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Claudeの壁打ちのやり方|外注のように使うと、AIも外注になる
- 外注扱いだと、頼んだ範囲で止まる。作業と形だけを渡すと、AIもその範囲の成果物だけを返します。
- 相談にすると、前提まで返ってくる。当社の記録では、2026年9月8日〜26日にAIから返ってきた照会18件のうち16件で、指示を出す側が指示や前提を変えました。
- 型は3つ。目的と迷いを話して「どうしたらいい?」で終える/声で話す/「違うと思ったら言って」と先に伝える。
外注のように使うと、AIも外注になる
2026年9月17日のAI経営実践会(第2回)で、参加された経営者の方に僕が話したのは、AIへの接し方のことでした。要旨はこうです。
AIに「これ作って」と頼み、出てきたものを受け取って終わる。これは外注先への発注と同じ形です。そういう接し方をしていると、AIも外注の作業員のように、指示された以上のことをしなくなります。だから外注として扱うのではなく、「もう1人の自分」や家族に話すように接してほしい。細かい指示を打ち込むのではなく、声で「どうしたらいいと思う?」と相談して、一緒に考えてほしい。そうすると、AIの側から、たとえば集計を足してはどうかといった、頼んでいない提案が出てくるようになります。
同じ会の前半では、道具を手に入れても、使う側の感覚が変わらなければ効果は出ない、という話もしました。AIも同じで、道具を足しただけでは接し方は変わりません。
「何に使えばいいか分からない」は、外注の発想から出てくる
商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」(有効回答3,892社・2026年3月31日発表)では、「具体的な活用場面が不明」が35.6%で、全体の1位でした。同じ調査の自由記載には、こういう声も載っています。
「各自に任せた運用にしたところ、活用をしているのはほんの一部。多くのメンバーが『何に使えるのか』のイメージがつかない状況。」(同調査 スライド13・自由記載)
「何に使えるか」を先に決めてから頼む、という順番は、外注先に仕事を切り出すときの考え方です。壁打ちなら順番が逆になります。いま困っていることを話せば、何に使えるかはAIと一緒に探せます。使い道が見つからないこと自体を、最初の相談にしてかまいません。
出典:商工中金「中小企業の生成AIの利用にかかる調査(2026年1月調査)」/調査期間2025年12月19日〜2026年1月16日・有効回答3,892社・スライド9(全体・1位)・スライド13(自由記載)。
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| 比べるところ | 指示(外注扱い) | 相談(壁打ち) |
|---|---|---|
| 渡すもの | やってほしい作業と、仕上がりの形 | 目的・迷っていること・いまの前提 |
| 返ってくるもの | 頼んだ形の成果物 | 成果物+頼んでいない提案・前提への疑問 |
| AIが止まる所 | 頼んだ範囲の端 | 目的に届くかどうか |
| 人が最後にすること | 出来を点検する | 出てきた案から選んで、決める |
出典:当社の運用(2026年9月時点)。実践会の内容はAI経営実践会(2026年9月17日・第2回)での酒井の発言の要旨です。
当社の実例|相談の形にしたら、AIが前提の誤りや重なりを返してきた
当社は、このサイトの記事づくりを「管理役のClaude1つ+実行役のClaude数本」で回しています。役割の分け方はClaudeを8つの役割に分けた記録に書きました。ここで紹介したいのは分け方ではなく、実行役への渡し方です。
2026年9月25日、僕は当社の決まりに1行を足しました。管理役の決定は絶対ではなく、質が下がると判断したら、実行役は僕と管理役にそう伝える、という1行です。それまでも実行役には、おかしいと思ったら言っていいと伝えていて、それを文字にした形です。この決まりの前後で返ってきた例を3件、日付と何が起きたかだけ書きます(3件目は決まりを文字にする前の例です)。
1. この記事の主語が、逆だと言われた(2026年9月26日)
