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AI時代の代表挨拶は、経歴と料金と納期が契約のカギに
- お客様は会う前に決めている。比較したのは3社以内が81.4%。25.2%は営業担当者とやりとりすらしていません。
- AIは、社長のことを答えられない。20社のうち、代表者の経歴を答えられたのは4社、料金は1社、納期は4社だけでした。
- それでも、採用ページには書いてある。給与を1円単位で書きながら、お客様には料金を書いていない会社が9社ありました。
お客様は、会ったときにはもう決めています
相見積もりで負けたとき、理由を「値段」だと考えていないでしょうか。もちろん値段はあります。ただ、それだけではありません。
私はよく、こう言われます。「できるかどうかが分からなかった」と。分からないから、その会社は候補から外れる。そして「できる」と書いてあるところへ依頼が行く。負けたのではなく、判断されないまま外されたのです。
図1:お客様は、会う前に絞り終えている
「サービス紹介資料がわかりにくいと感じたことがある」と答えた人は82%にのぼります(LOOV「法人営業・購買検討に関する意識調査」・2023年2月1〜3日・n=755)。読み手は、分からなければ立ち止まりません。次へ行くだけです。
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| 負けた理由 | 本当に起きていること | 打ち手 |
|---|---|---|
| 高いから負けた | 金額を比べたうえで選ばれなかった | 価格・仕様・提供範囲を見直す |
| 分からないから外された | そもそも比較の土俵に乗っていない | できること・料金・納期・誰がやるのかを書く |
値段を下げても、後者は直りません。直すのは値段ではなく、書いていないことのほうです。
そして、聞く相手が増えました
中小企業の生成AI活用率は32.4%です(帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」・2026年3月17〜31日・n=10,312)。使い始めているのは、こちら側だけではありません。お客様の側も使い始めています。
当社のGoogleアナリティクスで、AI経由の流入を実際に数えました。2025年8月22日から2026年8月22日までの1年間で、AI Assistant経由は107セッション。全93,407セッションの0.11%です。
- 2024年の後半は、ほぼ0でした。そこから立ち上がっています。
- 当社と支援先の5サイトで、同時に同じ形になっています。1社の偶然ではありません(業種は伏せています)。
- AI経由の流入は、リファラを送らないAIやアプリ内ブラウザの分が数えられません。この0.11%は下限値です。
つまり、いまはまだ小さい。けれども、増える側に振れています。だから「AIに何と説明されているか」を、そろそろ気にしてよい時期です。
ここからが本題です。残りは4つ——①AIに聞いた結果 ②なぜ答えられないのか ③採用ページとの落差 ④何を書けばいいのか。お急ぎなら、④だけでも構いません。
AIに、20社の社長のことを聞いてみました
愛知の中小企業20社(金属加工・内装工事・印刷)について、全社まったく同じ1文で質問しました。
図2:AIが答えられたのは、20社のうち何社か
サイトに書いていない会社にかぎると、答えてもらえた割合はさらに下がります。経歴は15.8%、料金は5.0%、納期は11.1%。書いていなければ、8割から9割は答えてもらえません。
答えられた分は、その会社が書いたものではありませんでした
回答の根拠を1社ずつ見ました。自社サイトが主な根拠だったのは9社、他人が書いたものが主だったのは11社。そして——
図3:AIは、どこを見て答えていたか
ここが、いちばん重いところです。自社サイトは「無いことの確認」にしか使われていませんでした。書いてある会社の情報を渡すために読まれたのではなく、「書いていない」と判断するために読まれていた、ということです。
答えないだけでなく、間違えます
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| 起きたこと | 件数 | 中身 |
|---|---|---|
| 答えない | 16社 | 「詳細な経歴は公開されていません」「料金表はありません」 |
| 他人が書いたもので埋める | 11社 | 求人サイト・企業データベース・業界紙・部品調達ポータル・ハローワークの求人票 |
