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生成AIの活用事例10|中小企業でやってみて、数字が動いた5つと、動かなかった3つ
- この記事でいう「活用」とは、社内の効率化(議事録の要約やメールの下書き)ではなく、外にいるお客様に届いて、問い合わせや売上の数字を動かす使い方のことです。判定はすべて、その商売の数字で行っています。
- いちばん効いたのは、記事を「増やす」ではなく「減らす」ことでした。1,170本のうち609本を検索対象から外したあと、サイト全体の平均掲載順位が8.18から7.45になりました(全世界・前42日=2026年5月16日〜6月26日/後43日=7月4日〜8月15日)。
- 表示回数が37%増えたのに、順位が上がっています。ふつうは逆になります(1日あたり8,525回→11,710回)。
- 意外だったのは、書いた記事がその週には1回も読まれないことです。8月に書いた10本は、公開からの実測で表示160回・クリック2回でした(集計窓は92日分ですが、実際に公開していたのは最長7日です)。
- いま伸びているのは、3か月前に書いた記事のほうです。1日あたりのクリックが3.14回から6.25回へ、約2倍になりました。
- 下がったものもあります。クリック率は1.24%から1.09%へ。これは失敗として、そのまま載せます。
活用事例は「やったこと」ではなく「そのあと数字が動いたか」で選んでください
「生成AIを、うちの会社では何に使えばいいのか」——ここ1年、いちばん多くいただくご相談です。そこで活用事例を探されると思います。私も探しました。
2026年8月に「生成AI 活用事例 中小企業」ほか3つの検索語で上位に出てきた16本を分類し、そのうち5本は本文を最後まで読みました。結果はこうです。
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| 上位16本を調べた項目 | 結果 |
|---|---|
| 実際に使った当事者(中小企業自身)が書いたもの | 0本 |
| 自社の実測値を出していたもの(本文を読んだ5本中) | 0本 |
| 「増やす」ではなく「減らす」と書いていたもの | 0本 |
| 効かなかった仕事を書いていたもの | 0本 |
| 運営者の内訳 | SaaS企業・ITベンダー・開発会社・コンサル会社・スクール・経済団体。全部が「売る側」か「教える側」 |
当社調べ。2026年8月17日に「生成AI 活用事例 中小企業」「生成AI 使いどころ」「生成AI 何に使う 中小企業」の検索結果上位16URLを分類し、うち5本の本文を確認しました。
悪意があるわけではありません。売る側・教える側が書けば、そうなります。ただ、そこに載っているのは「〜できます」「〜が期待できます」であって、「やってみたら、数字がこう動いた」ではありません。読んでも、自社でやるかどうかの判断材料にはなりにくいのです。
なお、中小企業基盤整備機構の調査(回答10,000社)では、生成AIの活用で足りない支援として「成功事例や活用事例などの情報」が83.3%で最も多くなっています。事例が足りないのは、たしかにそのとおりです。ただ、足りていないのは事例の数ではなく、数字だと思います。
出典:中小企業基盤整備機構「中小企業の生成AI活用に関する実態調査」(回答10,000社)。
※ 統計の解説はこの記事ではしません。市場全体の数字はAI検索対策は意味ないのか|世界が賭けた2,850億円にまとめてあります。
まず、当社サイトの数字を全部お見せします

1点だけ、先にお断りします。上の画面は全世界の合計です。この記事の表で使うGSCの数字は、断りがないかぎり全世界です(表3・表4・表6・表7・表8・表9。それぞれのキャプションに明記しています)。日本のみに絞った数字は、すぐ下の表2と図1だけです。
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| 2026年5月16日〜8月15日(92日間) | クリック | 表示回数 | クリック率 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|---|---|
| 全世界(この記事の表で使う数字) | 10,798 | 930,302 | 1.16% | 7.81 |
| 日本のみ | 10,668 | 875,369 | 1.22% | 7.71 |
| 米国 | 24 | 31,641 | 0.08% | 8.06 |
出典:当社サイトのGoogle Search Console(2026年8月17日取得・検索タイプ「ウェブ」)。以下、この記事の数字はすべてこの同じデータから出しています。
図1:100回表示されて、クリックは約1.2回です(当社・直近3か月)