この記事は、最初は「AI 外注 使い方 違い」という検索語を主に狙う予定でした。管理役がその語で指示を書き、実行役に渡しました。実行役は書き始める前に検索結果の1ページ目を読み、上位の記事はすべてAIに任せるか外注に出すかを比べる内容で、この記事の言いたいこととは意図が逆だ、と返してきました。代わりに出してきたのが「Claude 壁打ち」です。管理役はそれを受けて主語を変え、あなたが今読んでいる記事になりました。
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| 検索語 | 上位の記事の中身 | この記事と合うか |
|---|---|---|
| AI 外注 使い方 違い | 9本すべて「AIに任せるか、外注に出すか」「内製か外注か」の比較 | 合わない(意図が逆) |
| ai 壁打ち やり方 | AIを考えの整理や相談の相手にする方法・プロンプト例 | 合う |
| claude 壁打ち | Claudeを新規事業・設計・経営判断の相談相手にした体験 | 合う(主語に採用) |
| もう一人の自分を作る ai | 自分の知識や文体を覚えさせた「分身」を作る方法 | 別の記事の話(覚えさせる) |
出典:当社の競合調査の記録(2026年9月26日・Chromeで検索結果の実画面を確認)。他社の記事名は載せていません。
2. 統計の出典の取り違えを、原典で返された(2026年9月26日)
既存記事を直す指示の中で、管理役はある統計の数字の出典を、別の調査だと書いていました。実行役は原典を開き、数字はたまたま同じでも別の調査の別の設問であり、指示どおり書き換えると誤りになる、と返しました。管理役は、指示の前提が違っていたと認めて直しました。
3. このまま書くと、既存記事と重なると返された(2026年9月13日)
新しい記事の指示に対して、実行役は本文を1文字も書く前に、このまま書くとすでに公開している記事の下位互換になる、と返してきました。重なる箇所を並べたうえで、時期をずらして記事を分ける案と、軸を絞る案の2つを出し、どちらを推すかも書いてありました。
記録で数えると|照会18件のうち16件で、指示が変わった
3件だけだと、たまたまかもしれません。そこで、実行役が指示をそのまま進めずに管理役へ返した記録(照会)を数えました。当社では照会を1件ずつファイルに残しているので、あとから数えられます。
(2026年9月8日〜26日)
(全面14件+一部2件)
(結論を追えないもの2件)
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| 返してきたこと | 件数 | 例 |
|---|---|---|
| 指示の前提・事実の誤り | 5 | 数字に出典がない/指示どうしが食い違っている/前提にした「共通の文」が実物と違う |
| 品質・重なり | 5 | 既存記事の下位互換になる/他の担当と作業が重なる/この決め方だと質が下がる |
| 判断の材料が足りない | 5 | 社長に事実を確かめないと書けない/担当が決まっていない |
| 事故の予防 | 3 | 指示どおりに消すと、同じページの2本目以降の動画が再生できなくなる |
数え方:当社の作業フォルダにある照会ファイル(ファイル名が「照会_」で始まるもの。送り手は当社の実行役チャット=保守・記事改修・新記事など)のうち2026年9月8日〜26日の18本を1本ずつ読み、種類を1つに分け、管理役側の記録で結論を照合(2026年9月28日集計)。「退けた0件」は退けた記録が見つからなかったという意味です。9月5日以前の分は、役割で複数使い分けた実録で扱っているため数えていません。
この数字は、当社の2026年9月の運用記録です。Claudeを使う人全体に当てはまる統計ではありません。同じ渡し方をすれば同じ割合になる、という意味でもありません。
照会の中身は、半分以上が「指示が間違っている」ではありませんでした。「このままだと質が下がる」「決めるための材料が足りない」も同じくらいあります。外注先なら黙って進めるところで、手を止めて相談を返してきた、ということです。
図1:外注型と壁打ち型で、仕事の流れはこう変わる
外注型(指示)
- 人が作業と形を指示する
- AIが指示どおりに作る
- 人が出来を点検する