| 別の会社として紹介する | 5社 | 同名の別会社(他県の企業など)の代表者名・所在地・事業内容を回答。うち1社は同名企業があること自体に触れず、読み手は誤りに気づけない |
調査方法
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| 調査日 | 2026年8月27日 |
|---|---|
| 対象 | 愛知県の中小企業20社(金属加工7社・内装工事7社・印刷6社) |
| 対象の選び方 | Googleで「愛知県 金属加工 会社」「愛知県 内装工事 会社」「名古屋 印刷会社」を検索し、広告を除いた上位から順に採用。ポータル・比較サイト・マッチングサイト・業界団体・求人サイト・上場企業や従業員300名超の大企業は除外 |
| 質問文(全社共通) | 「◯◯(会社名)」の代表者はどんな経歴の人ですか?料金と納期の目安も教えてください |
| 使ったAI | Google AIモードで20社。対照としてPerplexityで7社(Perplexityは無料枠の上限に達したため、比較できるよう20社すべてをGoogle AIモードで測り直しました) |
| 「答えられた」の判定 | 経歴=氏名だけは含めず、職歴・学歴・実績・保有資格のいずれかが出た場合。料金=金額または明確な料金体系が出た場合(「問い合わせが必要」はNo)。納期=期間の目安が出た場合。迷った場合はすべてNo側に倒しています |
| サイト側の確認 | 各社のトップページと、会社概要・会社案内・企業情報・代表挨拶を開いて実際の文面を確認 |
| 注意 | AIの回答は再現しません。いま同じ質問をしても、違う答えが返る可能性があります。この記事の数字は、上記の日に上記の質問文で試した結果です |
5社に1社は、別の会社として紹介されていました。地元の見込み客がその社名でAIに聞いたら、返ってくるのは他社の情報です。社名だけで自社を特定させられない会社は、AIの世界ではまだ存在していないのと同じ状態にあります。
もうひとつ、書いておきます。AIは、無いものを推測で埋めることがあります。ある会社では、社長挨拶の文章だけを手がかりに「現場叩き上げ、あるいは技術派の経営者であることが伺えます」と書いていました。別の会社では、competitorにあたる同業他社の相場ページを出典にして、その会社の納期として提示していました。
答えられないのは、書いていないからです
図4:20社のサイトに、何が書かれていたか
名前は名乗っている。中身は何も言っていない。これが20社の姿でした。
時価の寿司屋には、入れません
私は「料金を書きましょう」と言うと、たいてい嫌がられます。そのとき、いつも同じことを言っています。
「時価の寿司屋に、入れますか?」
いくら請求されるのか怖くて入れないでしょう。もしかしたら5,000円かもしれない。でも「時価」と書いてあると、入らない。
高いと思われるのが嫌だから価格を出さない、というのは、本当は2万円なのに5万円だと思われているかもしれないということです。それがいちばんのリスクです。
言わない、は、時価と同じです。
そして、お客様が実際に見ているのは料金でした。問い合わせ・資料請求をした人への調査では、問い合わせ前に確認するコンテンツの1位が「料金・費用に関する情報」で54.4%、最も重視するものとしても1位で25.7%です(Cone「BtoBサイト訪問者はなにを見て問い合わせを決めているのか」・2025年10月1〜3日・n=221)。別の調査でも、「もっと出してほしい(不足している)と最も感じる情報」の1位は「オプションや初期費用を含めた、リアルな料金の目安」で45.7%でした(IDEATECH「AI時代におけるBtoB購買検討者の情報接触実態調査」・2026年5月25〜26日・n=105)。
顔写真も、思っているより見られています
同じ調査(Cone・2025年10月・n=221)で、会社や担当者に信頼感を持てた理由の1位は「担当者の情報や顔写真が掲載されていた」で54.5%でした。一方、20社のうち代表者の顔写真があったのは5社(25%)です。
判断の基準は、いまも履歴書と職務経歴書です
私はいろいろな公的機関から「アドバイザーとして登録してください」と言われます。ところが、登録してくださいと言ってきた次に言われるのは、「履歴書と職務経歴書を出してください」です。9割以上の機関がそう言います。
皆さんも、社員を雇うときは履歴書と職務経歴書を見るはずです。判断の基準は、いまもそこにあります。では、そこに書いてあることが、御社のホームページに載っているでしょうか。