正直に申し上げて、自慢できる数字ではありません。ただ、この記事で申し上げたいことは、この1枚では終わりません。大事なのは、この92日間で何をしたら、この数字がどう動いたかのほうです。次から、それを1つずつ出します。
10の仕事と、そのあと動いた数字【一覧表】
この表が、この記事の本体です。判定は3つです。
◎ 数字が動いた
商売の数字(問い合わせ・売上・順位・表示回数)が、実測で動いたもの。5件
△ まだ答えが出ていない
やったが、判定に必要な期間が経っていないもの。失敗という意味ではありません。2件
× 商売の数字が動かなかった
「商売の数字」=問い合わせ・売上のことです。社内の効率が上がったものも、ここに入れています。3件
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| # | 判定 | やった仕事 | いつ | 誰が | そのあと動いた数字 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ◎ | 古い記事を、検索対象から外した(1,170本のうち609本) | 2026年6〜7月 | 当社 | サイト全体の平均掲載順位 8.18 → 7.45 全世界/前42日=2026年5月16日〜6月26日 vs 後43日=7月4日〜8月15日 |
| 2 | ◎ | URLの引っ越しと、内部リンクの重なりを整理した | 2026年7月 | 当社 | 1日あたりの表示 8,525回 → 11,710回(+37%) 全世界/同じ前42日 vs 後43日 |
| 3 | ◎ | 記事を減らしながら、表示を増やした ※ 1と2の複合結果です。新しい数字ではありません | 2026年7月 | 当社 | 表示+37%と順位改善が同時に起きた ※ 1と2の複合結果です。新たに測った数字ではありません(全世界・同じ前42日 vs 後43日) |
| 4 | ◎ | 3か月前に書いた記事が育った(ITC系44ページ) | 2026年5月〜 | 当社 | 1日あたりのクリック 3.14回 → 6.25回(約2倍) 全世界/過去3か月=2026年5月16日〜8月15日 → 直近28日=7月19日〜8月15日 |
| 5 | ◎ | 取扱商品ページを、確かめたい順に並べ替えた | 2026年5〜7月 | 伊勢通様 | 100人のうち買った人が 3.81人 → 6.11人 |
| 6 | △ | 生成AIの記事を10本書いた | 2026年8月8〜17日 | 当社 | 過去3か月で 表示160回・クリック2回(公開から1週間時点) 全世界/2026年5月16日〜8月15日 |
| 7 | △ | 動画ページの設定を149本直した | 2026年8月13日 | 当社 | データが3日分。まだ判定できません |
| 8 | × | クリック率を上げようとした | 2026年7〜8月 | 当社 | クリック率 1.24% → 1.09%(下がった) 全世界/同じ前42日 vs 後43日 |
| 9 | × | 記事を増やす | 2021〜2026年 | 当社 | 5年で1,170本。そのうち609本を自分で取り下げた |
| 10 | × | 文章の下書きを速くする | 2026年 | 当社 | 社内は15分→5分(約66%減)。ただし問い合わせは1件も増えていません |
当社実測(Google Search Console・全世界。期間は上の表の各行に併記しています)。支援先の数字は掲載許可をいただいたものです。1社の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。
※ 9番「記事を増やす」の1,170本は、大半が生成AI以前に書いたものです。取り下げる作業のほうを、AIでやりました。
◎ 数字が動いた仕事
1|古い記事を、検索対象から外した(1,170本のうち609本)
2021年から自社ブログを書き続けています。公開した記事は1,170本以上(2026年6月時点)。その1,170本のうち、609本を、自分で検索対象から外しました(noindexという設定です。消したのではなく、検索結果に出さない扱いにしました)。約52%、半分以上です。

そのあと、何が起きたか。日ごとのデータで並べます。
図2:平均掲載順位は、7月上旬に段が変わりました(当社・92日間)
正直な但し書き①:因果とは言えません
順位が動いたのは2026年7月上旬です。当社は7月上旬に、609本のnoindexに加えてURLの整理や内部リンクの統合もしています。どれがどれだけ効いたかは、分けられません。また、この時期にGoogle側の変更があった可能性も否定できません。「減らしたら上がった」ではなく「減らした。そのあと上がった」とお読みください。
正直な但し書き②:順位が上がっても売上ではありません
平均掲載順位は、検索結果の何番目に出たかの平均です。0.73上がったからといって、問い合わせが増えるとはかぎりません。実際、同じ期間にクリック率は下がっています(後述の×の章)。順位は途中の数字であって、着地点ではありません。