- 前提が違っていても、そのまま進む
壁打ち型(相談)
- 人が目的と迷いを話す
- AIが作る前に前提を確かめる
- 違えば、理由と代わりの案を返す
- 人が選んで決める
役割を分けたあと、何日も回して何が壊れたかは、役割で複数使い分けた実録に記録しています。この記事で伝えたいのは、もっと手前のことです。3件とも、実行役には「何のためにやるのか」が渡っていて、「違うと思ったら言っていい」と伝えてありました。この2つは、Claudeを1つしか使っていない会社でも、今日から同じように渡せます。
同じ頼み方でも、渡した前提で返事が変わる
当社では、同じ設定のClaudeに同じ依頼をして、会社の決め事を渡すかどうかだけを変えた実験もしました。決め事を持たせた側は理由をつけて作業を止め、持たない側は案を5つ出しました(条件の詳細は社員が勝手に生成AIを使う|経営者が決めるのは3択だけ)。


なぜ、相談にすると提案が返ってくるのか
ここはAIの内部の仕組みを説明するものではありません。当社で使ってきて、こうだろうと考えていることです。
1つ目は、目的が分かると、指示の外側も考えられることです。「表を作って」だけでは、AIにとっての正解は「表ができること」です。「来月の会議で、社員に数字を自分ごとにしてほしい」と伝えると、表の外にある「どの数字を見せるか」まで考える材料が渡ります。
2つ目は、「どうしたらいい?」で終わる問いには、答えが1つに決まっていないことです。決まった形を頼むと、AIはその形に合わせます。答えが開いている問いには、案をいくつか並べて返してきます。
3つ目は、「違ったら言って」が無いと、AIは頼まれた形に合わせやすいことです。当社の3件も、この一言を伝えてあった中で返ってきました。
Claudeの壁打ちのやり方|相談の型3つ
- ① 目的と迷いを話し、「どうしたらいい?」で終える
- ② 打ち込まずに、声で話す
- ③ 「違うと思ったら理由をつけて言って」と最初に伝える
① 目的と迷いを話し、「どうしたらいい?」で終える
作業の名前から入らずに、何のためにやりたいのか、どこで迷っているのかを先に話します。最後は「どうしたらいいと思う?」で終えます。答えを決めて頼むのではなく、答えを一緒に探す形にするのがコツです。
② 打ち込まずに、声で話す
僕自身、Claudeにはマイクで話しかけて相談しています。実践会でも、細かく打ち込むより声で相談してほしいと勧めました。声で話すと、打ち込むときには省いてしまう「なぜそう思うのか」「何が気になっているのか」が、自然に入ります。それがそのまま、AIにとって考える材料になります。
Claudeには、話した言葉を文字にして入力する機能と、声で会話する機能があります。使える端末と使い方は、Anthropicの公式ヘルプ「Use voice mode」(英語・2026年10月5日確認・内容は当社訳)で確認できます。
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| 比べるところ | 打ち込む | 声で話す |
|---|---|---|
| 入りやすいもの | 結論・やってほしいこと | 理由・気になっていること・迷い |
| 省かれやすいもの | 「なぜ」と前提 | 正確な数字・固有名詞(あとで確かめる) |
| 向いている場面 | 決まった作業を頼む | まだ答えが決まっていない相談 |
③ 「違うと思ったら理由をつけて言って」と最初に伝える
当社の決まりにした1行を、1つのチャット向けにしたものです。相談の最初に1回伝えておくだけで、前提がずれているときに、そのまま進まずに返してくるようになります。
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| 場面 | 指示(外注扱い) | 相談(壁打ち) |
|---|---|---|
| 社員の動き方 | 社員が自発的に動くための施策を出して | 社員にもっと自分から動いてほしい。いまは僕が全部決めていて、指示待ちが多い。どこから変えたらいいと思う?違うと思ったら言って |
| 問い合わせ対応 | 問い合わせへの返信メールのひな形を作って | 問い合わせへの返信が担当ごとにばらばらで、返事が遅いと言われたこともある。お客様に安心してもらうには、何から揃えたらいい? |
