「完了しました」とAIが報告。報告を信じたが、実際は転送が効いていなかった(1件)。後日、実URLにアクセスして着地を確認して発覚転送は必ず人が実URLで着地を確認してから完了とする
2タイトルの一括修正で取り違え5回の取り違え。月638回表示の記事も含まれていた。一括反映後に1件ずつ実ページを見て発覚一括変更のあとは必ず全件、実ページで目視確認する
3キャッシュが古い版を見せていたAIが「サイトの2か所に古い誤記が残っています」と報告。確認するとどちらも修正済み。原因は、表示速度を上げる仕組み(キャッシュ)がAIに古い版を見せていたことAIの報告は1回で信じない。「どうやって確かめましたか」と聞く
4外部AIの診断がページを読んでいなかった2本の診断のうち1本は、実際のページを読まずに書かれていた。「FAQが不足」「著者情報を追加を」――どちらも実装済み。取り入れたのは4件、見送ったのは5件レビューを受けたら、実ページを取得して照合してから採否を決める
5分類を1つ足したらURLが変わったある記事に分類を1つ追加しただけで、その記事のURLが変わった。人間もAIも、事前に知りませんでした。気づいて元に戻すまで約2分。追加予定だった10種類は10種類とも同じ危険があり、まとめて実行していたら65本のURLが同時に変わっていたAIの精度の問題ではなく、1本目で試したかどうかの問題。一括の前に必ず1本で試す

出典:当社サイトでの実作業記録。#5の詳細は 古い記事はAIにも読まれる、大量ページを一斉に直したときのサーバー側の事故は 会社情報を直して、AIの答えは何日で変わるか に記録しています。

逆に、AIのほうが慎重だったこともあります

作業対象の一覧に、すでに転送元になっていた記事が1本混ざっていました。Claudeは確認の途中でそれを見つけて手を止め、人間に判断を求めてきました。「人が慎重でAIが乱暴」という構図は、実際にはそこまで単純ではありません。危ないのは、どちらかが確かめずに進んだときです。

公開前チェックリスト──「作業のあと」まで確認する

📌 このセクションの要点チェックリストの肝は、5つ目です。作業をした「あと」に、もう一度開いて確かめる。ここを入れてから、検収の失敗がなくなりました。
  • いま本当に「公開」になっているか(管理画面の表示ではなく、実際のURLで)
  • そのURLは、ちゃんと行き先に飛ぶか(転送を設定した場合)
  • 行き先はきちんと表示されるか。自分自身に戻っていないか
  • ここまで全部通ったものだけ、次の作業に進む
  • 作業した「あと」で、もう一度ひらいて、設定が生きているか確かめる

この型で確認したとき、対象594本はすべて通過、保留0件・失敗0件でした。5つ目が無ければ、#1の失敗(転送の誤報)はまた起きていたはずです。

技術面は「やった」で終わらせない

もうひとつ、公開前に必ず見る4つの客観指標があります。好き嫌いではなく、誰が見ても同じ答えになるものだけを並べています。

① タグ整合(開閉・入れ子)

開いたタグがすべて閉じているか。閉じ過多があると、レイアウトが崩れます。

② 見出し階層

h2→h3→h4の階層が論理的に正しく、飛びや逆転がないか。

③ 可視FAQ ↔ 構造化データの一致

ページに見えているFAQの件数・文言と、構造化データが一致しているか。

④ リッチリザルトテスト合格

Googleのテストで「有効」と判定されるところまで確認する。

構造化データやFAQは、入れただけでは効いているか分かりません。当社はリッチリザルトテストの合格まで確認してから公開しています。可視のFAQと構造化データの件数・文言が一致しているかも、毎回チェック項目に入れています。

Googleリッチリザルトテストの結果画面。当社サイトの構造化データが有効と判定され、複数のアイテムが検出されている
▲ 当社サイトで実行した例。「入れた」ではなく「有効と判定された」まで見ます。

「作れば当たる」ではありません──新規10本の露出実数

📌 このセクションの要点ここまで工程を整えても、新しく作った記事がすぐ読まれるわけではありません。当社の実数を出します。都合の悪い数字ですが、これを出さない記事は信用できないと思うので。
2
2026年8月8〜17日に公開した
10本の合計クリック数
160
同10本の合計表示回数
(同じ92日間でサイト全体は875,369回)
0件
当社の上位1,000クエリに含まれる
生成AI関連の検索語

当社でいちばん表示されているページは152,607回。いっぽう生成AIの記事は、最も多いもので53回です。約2,900倍の差があります。工程を整えることと、すぐ流入が来ることは別の話です。