2|URLの引っ越しと、内部リンクの重なりを整理した
同じ7月に、URLの引っ越し(301リダイレクト)を268件と、内部リンクの重なりの整理をしました。狙いは「同じことを書いたページどうしが、検索結果の中で食い合うのを止める」ことです。
図3:1日あたりの表示回数は、37%増えました
3|表示が37%増えたのに、順位が上がりました
ここが、この章でいちばん申し上げたいところです。
ふつう、表示回数が増えると平均掲載順位は下がります。なぜかというと、表示が増えるのは「これまで出ていなかった、少し関係の薄い検索」にも出るようになるからです。そういう検索では、たいてい下のほうに出ます。だから平均は悪くなります。
ところが今回は、表示が37%増えたのに、平均掲載順位も上がりました。両方が同じ方向に動いています。
図4:ふつうはこうなる/今回はこうだった
私の見立てはこうです。数を減らしたことで、残ったページ1本あたりの中身が濃くなり、同じサイト内での食い合いも減った。その結果、同じ検索語でも上のほうに出るようになった——ただ、これは当社1サイトの観測で、証明ではありません。それでも、少なくとも「増やさないと増えない」は違う、とは言えます。
4|3か月前に書いた記事が、いま2倍のペースで伸びています
もう1つ、はっきり出た数字があります。当社の「生成AI×ITC」カテゴリ(URLに itc を含む44ページ)だけに絞ってみます。

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| 生成AI×ITCカテゴリ(44ページ) | クリック | 表示回数 | クリック率 | 1日あたりクリック |
|---|---|---|---|---|
| 過去3か月(92日間) | 289 | 12,984 | 2.23% | 3.14回 |
| うち直近28日 | 175 | 6,567 | 2.66% | 6.25回 |
出典:当社サイトのGoogle Search Console(2026年8月17日取得)。3か月分のクリック289回のうち、61%にあたる175回が直近28日に集中しています。
1日あたりのクリックが3.14回から6.25回へ、約2倍。表示も141回から235回へ、66%増えました。このカテゴリは、いま伸びています。
ただし——ここが大事なところです。伸ばしているのは、8月に書いた新しい記事ではありません。それは次の章(△)で出します。
5|取扱商品ページを、確かめたい順に並べ替えた(伊勢通様)
愛知県の建材商社、株式会社伊勢通様(創業107年)。担当されているのは役員1名(田邊瑛二さん)で、広告費ゼロ、外注ほぼゼロ。使ったAIはClaudeです。
2026年5月からの3か月で、サイトの成約率が3.81%から6.11%へ。サイトに来た100人のうち、買った人が3.81人から6.11人になったということです。ECの月商は前年同月比で約2.5倍、EC開設以来の最高額になりました。
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| 項目 | 内容・実測値 |
|---|---|
| 課題 | 取扱商品ページが、社内の並び順のままだった |
| やったこと | お客様が買う前に確かめたい順(用途・品番・在庫の考え方)に並べ替えた |
| 使ったAI | Claude |
| 担当・体制 | 役員1名(田邊瑛二さん)とAI。広告費ゼロ・外注ほぼゼロ |
| 期間 | 2026年5月〜7月(3か月) |
| 結果① | 100人のうち買った人が 3.81人 → 6.11人(約1.6倍) |
| 結果② | ECの月商が前年同月比 約2.5倍。EC開設以来の最高額。売上に占める自社サイト経由は86.4% |
| 注意点 | 季節要因やリピート購入も含まれます。1社の実績であり、保証するものではありません |
支援先・株式会社伊勢通様の実測値(2026年5〜7月)。掲載許可をいただいています。/Claudeを明記していますが、当社はAnthropic社の代理店ではなく、紹介料も受け取っていません。
なお、この成果は田邊さんご自身がやったことです。私がやったのは、生成AIの基本的な使い方をお伝えしたことと、触っていい範囲の線引きを一緒に決めたことまでです。
▶ 最初から順に書いた記事があります:AIに仕事を渡すということ|建材商社の役員1名が、3か月でやったこと
参考|AIが無くても、同じことが起きます(対照として)
東京の製造業、株式会社エムティーシー様。自社開発の製品ページが、社内の品番「TL001」で書かれていました。社内では、それがいちばん正確な呼び方だったからです。
けれど、お客様はその品番を知りません。そこで、東京都中小企業振興公社のハンズオン支援のもと、「何ができる製品か」「何に困っている人向けか」の言葉に書き直しました。結果、月間の問い合わせが3件から20件(約6.5倍)になりました。製品も、価格も、品質も変えていません。