| 記事づくり | このテーマで記事を書いて | この記事を読んだ社長に何をしてほしいか、まだ決めきれていない。狙う言葉と伝えたいことを話すから、ずれていたら書く前に言って |
そのまま使える相談文5つ(プロンプト例)
3つの型を、そのまま貼って使える文にしました。〔 〕の中だけ、自分の言葉に替えてください。声で話すときも、この順番で話せば同じです。当社が実際に送っている文そのものではなく、型を一般の場面に合わせた例です。
相談に何を入れると返事が変わるか(入れるのは目指す姿だけ、という話)は、生成AIへの経営相談の使い方に書きました。
相談にしても、外注扱いに戻ってしまう場面
出てきた答えを、そのまま使う
AIの提案は材料です。最後に選んで決めるのは人です。当社でも、実行役が返してきた案をそのまま採るのではなく、僕か管理役が理由を読んでから決めています。受け取って終わりにすると、形は相談でも中身は外注に戻ります。
1つのチャットで、長く相談し続ける
相談が乗ってくると、1つのチャットがどんどん長くなります。長く続けず、区切りでチャットを替えてください。替えどきはClaudeのチャットは長くしない、替えるときに最初に聞くことはチャット引き継ぎの7つの質問にまとめています。
社外に出せない情報を、そのまま話す
声で相談すると、つい社員の名前やお客様の情報まで話してしまいます。会社で使う前に決めておく設定は、初心者向けClaudeの始め方に書きました。自社のことをどこまで覚えさせるかは、Claudeに自社データを学習させる前にが参考になります。
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| サイン | 何が起きているか | 戻し方 |
|---|---|---|
| 返事をそのまま貼っている | 決めているのがAIになっている | 案を2つ以上出させ、選んだ理由を自分の言葉で1行書く |
| 反論が一度も来ない | 「違ったら言って」が渡っていない | 相談の最初に1回伝え直す |
| 前に話したことを取り違える | チャットが長くなりすぎている | 要点を残してチャットを替える |
| 社名や人名をそのまま話している | 社外に出せない情報が入っている | 会社の設定と、渡す範囲を先に決める |
今日やること3つ
1迷いを1つ、声で話す
いま抱えている迷いを1つ選び、Claudeに声で話してみてください。最後は「どうしたらいいと思う?」で終えます。
2「違ったら言って」を足す
相談の最初に、「違うと思ったら理由をつけて言って」と1回伝えます。
3頼んでいない提案に印を付ける
返ってきた答えのうち、頼んでいない提案に印を付けます。それが、外注から壁打ちに変わった印です。
Claudeを「外注先」ではなく、社内の相談相手にする進め方を一緒に作りませんか
生成AI・LLMO対策コンサルでは、経営者・管理者の方と月2回または毎週1回、訪問とオンラインで伴走しながら、Claudeでの記事づくりやSEO・LLMO対策を社内で回せる形にしていきます。まずは60分の無料診断で、いまの使い方を一緒に見ることもできます。
※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。
次に読む
よくある質問(FAQ)
QClaudeの壁打ちとは何ですか?+
Q指示と相談は、何が違いますか?+
Q相談の形にすると、AIは本当に反論してきますか?+
Q壁打ちは、声とテキストのどちらがいいですか?+
QAIの提案をそのまま使ってもいいですか?+
Q相談が長くなってきたらどうすればいいですか?+
QChatGPTでも同じ使い方ができますか?+
まとめ
- 「これ作って」と頼んで受け取るだけの接し方は外注と同じで、AIも頼まれた範囲で止まります。
- 目的と迷いを話し、「違うと思ったら言って」と伝えると、提案や前提の誤りまで返ってきます。当社の記録では、照会18件のうち16件で指示を出す側が指示や前提を変えました。
- 壁打ちの型は3つ。「どうしたらいい?」で終える/声で話す/違ったら言ってと先に伝える。
- 答えをそのまま使わない・チャットを長くしない・社外に出せない情報を話さない、の3つで外注扱いに戻るのを防ぎます。





