今回の20社に、こういう会社がありました。採用ページには「履歴書、職務経歴書を持参ください」と書いてある。ところが、自社の代表者の経歴は、どこにも書いていない。求める側が、自分は出していないのです。
ところが、採用ページには書いてあります
お客様が見るページと、求職者が見るページを、同じ項目で見比べました。
図5:採用ページには書いて、お客様には書かない
同じ会社の、同じサイトの中で、金額を出すかどうかが読み手によって反転していました。採用には1円単位まで出し、お客様には「無料お見積り」とだけ書く。働く人の顔つき紹介も、採用ページには6社、お客様向けには2社でした。
そして、AIはその求人票を読んでいました
ここで、さきほどのAIの実測とつながります。ある内装工事の会社について、AIは「小規模な部分施工は2〜3日、大規模な商業施設は1〜3ヶ月」と工期を答えました。その根拠として示されていたのは——ハローワークの求人票でした。
採用のために書いた文章が、いま、お客様への説明に使われています。
求人票は、採用のために書いたものです。お客様に読ませる前提では書いていません。それが、御社の納期を説明する役割を担っている。同じことが、経歴でも起きていました。ある印刷会社では、代表者の経歴として業界専門紙のインタビュー記事1本だけが出典になっていました。その1本が無ければ、この社長は「名前だけの人」として扱われていたことになります。
- 「人」の情報(顔・経歴・金額)は、求職者に向けて書かれている。
- 「会社」の情報(理念・事業内容)は、お客様に向けて書かれている。
代表挨拶に「3代目です」と書いても、何も伝わりません
代表挨拶に「3代目です」と書いてある会社があります。それ自体は悪いことではありません。ただ、3代目だから何なのかが書かれていない。
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| お客様の問い | 書くこと |
|---|---|
| その人は、何をしてきた人か | 職歴・学歴・保有資格・担当してきた仕事。会社の沿革ではなく、その人個人のこと |
| 何ができるのか | 対応できる範囲。できないことも書くと、かえって信じられる |
| いくらかかるのか | 金額。出せないなら範囲・進め方・期間の目安 |
| どれくらいで終わるのか | 標準的な期間。最短ではなく、よくあるケース |
そしてもうひとつ。金額が同じだった場合、決め手になったものの1位は「担当者とのコミュニケーションのしやすさ」で31%でした(比較ビズ「発注・外注業務の実態に関するアンケート」・2025年2月26日〜3月5日・n=460。ビジネスマッチングサイトの会員が対象で、法人70%・従業員30名以下が57%という母集団です)。実績の多さは20%です。最後は、人で決まっています。
言い換えただけで、問い合わせが増えた話
これはAIの事例ではありません。以前、ある機械メーカーを支援したときのことです。その会社は、自社製品を型番だけで紹介していました。問い合わせは月3件ほど。
私は「その型番を知っている人しか探せません」と言って、「看板や現品票を1枚ずつ送ることができる機械」という説明に書き換えてもらいました。すると問い合わせは月20件になりました。いまも平均20件ほどです。
やったのは言い換えだけです。お客様が悪いのではなく、探している人に見つけてもらえる書き方をしていなかっただけでした。
代表挨拶の書き方|書くものは、採用ページにもう書いてあります
ここまで読んで、「では何を書けばいいのか」と思われたはずです。答えは、すでに社内にあります。いちばん近いのは、御社の採用ページです。
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| 採用ページにあるもの | 移す先 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 代表者の経歴・入社年・担当してきた仕事 | 代表挨拶/会社概要 | 「1999年に入社し、現場を10年。2010年に先代から引き継ぎました」 |
| 働く人の顔写真・インタビュー | サービスページ/担当者紹介 | 「この仕事を担当するのは、この人です」と顔と名前を出す |
| 仕事の具体的な中身・1日の流れ・使う設備 | サービスページ | 「治具と材料を取り付けて加工し、終わったら次をセットします」 |
| 給与・手当を実額で書く姿勢 | 料金ページ | 同じ姿勢で料金を書く。出せないなら範囲・進め方・期間 |