これは生成AIの事例ではありません
YouTube・Webマーケティングのご支援でやったことです。生成AIは1つも使っていません。それでも、上の◎の1・2・5とまったく同じことが起きました。
だから、こう言えます
効くのは「お客様目線」であって、AIは道具です。AIがやってくれるのは、それを速く・大量にやることだけです。順番を逆にすると、効率化で止まります。
▶ 詳しくはこちら:製造業のYouTube集客・活用術【問合せ6.5倍・売上40倍の事例付】
「うちの場合、どれから手をつければいいですか」
上の10行のうち、どれが御社に効きそうかは、いまのサイトの状態で変わります。ページを実際に見て、まず1つだけお選びするところからでも構いません。
60分の無料診断を見る△ まだ答えが出ていない仕事
6|生成AIの記事を10本書いた → 表示160回・クリック2回
前の章で「ITCカテゴリは2倍のペースで伸びている」と書きました。では、その伸びを作っているのはどの記事か。分けてみます。
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| ITCカテゴリ44ページの内訳(過去3か月) | クリック | 表示回数 |
|---|---|---|
| 2026年8月8〜17日に公開した10本 | 2 | 160 |
| それ以前に公開した34本 | 287 | 12,824 |
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| 2026年8月に公開した記事 | 表示回数 | クリック |
|---|---|---|
| AIエージェントは開発しなくていい | 53 | 0 |
| 生成AIは2025年と今で別物 | 33 | 0 |
| 生成AIで売上が上がらない理由 | 22 | 2 |
| AI検索対策は意味ないのか | 19 | 0 |
| AIに仕事を渡すということ | 18 | 0 |
| AIで528ページを整えた実ログ | 5 | 0 |
| Claudeのモデルの違いと選び方 | 5 | 0 |
| 本番のWordPressを壊さずに実装した記録 | 4 | 0 |
| 中小企業の生成AI活用(当社の中心記事) | 1 | 0 |
| 会社概要ページの作り方 | 表示なし | 0 |
| 合計 | 160 | 2 |
出典:当社サイトのGoogle Search Console(2026年5月16日〜8月15日・92日間)。各記事の公開日は2026年8月8日〜17日です。
同じ92日間で、サイト全体は表示930,302回(全世界)。この10本の合計は160回です。さらに、当社の上位1,000クエリの中に、生成AI関連の検索語は1件もありませんでした。
これは失敗ではありません
10本とも公開から1週間です。92日間のうち、実質1週間しかデータがありません。この段階で「効かなかった」と判定するのは間違いです。だから×ではなく△に置いています。
それでも、言えることがあります
記事は、書いた週には1回も読まれません。いま当社を伸ばしているのは、3か月前に書いた記事のほうです。「生成AIで量産すればすぐ増える」という話とは、実測が合いません。
7|動画ページの設定を149本直した → 判定できません
2026年8月13日に、動画を載せているページ149本の構造化データ(VideoObject)を一括で直しました。検索結果に動画のサムネイルが出るかどうかに関わる設定です。
結果を出そうとして、気づきました。データが3日分しかありません。
直したのは8月13日、Google Search Console のデータの最終日は8月15日です。直したあとの期間は3日しかありません。直近28日で見ても、そのうち25日は直す前の期間なので、良し悪しの判断には使えません。
× 数字が動かなかった、悪くなった仕事
8|クリック率を上げようとした → 1.24%から1.09%に下がりました
順位が上がり、表示も増えました。ところがクリック率は下がっています。
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| 期間 | 平均掲載順位 | 1日あたり表示 | クリック率 |
|---|---|---|---|
| 2026/05/16〜06/26 | 8.18 | 8,525回 | 1.24% |
| 2026/07/04〜08/15 | 7.45 | 11,710回 | 1.09% |
出典:当社サイトのGoogle Search Console(全世界・前42日=2026年5月16日〜6月26日/後43日=7月4日〜8月15日)。順位と表示は良くなり、クリック率だけが悪くなりました。
図5:なぜ、クリック率だけ下がったのか
クリックの実数は増えています。それでも、クリック率は下がりました。ここは今後の課題です。「順位が上がった」で終わらせず、クリック率まで見ないといけない——自分への戒めとして、そのまま載せます。