ではなぜ書くのか。理由は2つあります。ひとつは、検索以外の入口が育っているから。もうひとつは、細かい問いに答えた記事は、大手が絶対に書かないからです。実際、当社の記事のなかでいちばんクリック率が高いのは、ニッチな設定の話を書いた1本で――1,144回表示されて107回クリック(9.35%)。サイト全体のクリック率が1.23%なので、およそ7.6倍です。

この工程で作ったクラスタだけを、切り出して測る

もうひとつ、当社にしか出せない数字があります。この工程で作っている記事だけ(URLに /itc/ を含むページ)を切り出して、サイト全体と同じ期間で並べたものです。

※ 横スクロールできます

表5:サイト全体と、この工程で作った /itc/ クラスタの比較(2026年5月16日〜8月15日・同一90日間)
指標サイト全体/itc/ を含むページのみ
クリック1.08万289
表示回数93万1.3万
CTR1.2%2.2%
平均掲載順位7.811.3

表示回数はサイト全体の約1.4%しかありません。平均順位も全体より下(7.8位に対して11.3位)です。それなのにCTRは1.2%から2.2%へ、約1.8倍。順位が下でもクリックされているということは、タイトルとメタで「これは自分の話だ」と伝わっているということです。工程を整える効果は、まずここに出ます。

分母の定義:いずれもGoogleサーチコンソール「検索結果」レポート、2026年5月16日〜8月15日の同一90日間。「/itc/ を含むページのみ」はURLフィルタで絞った値で、サイト全体の内数です(表示回数で全体の約1.4%)。数値は画面表示のまま(丸め)を記載しています。

Google Search Consoleの検索結果パフォーマンス画面。ytbs.jpの過去3か月(2026年5月16日〜8月15日)の実績で、合計クリック数1.08万回、合計表示回数93万回、平均CTR1.2%、平均掲載順位7.8。日次の折れ線グラフでは7月上旬から表示回数が一段上がっている
▲ サイト全体(2026年5月16日〜8月15日)。クリック1.08万・表示93万・CTR1.2%・平均順位7.8。
Google Search Consoleの検索結果パフォーマンス画面。ytbs.jpのURLに「itc」を含むページだけに絞った過去3か月(2026年5月16日〜8月15日)の実績で、合計クリック数289回、合計表示回数1.3万回、平均CTR2.2%、平均掲載順位11.3。生成AI×ITCカテゴリの表示回数が5月末から立ち上がっている
▲ 同じ期間、/itc/ を含むページだけに絞ったもの。クリック289・表示1.3万・CTR2.2%・平均順位11.3。表示が立ち上がるのは5月末からです。
GA4で見たytbs.jpのAI経由セッション推移。ChatGPT・Perplexity・Gemini経由の流入が2025年以降に増加している
▲ 検索だけが入口ではなくなりました。AI経由の流入は、当社でも増えています(GA4実測)。

もうひとつ、記事とは別に効いたことがあります。サイトの土台側です。当社はキャッシュ設定とプリロードで、サーバー応答の待ち時間を約1,246msから約60〜165msへ短縮しました(当社実測)。記事をいくら整えても、開くのが遅ければ読まれません。

道具の話|なぜClaudeか、Coworkか、Claude Codeは使うのか

📌 このセクションの要点道具の比較はこの記事の主題ではないので、要点だけ。当社はClaudeを、PC上で動く「Cowork」という形で使っています。Claude Codeは使っていません。理由も正直に書きます。

なぜClaudeか

①日本語がいちばん不自然でない ②こちらに迎合せず、違うときは違うと言う ③複雑な読み解きが得意。とくに②が効きます。「この企画は既存記事と食い合います」と止めてくるのは、この性格があってこそです。

なぜCoworkか

チャットとの違いは、突き詰めるとファイルや管理画面を触らせられるかどうかの1点です。執筆だけならチャットで足ります。入稿・確認まで渡したいならCoworkになります。

Claude Codeは使っていません

記事制作の文脈でよく併記されますが、当社は使っていないので書けません。使っていないものを「おすすめ」とは書かない方針です。当社の運用はCoworkで完結しています。

モデルとプランの選び方は、それだけで1本になるので分けてあります。当社の使い方だけ書くと、ふだんは上位モデルの「高」設定、戦略を考えるときだけ最上位モデルという分け方です。重いモデルには作業をさせず、やることが決まったら軽い方に渡します。プランは最初のProでは物足りず、上位へ切り替えました。費用は上がりますが、やり取りの往復が減って生産性は上がりました。

よくある質問(FAQ)