金額がどうしても決まらない業種もあります。それでも、範囲・進め方・期間の目安は書けます。「お問い合わせください」だけで終わらせないこと。それだけで、時価ではなくなります。
「お客様の立場で考える」が、いちばん難しい
とはいえ、ここが本当の壁でした。お客様の立場に立って考える——言葉にすると簡単ですが、やってみると難しい。勉強会で「お客様の立場に立つとは?」と聞かれて、その場で言葉にできる人はほとんどいません。
だから今までは、書けなかったのです。それが、生成AIで変わりました。自社の文章を渡して「お客様の立場で読み直して、分からないところを教えて」と聞けば、翻訳して返してきます。私はこれをお客様目線の自動化と呼んでいます。効率化のためではなく、選ばれるためにAIを使う、というのはこういうことです。
なお、社内から素材を拾う手順(営業がよく聞かれる質問、問い合わせメール、失注した理由の3つ)は、中小企業の生成AI活用|効率化で終わらせず、売上に変える全体像の後半にまとめてあります。項目の並べ方や構造化データについては会社概要ページの作り方|社内のデータベースと、AIが読む会社情報をご覧ください。
当社の場合
「書きましょう」と言う以上、自分がどうなのかを出しておきます。20社と同じ質問を、当社について投げました。
- 学歴・職歴:愛知工業大学 工学部 経営工学科 卒業/ホテルの宴会サービス/2004年フランス・ボルドーへ留学/2006年入社/2008年に結婚式専門のYouTubeチャンネルを開設/2009年 取締役/2017年6月 開業
- 資格・所属:ITコーディネータ/東京都中小企業振興公社 専門家(No.1738)/中小企業基盤整備機構 中小企業アドバイザー/ITC中部 理事
- 料金:月額33万円×6ヶ月=198万円/月額22万円×3ヶ月=66万円
- 納期:成果が出るまでの目安は3〜6ヶ月
当社は代表プロフィールに経歴を置き、A4・1枚版と2枚版のプロフィール資料もダウンロードできるようにしています。料金も生成AI時代のSEO・LLMO対策コンサルティングのページに実額で書いています。「時価の寿司屋には入れません」と言う以上、自分が時価であってはいけないと思っています。
ただし、注意点もありました。AIの回答の出典には、当社サイト以外の講師紹介サイトも混ざっていました。自社に書いていても、他所の情報は混ざります。だからこそ、書き方を揃えておく必要があります。
今日、3つだけ書き出してください
図6:今日やること
この3つが書けたら、もう一度AIに同じ質問をしてみてください。答えが変わっていれば、お客様に伝わる状態に近づいたということです。
著者の書籍
YouTubeを使った中小企業の集客・採用・売上について、2冊書いています。いずれもYouTube運用の本です。


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よくある質問(FAQ)
Q代表挨拶には、何を書けばいいですか?+
Q会社の沿革を書いてあれば、経歴を書いたことになりますか?+
Q料金を出すと、高いと思われて逃げられませんか?+
Q金額が決まらない業種でも、料金は書けますか?+
Q代表者の顔写真は必要ですか?+
QAIが自社を間違えて紹介していたら、どうすればいいですか?+
Qこの記事のAIの結果は、いま試しても同じですか?+
Q何から手をつければいいですか?+
Q代表挨拶をChatGPTなどの生成AIで作ってもいいですか?+
Q代表挨拶と社長挨拶は違いますか?+
Q代表挨拶は、どれくらいの文字数がいいですか?+
まとめ
- お客様は会う前に絞り終えている。比較したのは3社以内が81.4%。
- AIは、書いてあることしか渡せない。20社中、経歴を答えられたのは4社、料金は1社だけ。
- 自社サイトは「無いことの確認」に使われていた。答えられた分は、ほとんどが他人の書いたもの。
- 5社に1社は、別の会社として紹介された。
- それでも、採用ページには書いてある。給与を実額で書いた9社は、9社とも料金を書いていない。
- 新しく書くのではなく、お客様が見る場所へ移す。今日は、自社の採用ページを開くところから。
AIに、御社がどう説明されているか確かめませんか
何を書けば正しく紹介されるのか、御社のサイトを見ながら整理します。支援の内容と料金は、ページに書いてあります。
※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。



