9|記事を増やす → 5年書いて、609本を取り下げました
2021年から5年間、書けば書くほど良いのだろうと思って続けました。表示回数は増えました。ところが、問い合わせは比例して増えませんでした。
理由を調べていくと、増やした記事の多くが「そのページだけを見ても、何が書いてあるかわからない文章」になっていました。読んだ人が次の行動に移れない。だから、選ばれない。
そこで609本を検索対象から外しました。いちばん効いた仕事(この記事の◎の1番)が、いちばん失敗した仕事の後始末だった——というのが、正直なところです。
※ 1,170本の大半は、生成AIが普及する前に書いたものです。生成AIでやったのは、増やすほうではなく「取り下げる」ほうの作業でした。
著書でも「動画は本数ではない」と書いてきました。同じことを、自分のブログでは5年かけて実地でやり直したことになります。書いた本人が、いちばん遠回りをしていました。
10|文章の下書きを速くする → 問い合わせは1件も増えていません
この記事のような文章の下書きにかかる時間は、生成AIでおおよそ15分から5分へ、約66%短くなりました(当社実測)。ありがたいことです。
ただ、これで問い合わせが増えたかというと、増えていません。議事録の要約も、日報のまとめも、メールの下書きも同じです。速くはなります。ただ、外にいるお客様には1文字も届いていません。
社内の生産性は、確かに上がっています
下書きにかかる時間は15分から5分(約66%減)。これは実測です。この記事も、その時間で下書きができています。やる価値はあります。
それでも×に入れている理由
この記事の判定軸は「商売の数字(問い合わせ・売上)が動いたか」だからです。生産性が上がっていないという意味ではありません。測っている数字が違う、というだけです。
いちばん読まれているページに、生成AIの記事は1本もありません
| 当社の上位10ページ(過去3か月) | 表示回数 | クリック | クリック率 |
|---|---|---|---|
| 1|書籍解説(YouTube運用の教科書 4-7) | 152,607 | 1,249 | 0.82% |
| 2|YouTubeのチャンネル登録は誰かバレるか | 67,196 | 1,045 | 1.56% |
| 3|YouTubeチャンネルのホーム画面設定 | 94,891 | 760 | 0.80% |
| 4|書籍解説(4-5) | 19,461 | 386 | 1.98% |
| 5|YouTube上級者向け機能の利用資格 | 9,239 | 343 | 3.71% |
| 6〜10|すべてYouTube・書籍関連 | 7,000〜29,000 | 260〜327 | 1.0〜4.5% |
| (参考)2026年8月公開の10本のうち最も多いもの | 53 | 0 | — |
いまの当社の売上を支えているのは、YouTube関連の記事です。生成AIの記事は、検索でいえばまだ何も生んでいません。それでも書いているのは、お客様の探し方が、この2年で変わったからです。
これは私の実感ではありません。当社サイトへのAI経由の流入は2024年後半までほぼ0でしたが、2025年から立ち上がり、いまはChatGPT・Perplexity・OpenAI経由が毎月入ってきています(下の図)。同じことが支援先でも起きていて、支援先B(業種は伏せます)では2026年5月にChatGPT経由が月104セッションになりました(GA4実測・掲載許可済み)。

出典:当社および支援先のGA4(2026年8月時点)。AI経由の数字は、参照元を送らないAIやアプリ内ブラウザがあるため実際より少なく出る傾向があります。多くのサイトではまだ月0〜20セッション程度で、「主要な流入源になった」とは言えません。
検索ではまだ0でも、AI経由では動いている。だから書いています。くわしい経緯は生成AIは2025年と今で別物|何が変わり、売上2.5倍になったのかに書きました。
おまけ:直しても、AIにはすぐ反映されません
2026年8月1〜2日に、ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexityの4つへ同じ質問をしました。当社サイトの表記を「建材商社」に直したあとです。結果は分かれ、Geminiには「建材メーカー」という古い表記が残ったままでした(下の画面)。いっぽうPerplexityは、伊勢通様・エムティーシー様を実名で回答しています。

当社実測(2026年8月1〜2日)。AIの回答は日々変わるため、同じ質問でも結果が異なる場合があります。
「直せば、すぐ変わる」ではありません。1つのAIだけ確認して安心しないほうがよい、ということでもあります。確かめ方はAIから自社がどう見えているかを確かめる方法にまとめています。
なぜ、この差が出たのか