FAQClaudeでの記事制作について、実際によくいただく質問をまとめました。
QClaudeで記事を作れますか? ChatGPTと何が違いますか?
作れます。当社が仕事を渡す相手にClaudeを選んでいる理由は、①日本語がいちばん不自然でない ②こちらに迎合せず、違うときは違うと言う ③複雑な読み解きが得意、の3点です。とくに②が効き、既存記事との食い合いを指摘して止めてくることがあります。
QClaudeとClaude Code、記事制作にはどちらを使うべきですか?
記事制作だけなら、Claude Codeは要りません。当社も使っていないため、おすすめとしては書けません。制作はPC上で動くCoworkで完結しています。チャットとの違いは、ファイルや管理画面を触らせられるかどうかの1点です。執筆だけならチャットで足ります。
QClaudeに書かせた文章はAIだとバレますか? 検索で不利になりますか?
Googleは「AIが書いたか」ではなく「役に立つか」で評価すると明言しています。不利になるのは、AIで書いたからではなく、どこにでもある内容を量産したときです。当社は自社の実測と実例を必ず入れることで、そこを避けています。
QブログをAIに書かせると、実際に順位はどうなりますか?
すぐには動きません。当社が2026年8月に公開した10本は、合計でクリック2・表示160でした。工程を整えることと、すぐ流入が来ることは別の話です。数か月単位で測って直す前提で始めてください。
Q記事1本にどれくらい時間がかかりますか?
当社の実測では、正味の作業時間が約4.5時間、Claudeとのやり取りが18往復でした。うち腰を据えて考えた「重い問い」は3件だけで、残りは1往復ずつです。下書き自体は約15分から約5分へ短縮されています。
Q生成AIで記事を作ると、月にいくらかかりますか?
個人向けの有料プランから始められます。当社は最初のプランでは物足りず上位へ切り替えました。費用は上がりましたが、やり取りの往復が減って結果的に安くつきました。金額の目安は、AIエージェントの費用をまとめた記事に整理しています。
Qすでにある古い記事を、生成AIで改善することはできますか?
できます。むしろ、そちらのほうが効くことがあります。当社も新規制作と並行して既存記事の整理をClaudeに任せており、その判断基準と結果は別記事にまとめています。ただし取り消せない操作(URL変更・削除)は人が握ってください。
QAIに入力してはいけない情報は何ですか?
渡すのは「公開してもいい情報」と「社内で共有済みの情報」までにしています。迷ったら、練習用にコピーしたものだけを渡し、原本は渡しません。線の引き方は、入力してはいけない情報をまとめた記事に詳しく書いています。
Qプロンプトはどこまで細かく書けばいいですか?
企画の段階では「誰向け/読者の得/予測/検証方法」の4欄だけで足ります。最初から制約を詰め込みすぎると、かえって薄くなります。当社はこの4欄だけを埋めさせ、あとは往復しながら詰めています。欄があれば、AIは埋めざるを得ません。
Q生成した記事のファクトチェックは、どこを見ればいいですか?
数字と固有名詞です。AIが書いた数値はそのまま出さず、実測かどうかを人が確認します。またAIの報告そのものが誤っていることもあるので、「どうやって確かめましたか」と聞き返すのを習慣にしています。
Q生成AIで記事を量産すると、なぜ「稼げない」と言われるのですか?
全員が同じ材料(公開情報)を渡しているからです。同じAIに同じ材料を渡せば、似た記事が出てくるのは当然です。差がつくのは、自社の実測・お客様の言葉・失敗の経緯という、他社が持っていない材料を渡せるかどうかです。
Q人がやるべき作業と、Claudeに任せていい作業の線引きはどこですか?
当社は、企画・検収・公開判断の3つを人が持ち、それ以外は渡しています。判断の基準は「間違っていたとき戻せるか」です。取り消せない操作の最後のボタンと、一次情報の中身は人が持ちます。

まとめ・Claudeでブログ運用を始めるとき、何を用意すればいいか

📌 結論用意するのは、プロンプト集ではなく2枚の紙です。企画の4欄と、検収の8軸。この2枚を人が持てば、あいだの工程はほとんど渡せます。
  • 企画=4つの欄。誰向け/読者の得/予測/検証方法。欄が無いものは埋まりません。
  • 検収=8軸100点。依頼文はそのまま使えます。軸が足りないと、AIは高得点をつけます。
  • やらせない3つ。数字をつくらせない/公開を判断させない/取り消せない操作をさせない。
  • チェックリストの肝は5つ目。作業した「あと」に、もう一度ひらいて確かめる。
  • 時短は成果ではありません。下書きは約66%速くなりましたが、それだけでは問い合わせは増えませんでした。
  • 作ればすぐ当たる、でもありません。公開10本の合計はクリック2・表示160。測って直す前提で始めてください。
自分で回せるようになりたい方へ

この工程を、あなたの会社のサイトで組み立てます

指示書と採点表はこの記事のものをそのままお使いいただけます。当てはめるところで手が止まったとき、実際のサイトを見ながら一緒に組み立てる講座と、伴走支援があります。押し売りはありません。

※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。

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