10行の表を、もう一度ご覧ください。◎になったのは「お客様が見るページを、確かめたい順に直した」「見つけてもらいやすいように整理した」——いずれも、外にいるお客様に届く場所を触った仕事です。いっぽう×になったのは、下書きの時間短縮も、議事録の要約も、すべて社内で完結する仕事でした。効率化が悪いのではなく、外との境目を越える設計をしていないだけです。
▶ この線引きと、越え方の全体像はこちらにまとめてあります:中小企業の生成AI活用|効率化で終わらせず、売上に変える全体像 / 外向けに何を置くかは 会社概要ページの作り方 / 何を任せて何を任せないかは AIエージェントは開発しなくていい
自社で試すときの3つの注意
1同時に2つやらないでください
当社は7月に、記事の整理とURLの引っ越しと内部リンクの統合を同時にやりました。だから今回、「どれがどれだけ効いたか」を分けられません。これは反省点です。1つずつやれば、次に何をすればいいかが分かります。
2いまの数字を、先に控えてください
Google Search Consoleは無料です。手をつける前に、クリック・表示・クリック率・平均掲載順位の4つを控えておく。それだけで、あとから答え合わせができます。控えていないと、上がったのか下がったのかも分かりません。
31か月で判断しないでください
当社の8月の記事10本は、1週間で表示160回です。伊勢通様も、最初の1か月は「正直めんどくさい」という状態で止まっていました。数字が動いたのは、そこからさらに数か月あとです。
そして、いちばん申し上げたいのはこれです。手をつける場所は、増やす側ではなく、いまあるものを整える側から探してください。当社で効いたのは、そちらでした。
次に読む
よくある質問(FAQ)
Q記事を減らせば、どの会社でも順位は上がりますか+
Q生成AIの記事が表示160回というのは、失敗ということですか+
Q効果が出るまで、どれくらいかかりますか+
Q順位が上がったのに、クリック率が下がるのはなぜですか+
QうちにはGoogle Search Consoleが入っていません。何から始めればいいですか+
Q社内の効率化に使うのは、意味がないということですか+
Qこの記事の数字は、あとで変わりますか+
Q生成AIで売上が上がった事例はありますか+
Q生成AIを使っても成果が出なかった事例はありますか+
Q中小企業が生成AIを使うなら、どの仕事から数字が動きますか+
Q自分でやるのと、誰かに頼むのと、どちらがいいですか+
まとめ
- 活用事例は「やったこと」ではなく「そのあと数字が動いたか」で選んでください。上位16本を読みましたが、自社の実測値を出していた記事は0本でした。
- いちばん効いたのは、記事を減らすことでした。1,170本のうち609本を検索対象から外したあと、サイト全体の平均掲載順位が8.18から7.45になりました(全世界・前42日=2026年5月16日〜6月26日/後43日=7月4日〜8月15日。因果ではなく時系列です)。
- 表示が37%増えたのに、順位が上がりました。ふつうは逆になります。1日あたりの表示は8,525回から11,710回へ。
- 生成AIで書いた10本は、公開からの実測で表示160回・クリック2回でした。集計窓は92日分ですが公開していたのは最長7日なので当然で、書いた週には1回も読まれません。
- いま伸びているのは、3か月前に書いた記事です。ITCカテゴリの1日あたりクリックが3.14回から6.25回へ、約2倍になりました。
- 下がったものもあります。クリック率は1.24%から1.09%へ。順位だけを見て安心してはいけない、という戒めです。
- 効いた仕事は全部、お客様に届く場所を触っています。下書きの時間短縮も議事録の要約も、社内で完結するので数字は動きませんでした。
- 試すときは、同時に2つやらない・いまの数字を先に控える・1か月で判断しない。この3つだけ守ってください。
「うちのサイトは、いまどの数字が止まっていますか」
御社のGoogle Search Consoleを一緒に見て、この記事の10行のうち
どれが効きそうかを、1つだけお選びします。
いまAIに御社がどう見えているかの確認からでも構いません。
※ ITコーディネータ・酒井大輔が対応します。相談だけでもかまいません。
動画の本を2冊書きました。行き着いた考え方は、この記事と同じでした


【この記事で使った出典】当社サイトのGoogle Search Console(2026年5月16日〜8月15日・92日間・2026年8月17日取得/検索タイプ「ウェブ」)/当社および支援先のGA4(2026年8月時点)/中小企業基盤整備機構「中小企業の生成AI活用に関する実態調査」(回答10,000社)/支援先の実測値は掲載許可をいただいたものです。支援先の数字は1社の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。
著書『ビジネスユーチューブで売れ!』『経営戦略は動画が最強!』(書籍のご案内) | 執筆者プロフィール



















